2019年11月23日
ビュッケブルグ歳時記 215
お城のクリスマス
駆け足でやって来る夕闇と競争をするように、大通りの電球飾りが次々に華やかな光を灯す11月末の週には、ビュッケブルグ城の一大イベントとされる”お伽の国のクリスマス”と銘打った10日間の商業を伴ったお祭りが催されます。
この期間はお城も、周りの広大な庭も解放され、クリスマス装飾品はもちろん、ファッション、家具、装身具、庭園デコレーションなど多くの商品がそれぞれの屋台に煌びやかに並べられ、購入者を待っています。
この期間は、主な交通道路も制限され、近郊からの見物者を運んでくるバスが毎日、お城の裏の耕作地を埋め尽くします。
この期間は、お城だけではなく、小都市ブッケブルグの大通りの商店街も観光客でいっぱいになります。
この国で耳にするお城というものーー昔の君主が建てた建物と、今でもそこに住んでいる旧貴族、子孫などについて少し書いてみます。
ドイツでは、約100年前の第一次大戦後に君主制が廃止されましたが、 Georg Friedrich Prinz von Preussen とか モナコのカロリーネ姫が再婚した、暴力好きと噂されている Ernst August Erbprinz von Hannover などの人たちは、貴族と呼ばれる称号は無くなったわけですが、祖先の建てたお城に住み、お城を伝統建物として維持することに努力している旧王家の子孫なわけです。
このような消え去った階級層の子孫については一般に、職業選択など、その生き方が難しく、また残った古城についてはその維持費捻出に苦労すると言われています。ですから子孫がいないとか、居ても住むことを放棄されて地域の所有になっているお城も多いのです。
このような古城の一つが、ルネッサンス時代に建てられたビュッケブルグ城で、ここには城主が居ます。公爵に相当する、51歳の Alexander Fuerst zu Schaumburg-Lippe です。
彼の家族は少々込み入っていて、最初の夫人は、旧貴族の Lilly prinzessin zu Sayn-Berleburg 、短期間しか続かなかった2回目の結婚の夫人は弁護士、現在は一人のイラン人女性が伴侶です。第一夫人は、再婚したのですがこれも離婚となり今は”お城カフェー”の責任者としてこの地に戻ってきています。
第一夫人との間にできた26歳になる青年、ドナートスが次の城主です。彼は現在ロンドンで勉学中ということです。
アレクサンダー城主は非常に考えが先進的で、FDP(自由民主党)党員で、戦闘的なブロガーであるという噂です。ジャズピアノが彼のホビーです。
「貴族階級は無くなったにも関わらず、世の中には自動的にこの階級は裕福だという観念が染みとおっているので苦労する。例えば城の周りの広大な森林や野生野原の使い方にしても、自分の意見と担当役人との意見に一致が得られない。これでは城の維持費は不足する一方だ」との城主としての抗議文が公開されています。ここから”お伽の国のクリスマス”も、経済的な考えから商売になっていることが察しられます。
お城も通常は公爵家族の個人的住居の他は、全て公共的に使われ、250ある使える部屋は、事務所とかアパートとして市民に貸し出されています。正門の右は乗馬学校で、秋には猟犬を交えた狩猟行進などで賑わいます。お城の中のピンクの間と呼ばれる、桜色の大理石で作られた大広間は、音楽会や準国賓会合などに使われています。付属のチャペルでは宗教の如何を問わず、希望の人たちの結婚式が行われています。披露宴はピンクの間でどうぞ、という事だと思います。
このように、お城持続に苦労しているアレクサンダー公爵とそれを応援する市民
とで、お伽のクリスマス祭りへの準備に追われているビュッケブルグの初冬のもようをお伝えしました。
駆け足でやって来る夕闇と競争をするように、大通りの電球飾りが次々に華やかな光を灯す11月末の週には、ビュッケブルグ城の一大イベントとされる”お伽の国のクリスマス”と銘打った10日間の商業を伴ったお祭りが催されます。
この期間はお城も、周りの広大な庭も解放され、クリスマス装飾品はもちろん、ファッション、家具、装身具、庭園デコレーションなど多くの商品がそれぞれの屋台に煌びやかに並べられ、購入者を待っています。
この期間は、主な交通道路も制限され、近郊からの見物者を運んでくるバスが毎日、お城の裏の耕作地を埋め尽くします。
この期間は、お城だけではなく、小都市ブッケブルグの大通りの商店街も観光客でいっぱいになります。
この国で耳にするお城というものーー昔の君主が建てた建物と、今でもそこに住んでいる旧貴族、子孫などについて少し書いてみます。
ドイツでは、約100年前の第一次大戦後に君主制が廃止されましたが、 Georg Friedrich Prinz von Preussen とか モナコのカロリーネ姫が再婚した、暴力好きと噂されている Ernst August Erbprinz von Hannover などの人たちは、貴族と呼ばれる称号は無くなったわけですが、祖先の建てたお城に住み、お城を伝統建物として維持することに努力している旧王家の子孫なわけです。
このような消え去った階級層の子孫については一般に、職業選択など、その生き方が難しく、また残った古城についてはその維持費捻出に苦労すると言われています。ですから子孫がいないとか、居ても住むことを放棄されて地域の所有になっているお城も多いのです。
このような古城の一つが、ルネッサンス時代に建てられたビュッケブルグ城で、ここには城主が居ます。公爵に相当する、51歳の Alexander Fuerst zu Schaumburg-Lippe です。
彼の家族は少々込み入っていて、最初の夫人は、旧貴族の Lilly prinzessin zu Sayn-Berleburg 、短期間しか続かなかった2回目の結婚の夫人は弁護士、現在は一人のイラン人女性が伴侶です。第一夫人は、再婚したのですがこれも離婚となり今は”お城カフェー”の責任者としてこの地に戻ってきています。
第一夫人との間にできた26歳になる青年、ドナートスが次の城主です。彼は現在ロンドンで勉学中ということです。
アレクサンダー城主は非常に考えが先進的で、FDP(自由民主党)党員で、戦闘的なブロガーであるという噂です。ジャズピアノが彼のホビーです。
「貴族階級は無くなったにも関わらず、世の中には自動的にこの階級は裕福だという観念が染みとおっているので苦労する。例えば城の周りの広大な森林や野生野原の使い方にしても、自分の意見と担当役人との意見に一致が得られない。これでは城の維持費は不足する一方だ」との城主としての抗議文が公開されています。ここから”お伽の国のクリスマス”も、経済的な考えから商売になっていることが察しられます。
お城も通常は公爵家族の個人的住居の他は、全て公共的に使われ、250ある使える部屋は、事務所とかアパートとして市民に貸し出されています。正門の右は乗馬学校で、秋には猟犬を交えた狩猟行進などで賑わいます。お城の中のピンクの間と呼ばれる、桜色の大理石で作られた大広間は、音楽会や準国賓会合などに使われています。付属のチャペルでは宗教の如何を問わず、希望の人たちの結婚式が行われています。披露宴はピンクの間でどうぞ、という事だと思います。
このように、お城持続に苦労しているアレクサンダー公爵とそれを応援する市民
とで、お伽のクリスマス祭りへの準備に追われているビュッケブルグの初冬のもようをお伝えしました。
aokijuku at 10:14│コメント(0)│