2023年02月11日

ビュッケブルグ歳時記 290

政治好きなドイツの社会


 1月末のベルリン新聞に載っていた一人の女性の記事が目に止まりました。

 彼女は二人の子供を持つ母親で、クリスマスと新年をかけた7週間を予防拘禁で監獄で過ごしたという経歴を持つ母親ということです。
 投獄された原因が、歳時記287に書いた「Last Generation」の活動、政府の地球温暖化政策を促進するために団員が為す方法のためだということです。その方法とは数人の団員が高層道路の入り口に座り込んで、それぞれの手や足を道路に”瞬間貼り付け剤” で貼り付けて、車の通行を阻止することです。
 パリ条約でCO2を少なくするはずが、いまだに果たされていない。政策をもっと真剣に、早急にすることを政府に訴えるデモな訳です。

 
 新聞1ページの3分の2を占める彼女の闘争論理 を、簡単に書いてみます。

 {通信デザイナーとして働いていたが、地球崩壊を防ぐことはもっと大切なことだと知ったので、現在はLast Generation の仕事、Aktivismus に専任している。
 今の政府は、2045年には地球は気候ノイトラールになると言っているが、今までの経過ではその可能性はない。それを知らせるためのデモをしている。私たちの市民グループが政府を動かし、我々の要求に添うような政治処置をするようになることが目的である。

 最初、この団体を知らなかった時は希望は全然持てなかったが、一つの機関の中では希望を持って、活動をしている。
 警察という機関も、”敵”という感覚でなく一つの”仕事”として解釈しているので、友達とは言えなくても、お互いの立場は理解し合っている。

 私の娘も将来警察官になりたいという希望を持っているので、そのための必要な前提資格とか、機関などを調べている。
 今の時代にはどのような職業でもその役目を持っている。温暖化対策に関しては政治をする国家か、成果が見えない国家政治に成果を促す我々の促進デモ機関かどちらが正しいかをいつでも探りつつ私たちはデモを行っているのです}


 最後に、 { Last Generation が行っているデモが、国家を、市民や社会やその他の機関との討論に向けてくれることが目的で、私たちは道路に自分たちを貼り付けるデモを行なっているのす。このような我々のデモが効果を示さない場合は、他のデモが行われることと思うが、待ち時間がないことを忘れてはならない。地球がその存在を失くすまでの時間はそう長くないのだから} が、彼女の活動主旨です。

 何故このようなデモの模様をお知らせしたかといえば、ドイツでは多くの国民が政治に興味を持っていて、賛成でも反対でも政治に参加しているという事実を知っていただきたかったのです。
 社会に”あること”が起こると、それぞれが意見を持ち、この”貼り付けデモ”だけではなく、大小のデモが其処ここで行われるのがこの国ドイツなのです。

 政治に関する話し合いは、家庭でも、社会でも、二人以上の人が集まる所では盛んに行われます。政治に対する個人の意見は、本当にオープンに話すことができるのです。

 このことはやはり「民が主」という主義が、本当に社会に行きわたっていると言って良いと思うのですが・・・

aokijuku at 00:30│コメント(0)

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
月別の記事一覧
最新コメント