2024年09月14日

ビュッケブルグ歳時記 328

この頃のドイツ


 人権が重要視される民主主義が行き渡っていると思われるこの国の様子をお伝えしたいと思って続けてきたBlogなのですが、この頃耳に入るニュースからは、ドイツは何となく世界の歩みの後を行っているような気がします。

 例えば、製造も売り上げも世界で一番大きいと言われてきたVW(フォルクス・ワーゲン)社が、節約計画、または閉社のための労働者への解約条件などを発表したというニュースを聞くと、驚くのはわたし一人ではないと思われるのです。

 今までは中国で一番売れていたVW車は、中国の電気自動車の供給要望に応える製造に遅れをとって、中国での販売はほとんどゼロになったということです。


 この遅れ現象は二つの要素 を持っているように思われます。一つは地球温暖化に抗する電気自動車の重要性 ともう一つはドイツは地球温暖化をそう重要に考えていなかったということを表していると言っても良いとも思われるのです。

 アウト・バーン(高速道路)のスピード制限もせず、電気自動車の発展、売買にも努力をしなかった政治がこのような結果となって、直接に自動車工業労働者の未来に、間接にはドイツの国の経済に大きく影を作る結果となっているように思われるのです。


 フォルクスワーゲン社が中国から引退をする羽目になったことの次に来るのは、ドイツのどこかのフォルクスワーゲン生産会社の閉鎖ということにつながると見ての処置が先週末の新聞に発表されていました。

 会社というと、この国では労働組合が大きな関係を持っているのですが、今閉鎖が身近に迫っているVW会社の一会社では「一週間に4日間労働する」という案が取り上げられているということです。


 そして9月10日には、フォルクスワーゲン社は過去30年間有効であった雇用保護」が無効になることを発表したと新聞に載っていました。このことは2025年から有効で、VW社は条件なして雇用労働者を解雇できるということを意味するということだと思います。世界1であった自動車会社がこんな羽目になるとは・・


 わたしの住んでいる地域は小都市の中級の地区なのですが、今までになく大きな車が軒並みにずらりと並んでいるのです。注意してみると1軒に二台の車というのも珍しくなく、両方とも大きい車というのも目に入ります。

 政治、経済だけに責任を押し付けずに、市民も環境を良くすることに気をつけなければ、と思わせられる情景です。

aokijuku at 00:30│コメント(0)

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
月別の記事一覧
最新コメント