2020年07月11日

ビュッケブルグ歳時記 230

歴史上最高額の対コロナ救援金

 コロナヴィールスは完全に退治されていなくても、自粛が緩和されると同時に被った様々な被害の援助のための案が提出され、特に今後の健康管理、職業現場確保、そして国の経済情勢を取り戻すための援助案が出されて、状況向上を図ろうとする努力がなされている様子を大雑把ですがお伝えしてみます。

 表題の史上最大の援助額とは、353.3Milliarden( 1Md は10億)で、そのプログラムはおおよそ次のようなものです。
1. 自営業者の社会的保安のため、相応の援助を6ヶ月間する。
2. 小自営業者(労働者十人まで)や雇用関係にない自由業者や中小企業経営者へ3ヶ月間の援助をする。
3. 最も多額を要するのが経済界安定のための大企業へのフォンズなどの援助金。
4. 健康管理としてコロナへの種痘薬発明費などの研究費などの援助。


次は税金に対する免除案で、
1. 付加価値税が今までは19%(物によっては7%)だったのが、7月1日から12月31日まで16%(5%)となる

その他の援助
1. 家族のための援助として、子供ボーナスと名付けられた、子供一人につき300ユーロが一回のみ支給される。
2. 貧困者へは家賃の援助。 

 この他に温暖化対策や未来への技術発展や消費経済復活、などへの費用への援助も挙げられています。 

 このようなプログラムに対する批判が多いことも、事情を考えるともっとだと思われます。
 自分の技術で生活を成り立てているジャズ・ピアニストは、即刻援助として2500ユーロを貰ったが、8月末までコンサートは禁止されているし、クラブやバーも閉店していては生活が成り立たないと嘆いていますし、ホステル(ホテルとモーテルが同居している宿)経営者は、開店許可が下りてもヴィールスを恐れて客は来ない。それに宿を無人にしておくと、備え付けの物質を盗まれることになり困っている。また酒場などの経営者は閉店命令と同時に8000ユーロを貰ったのだが、開店許可が出て開けてみると、客は30%しか来ないことがわかった。この状態が続けば3ヶ月後には破産閉店するより仕方がない、などの不満が実際の状況のようです。                                                                     そしてこの国は自分の国だけを援助するだけでなく、EU圏の保持のためにも援助をしなくてはならないのです。
 昨日、メルケル首相がコロナ自粛が溶けて初めての国境を超えてEU議会に出席し、EU援助の交渉スタートの演説を行ったことは日本にも報道されていると思います。

 現在1850Milliarden ,2027年には1.1 Billion ( 兆) という膨大な額のEU援助金の使用法をまとめる出発点に立って、「パンデミーは我々の持つ基本権利を奪うことはできない。これはヨーロッパが一体となって団結することによって防ぐことができる。そのためには急がなくてはならない」という彼女の演説にはオーストリア、オランダ、デンマーク、フィンランドの四つの国を除いてのスタンデイング・オベイションがあったと報道されました。

 わたしのような一主婦は、出てくる巨大な援助額に驚き、この国はお金持ちなんだなあと一応安心し、援助の効果がなるべく早く、均等に出てくるように願うばかりです。

aokijuku at 00:30│コメント(0)

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