2024年01月27日

ビュッケブルグ歳時記 313

不穏な動きのあるドイツの2024年


 今年の予算についても、またウクライナ援助についてもなんの解決策も聞かないまま新年になったのですが、そこにまた一つの大きな難事が襲ってきているという感じのするドイツの今日この頃です。

 トラクターによる農民デモが平和に終わったとあと、先週末に特に西ドイツの大都市で老若男女10,000人による大きなデモが行われたのです。
 このデモは、昨年から主に旧東州ドイツの政治を支持するようになったAfD*という党を阻止するための、民主主義尊重のドイツの国民による大きなデモです。


 ( ”政治思想” について説明するのはとても難しくて躊躇するのですが私の知識以内で知ったことを書いてみます)

 今、この国の政治を行なっているアンペル連合党・・社会民主党+自由民主党+みどりの党・・は、左翼の政治です。この政治に反対して特に旧東独の州に、AfDという超右翼党が進出してきているのです。
 AfD=Altenativ (二者択)fuer (ための)Deutschland(ドイツ国)という ”ドイツのための選択肢党” という名の党は、2013年に右翼極端派の党として発起され、2014年にヨーロッパ選挙に、2017年に12、6%を得て連邦議会に進出した党ということです。


 ネオナチと言ってもいいほどの排外的性格を持つこの党は、既に旧東ドイツの州の30%の議席を獲得しているということです。
 このことは旧東ドイツの市民が、SPDのショルツ首相の政治に不満を抱いていることからくると言われています。

 このような現象に対しての市民の反対デモとして、ミュンヘンでは20000人、ハンブルグでは80000人が集まって氷雨の中でデモをしている様子がTVで見られました。その他の西ドイツの格州の首都でも大ががりなデモが行われたのです。
 「AfD 党はナチの党である!」と、右翼過激派の党から身をひいていたのは西の産業州の市長でした。


 そして次の場面は 寒さを避けるため、頭から襟までを大きなスカーフで包んだ歳をとった男女市民が「我々が1945年に獲得した民主政治を2度と破壊されることには強く反抗する」と、差し出されるマイクロホンに激しく反対意見を言っている風景には頭が下がる気になりました。
 ”デモクラシー” ということの大切さを意識している国民の姿に頭が下がるのです。


 このように西の市民は、この党を拒否しているのですが旧東の州では反対に、勝利を飾っているのです。
 この事実は本当にドイツの将来に心配をもたらすように思われます。

 この国の民主主義が奪われないように祈るのみです!

aokijuku at 00:30│コメント(0)

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