2020年01月11日

ビュッケブルグ歳時記 218

新年に

 皆さま、新年、おめでとうございます。
 今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 新しい年はやはり明るい見通しのある年であってほしいと思うのはわたしだけではないと思います。明るい未来は、それを造るのも、そこに居るのも若い人たちです。昨年のブログで知らされた、フイギュアスケート界の未来の第一人者河辺愛菜さん、温暖化対策運動の基を作ったグレタ・トーンベルグさんなど、彼女らの意欲と行動欲と成功に頭が下がります。そして大声で応援を送りたいと思います。 

 彼女らが代表する若い世代が、彼らの持つ才能、意欲、意志をいっぱいに伸ばすことが可能な環境を作るのが政治だとすると・・・との考えから、「奨学金」に考えが行き着きました。
 日本の新聞で時折、奨学金の返済についての疑問を訴える記事を読むことを思い出す他、日本の奨学金については全く無知なのですが、ドイツの奨学金について少しお知らせします。

 この国でBAFOEG(連邦ー教育ー促進ー規則)と呼ばれる奨学金は、生徒(この国では高校生までを生徒と呼びます)及び学生の誰でもが持つ学習権利を可能にする経済的援助金で、生徒と学生で経済力の足りない者に国から貸与されるものとされています。
 対象となるのは両親の収入、又は既婚者の場合、相手の収入が教育費に満たない場合に受けられる、と定義されています。

 この国では2019年の8月に制度改新がありました。奨学金額が高くなったのです。次のような事項が理由です。1. 学ぶことは誰にでも与えられている権利である。そこから経済力の低い中産階級の若者も学べるようにする。2. 大きな問題となっている最近の全国的な家賃の値上がりから学生にも家賃の援助をする。3. 結婚している場合に、学生であることと家庭を守ることの2つの事情の両立が上手く行くように援助する。
 そして改革後は驚くほど多くの面で奨学金を受けられる生徒、学生の申請範囲が大きくなっているのです。例えばある学生の財産ー貯金通帳などーが7500ユーロ以内であれば申請できる。既婚者で子供がいる場合10歳までは月に130ユーロが、2人目は80ユーロが支給される。学習期間に何らかの理由で空き期間が起こった場合、改革前はその期間の支給は中止だったのですが、改革後は通して支給される。又、学習に外国実習などがある場合、その期間も支給される。そしてこの項は、EU 連合の規定で外国語習得を援助する目的で外国から来ている留学生に対しても援助金が払われる。その他、受奨学生でも月450ユーロまではアルバイトも許可されるという幅の広い改新だとされています。

 次に返済期間ですが、最後の学習コースを終えた5年後に始まり、受けた奨学金の50%を返済するとの規定です。ただ、ここには1万ユーロまでという限定があり、受けた金額がこれ以上でも1万ユーロを返済すれば返済済みとなるのです。又奨学金返済には利子は勘定に入っていません。月額105ユーロか(3ヶ月315ユーロでも可)20年間以内に返済を完了すること、との決まりです。
 又、学習を終え、就職をしても給料が少なくて返せない場合は、1年間の返済猶予が与えられる。生徒の場合は返済必要なしです。

 そして学生の数が増えているのも最近の特徴です。女性が多くなっているのも目立つことです。


aokijuku at 23:51│コメント(0)

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