イク・リスマン

2024年07月13日

ビュッケブルグ歳時記 324

夏休暇


 この国の人たちは休暇、特に夏の休暇が特に大好きで、国会も6、7、8月の3ヶ月は夏休暇として会議決定は行われません。
 この形式は1980年から連邦議会で決められたことで6、7、8月には会議決定が行われていないのです。例外として特別基本法で開く例外はあるということですが。

 今年はアンペル連合党の政治法で2024年の国家予算が成立されていないことはお知らせした記憶があるのですが、この予算確定も夏休みの後に確定することになるのだと思われます。


 このような ”休暇重視” の国家の、現在の夏の真っ盛りのこの国の様子をお伝えしてみます。

* 7月6日の新聞には『来年度の予算はこれから80時間の後に成立させる」との声明が7月6日の新聞紙上に掲げられています。

* 6月の末から、国技サッカーのヨーロッパ大会がドイツで行われたことはお伝えしましが、対スペイン戦で負けてしまったドイツ団からは、スペインやその他のサッカー強国で活躍したToni Kroos, Mueller等の2014年隊の選手生活脱退が明らかになった。ゴール・キーパーのM.Neuerの進退は未決定。

* 国防大臣は期待していたよりずっと少ない今年の軍事予算については「我慢するより仕方がない」と、アラスカで行われている ”Arctic Defender 2024“ で、Nato の練習に参加している。

* 現在在任の 外務大臣Annalena Baerbock(女性)は次の選挙に「初のみどり党の首相」としての候補に立候補はしないとの意を示している。 

* 郵便の配達時間が長くなる。郵便の届くのが遅くなるわけです。2025年からは4日間待つことになることも可能。

* この国では現在、”デモクラシー“ への敵が多くなってきている。ということは民主主義に対して過激派の敵が多くなってきていて、自由主義をなくそうとする世情になっていて、両者の戦いが過激なっているのが現状である。


 このようなことが7月中ばまでのドイツ国内の現実事情なのです。

 この国の普通の会社員の休暇は30日で、月ー金の5日間を勤務日として勘定するため続けてとると6週間の休暇となるのです。これを一度に夏の休暇としてとる会社員が多いと言われていることを書き添えておきます。

 今年の国外での状態も平和から離れてゆくような気がするのですが、思い過ごしでありますように願いながらのblogです。

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2024年06月22日

ビュッケブルグ歳時記 323

サッカーのヨーロッパ大会


 6月14日(金)にドイツ対スコットランドで幕を開けたこの大会は、2006年の世界大会と同じように、スポーツ界だけではなく産業界にも、大きな輝かしい ”真夏の夢” を持ってきてくれることを期待するような幕開けでした。ちなみに5:0でドイツが勝ちました。

 この大会についてのコメントを見つけましたのでお知らせしてみます。


* 2006年のワールド・カップは経済界発展がすでに限定されていて財政危機は過ぎ去っていたのだが、産業沈滞の現在には、景気つけや、産業イメージを促すロケット・ブースター(発進用の助けロケット)などような役目をする ”真夏の夢”がくれば、この大会では淀んでいる世情を晴らすことに大きな効用があるはずだ。

* サッカーヨーロッパ大会が持ってくる得点を見てみよう。650000人が観戦のために来独する。この人たちの飲食、Trikot(選手の着るその国のシャツ)の購入、宿泊ホテル、飲食店 etc. がもたらす使用料による利益。
 またサッカーボールや旗などのその他の商品売買による利益なども、経済界に大きな利益を与えると思われる。

* このような利益を小売業者でさえ 今年のローロッパ大会での利益として3、8Milliarden と予測している。

* 残念ながらこの予測を ”相対化” する懐疑者もいて、その人たちは ”なんの利益も持ってこない大会” と言っていることも事実なのだが・・・

* これは観戦のための Ticket にお金を使ったのでその他のモノやコトは倹約するというサッカー・ファンが多いことと考えることからくる結果論。

* 何はともあれ ”しめったー(この国ではアルコールの入った飲み物を表現する時にこのような表現をすることが多いのです)楽しげなー飲み物” は、競技場でも、Public Viewingでも無くてはならないものであるから、ここからの収入が多いことは期待できる。アルコール無しのビールの販売が大きく伸びるだろうというのが業者の見解。

* 最後に経済的な第一の勝者は Europaeische Fussballverband UEFA であろう。この機関は、今年のドイツでのヨーロッパ大会の利益は 2 Milliarden(十億)Euro と見通ししていて、この額は先回のフランスでの大会利益より26%多い。

* UEFA はスイスの ”公益奉仕をする協会” に席があり、この協会では税金を節約することが可能。今年の利益もこの協会に払い込まれる。

* このような状態の中でのドイツでのサッカー・ヨーロッパ大会はドイツの良い姿、例えば客に対して友好的であるとか、大会がよく組織立っているなどと公表できる。


 このように国技のサッカー・ヨーロッパ大会を楽しんでいるのが今のドイツです。対スコットランド、対ハンガリーと勝ちました!

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2024年06月08日

ビュッケブルグ歳時記 322

「我々は今、”実証の時”に置かれている」


 との表題で、(Steinmeier )シュタインマイヤー ドイツ大統領は、5月24日のドイツ連邦共和国基本法(憲法)の75年記念日に、勢揃いした政治家と国民にたいして演説を行いました。

 ウクライナ戦争やガザ騒動などで不穏が大きい時の憲法記念日での演説内容は重要だと思われますのでお知らせしてみます。


* 大統領の演説について。

 1949年(敗戦)と1989年(東西統合)は我が国にとって大きな意味を持つ年であり、この2事を上手くマネージしたことによって現在の我が国は自由と平和の国として存在しているわけである。

 そこから国民が今しなければならないことは「我が国の、憲法によって与えられ、確保されている自由とデモクラシーを防護することである。75年前に与えられたこの憲法事項は残念ながら永遠のものではなく、これらを守ることは我々国民がしなければならない仕事である。


 与えられた憲法は”成果”ではなく”委任”であるので、成果に行き着くまでの道程は我々国民が見極め、その道程での努力を惜しまず、目的を見失うことがないように邁進することが、我々に義務として与えられているのである。

 そして今、敗戦で与えられた憲法が夢が覚めるように消えて、ロシアがウクライナに侵略したことで”戦争”と言うものがヨーロッパに入って来たのである。


 プーチン首相の「他の国を犯す」と言う欲求がいつ治るかと言うことは誰にもわからないので、我が国も自国を守るための軍隊を強力にしなければならない。

 パンデミー、インフレーション、経済危機、気候変化、中近東の不和などのニュースに耳を塞ぐ人が多くなっているのが現状だと思われる。

 「この頃のニュースは聞かない、見ない」と言う人が多くなっているということであるが、それで解決する問題ではない。


 大統領としては、現在の我々国民は ”確証試験をされている”と考えている。この”試験”は、以後、もっと大きく困難になると思われる。それに対する対策は”頭を砂の中に埋める”とか、昔のことを思い出して夢をみるとかの方法では解消できる問題ではない。

 我々は「現実感」と「功名心」を強く持って、我が国の憲法を守ることを主張するべきだ!!


 このようにこの国では敗戦で民主主義と、それを守る憲法が取り入れられ、それに沿った政治が行われていることがわかります。 

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2024年05月25日

ビュッケブルグ歳時記 321

ヨーロッパ議会への選択奨励


 「今年2024年は、世界人口の半分以上に値するヨーロッパ同盟の国々の議会員が選挙されるという重要な年になるわけで、この選挙に対する奨励のためにドイツからはスタインマイヤー連邦大統領、オーストリアおよびイタリアの二大統領が、市民に選挙奨励の声明を出した」との記事が目に留まりましたのでお知らせします。


* 2024年の、世界の人口の半分以上に値するEU議会の選挙は、ヨーロッパだけではなく世界の民主主義国にとって大きな意味を持つことになると思われる。

* 400MillionenのEU同盟国の市民は、ヨーロッパ議会で討論される問題について自分の意見を持ち、それを発表することができる。

* 世界中で多元論、人権、法治国論などが犯されている情景を見かけることが多いのであるが、そのような場合に議員だけではなくEU国の国民がお互いにそれらの事態解決に努力することを、我々国代表者は期待するのである。


このようなことが、今回の選挙の目的であるようです。
そしてまたデモクラシーを守る!
 
* 民主主義を防御する。我々の国ドイツ、オーストリア、イタリーはこの思想を守ることの重要性を知っている。デモクラシーが無いところには人間性も政治的分別感もなくなる。 

* そしてこのようなデモクラシーはヨーロッパ国同盟と固く結びついている。

* このヨーロッパの価値と法律共同体の価値は、平和をもたらすものとして今まで世界に証拠だてしてきた。

* 統一ヨーロッパはデモクラシー無しでは作れるものではない。そしてヨーロッパのデモクラシーは、全欧州の人たち、民主主義の自由を理解する人たちで成り立つものである。

* 今回のヨーロッパ議会の選挙は、議会の構成改善と民主主義における錯雑な工程を簡素化することが目的。

* 「選挙」というものは大きな力を持つものである。この制度によって弱いものに力を与え、反対に大きすぎるものの力を牽制するという物事の平均を保つ機能をするものでもあるから。


 このヨーロッパ議会選挙は6月9日(日曜)に行われます。
 対象は16歳以上の欧州市民です。

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2024年05月11日

ビュッケブルグ歳時記 320

平和であった今年の5月1日


 「労働の日、5月1日とは、その国の労働組合が 労働者の公平な社会的立場を、その賃金の確認を、労働者の持つ権利を正しく受けているか否かを証明するための日である」という前書きの後、この国の大きな都市の「労働の日の模様」を載せた新聞の記事をお伝えしてみます。


* ショルツ首相は「我が国に対して ”ドイツは休養公園だ” などと言う人がいることには腹が立つ。我が国の労働者は充分な時間を働いているし、これまでにも働いてきた!」と言っている。

* これに対して労働大臣は「もっと働こう!我が国には必要なことだ!」と、労働増加を奨励している。


 このように2つの意見が5月1日に聞かれたと記事にあります。

* ハンブルグでは9000人がデモに参加。この数は昨年に比べて4000人多い。

* ベルリンでのデモは Gaza 戦争がテーマとなるかという心配があったが、杞憂に終わった。
 また11600人が初めの人数だったが、そこに左派のグループが加わって25000から30000人となったグループの行進にも多くの警察隊が同行したが、この行進も平和に終わった。

* Stuttgart ではある小事件が警察隊に対して起こった。

 このような日が今年のこの国のメイ・デイでした。平和に終わった日だったのです。


 この記事に同行して伝えられている記事 「建築会社組合のスト」についてをお伝えしておきます。

 ドイツでは今「住むところ」家、アパートなどが不足していて大変なのです。
 この状況は個人の住むアパートや一軒家から、工業用の工場のような大きな建物にわたる建築物まで、その数の欠乏に喘いでいるのがこの国の近況なのです。

 それなのにそれを作る労働者への尊敬と、それらの労働に対する労働時間や賃金への理解が認められない場合には、労働者に残されている抗議方法はストライキ以外にはないわけです。

 そこからメイ・デイの持つ、もう一つの大きな意味「労働者の抗議を発表する場所」でもあることを、読者に知らせるために載せられた記事だと思いますのでお知らせします。

aokijuku at 00:30|この記事のみを表示コメント(0)
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