2021年08月28日

ビュッケブルグ歳時記 255

Wie die ”Generation-Merkel” tickt( ”メルケル年代の若者” とは)

 選挙まで数週間となり選挙運動が活発になっている中で、投票に挑むこの国の若者に対しての興味ある研究記事が目に止まりましたのでお知らせしてみます。
 今回の選挙に因む若い人たちはいろいろな面で、今までの選挙年代とは違った育ち方をしてきた年代であることからの、これからの政治に対する影響などの憶測が述べられているのです。

 第一に、表題の”メルケル年代” とは、他の国にはない(と思われる)特殊なことだと思われます。メルケル首相が16年間、ドイツ国を統率してきたということは、例えば最初の投票に行くこの国の多くの若者は(この国ではある種の選挙の開始は16歳からです)、メルケル首相以外の首相を経験していないという珍しい環境で育った年代であるわけです。メルケル無しの政治を経験していない年代なわけで、これはドイツだけの特殊世代の話なわけです。

 この特赦な例の他に、世界的に時代に沿った興味深い年齢層についての観察が示されています。例えば ”Gretaー年代” とか、Y - 年代(1980−1994年に生まれた層で、デジタル化しつつある社会で育った世代)とか Z - 年代(1995ー2010生の層で、デジタル化の他に、人間間のコミュニケーションにはスマートホーンと共に育った年齢層)とか呼ばれる新しい社会で育った人たちの年代であるということで、この世代の考える政治や政治家に対する考えについて暗示が示されているのです。
 
 この世代の若人に重要な政治は1.楽しめること=楽しんですることは人を誘引するから 2. 意義があること=することの意義を明確に示すこと 3. 安全保証があること=彼らの晩年への保証がしっかりしていることが、これからの政治活動には必要だと研究者は述べています。
 そしてこの年代層は決して統一された層ではないのでこの層を統一するのには困難があると思われるが、やはりメガ・テーマとなっているのは地球の温暖化ということには変わりがないということです。
 温暖化対策には41%の若者が興味を示し、この解決策が彼らを”政治化”させているのが現状である。ここで重要なのは”彼らが自分から政治的何かをやり出すこと”だ、というのが研究者の観察です。 

 又、反対に今の政治家は、我々が何を考えているか顧みてもくれないとの評価を持っている若者も多く(この考えは特にパンデミーで、より強くなったということです)彼らは政党にも信用をおかず、右翼やポプリステッシュ派の政党に票を入れることになり、国全体の政治を混乱させる悪要因となるということも書き出されています。
 最後に、全体的に見て、学識に基づいて行われたメルケル政治は、若い世代にも良い影響を与えたと見られて、次の世代に残す後継遺産も相続に値するものであるとの結論が読めました。 

 このような政治理解と、若者と政治間の距離の近さは、日本では理解されないかと心配です。
 日本の選挙の折に聞く、若い人の棄権意見が”誰に入れて良いか分からないから”との意見を聞くと、2國間の選挙意識の違いに驚きます。
 77%の若者が信用を置いているというこの国のデモクラシイーと、日本との相違に驚くのです。
 この国の民主主義政治は家庭で養育されてゆくのです。小さな子供時代からこの国の人たちは政治について話し合い、聞き合うのです。 

 2021年の選挙が、近代機械の発展とともに人間社会の世代変化も変わってくる可能性もあるのかと思うと、地球の未来は果てしがないとも思えてきます。


aokijuku at 11:37│コメント(0)

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