2019年06月08日
ビュッケブルグ歳時記 204
EU 選挙
5月26日の、40年前に始まった28カ国による、5年毎のEU選挙の様子は日本にも色々と報道されていると思います。この地でも、このところ続いている右翼ポピュリストの台頭に加え、直前にオーストリヤでイビツア・スキャンダルが暴露されたりとEU全体の混乱状態が伝えられています。専門的なことはメデイアに任せ、このブログでは、普通の市民のわたしの興味を引く、ドイツでの選挙後の状態をお伝えしてみます。
選挙後の月曜日の朝刊のタイトルは 「分割されたドイツ」でした。この分割には2種類あり、第一は、旧西ドイツは「みどりの党」が、旧東では右翼の「ドイツのための選択肢党」(以下AfD) が大勝という結果が出たのです。この東AfD現象は30年前の東西統合が未だに全うされていないともとれますし、経済的に同等になっていないことから豊と貧の差別が大きいとの分離のようにも受けとれます。
第2の区分は、投票者の年齢による選択党の違いです。
今回の選挙では、30歳以下の投票市民の33%がみどりの党に票を入れた結果から、EU議会へはみどりの党の勝利になったのです。
この第2の年齢による分割理由はとても興味があると思いますので少し詳しく書いてみます。
この国の若い人達は、今までの政党は何もしなかったとして、ーーこの代表が地球温暖化への改正政策をしなかったことが挙げられるーー自国の将来に信頼が置けないと、次のような命題をこれからの新政府に出しています。
「今までの2大政党はデジタルに対して文盲であったが、これをベンキョウしてもらいたい。これからはデジタル時代になるのだから」
この項には次のような説明が必要です。
選挙の3日前に、Rezoと名乗る、26歳の男性が、ユーチューブで自身のCDU批判の意見をVideo にして流した所、数百万人の市民がそこから影響を受け、このプログラムが原因で票が少なくなったとCDU から文句が出たのです。この番組は、批判事項を誰でもが理解できるように、強いて云うと日本のお笑い番組のように、ユーモアを交えた文体であったことがCDUの怒りを買ったのかもしれません。
「ユーチューブ・スラングはユーモア隠喩であることを理解してほしい。将来の政治家とのコミュニケーションはデジタルなのだから、このスタイルの真意を掴んでもらうことが必要である。我が国では言論も報道もその自由が基本法で決められているのだから、文体の自由も認められるはずだ」「デジタルでの意見と口答での意見とを区別することはおかしい。両方とも”一つの意見”であることにかわりは無いのだから」
これを読むと、時代の推移をつきつけられたような気がします。「TVはもう昔のもの。今は個人が発信機になる時代になっている」と、何かで読んだことが思い出され、今回の選挙で、その事実を見せつけられたように感じるのです。
そして政治も変わってゆくのだという実感が強くあります。
今の政治に満足していない多くの国々が、右に傾いてゆくことを見ると、ドイツの若年層の市民の、政治を変えようとの意気込みにはやはり応援したい気持ちになります。変え方がポシテイブだと思うのです。
子どもへの教育を思い出します。大人からの命令形ばかりでは進歩は得られない。子どもにやらせてみて、必要になったときに大人が援助するというという形には、成長への信頼があるように思われるのです。そしてこれは若い人の人格尊重にも繋がると思うと、今回の選挙には、民主主義の中にある一つの真義、若い人達の人権尊重が実践されているように見えるのです。生きかた練習教育のような感じがします。
そして、このような若い人達が自分たちの属する国を良い方向に変えようとする社会では、EU 圏の最高目的、平和は保たれるだろうとの期待をしてもよいように感じられます。
5月26日の、40年前に始まった28カ国による、5年毎のEU選挙の様子は日本にも色々と報道されていると思います。この地でも、このところ続いている右翼ポピュリストの台頭に加え、直前にオーストリヤでイビツア・スキャンダルが暴露されたりとEU全体の混乱状態が伝えられています。専門的なことはメデイアに任せ、このブログでは、普通の市民のわたしの興味を引く、ドイツでの選挙後の状態をお伝えしてみます。
選挙後の月曜日の朝刊のタイトルは 「分割されたドイツ」でした。この分割には2種類あり、第一は、旧西ドイツは「みどりの党」が、旧東では右翼の「ドイツのための選択肢党」(以下AfD) が大勝という結果が出たのです。この東AfD現象は30年前の東西統合が未だに全うされていないともとれますし、経済的に同等になっていないことから豊と貧の差別が大きいとの分離のようにも受けとれます。
第2の区分は、投票者の年齢による選択党の違いです。
今回の選挙では、30歳以下の投票市民の33%がみどりの党に票を入れた結果から、EU議会へはみどりの党の勝利になったのです。
この第2の年齢による分割理由はとても興味があると思いますので少し詳しく書いてみます。
この国の若い人達は、今までの政党は何もしなかったとして、ーーこの代表が地球温暖化への改正政策をしなかったことが挙げられるーー自国の将来に信頼が置けないと、次のような命題をこれからの新政府に出しています。
「今までの2大政党はデジタルに対して文盲であったが、これをベンキョウしてもらいたい。これからはデジタル時代になるのだから」
この項には次のような説明が必要です。
選挙の3日前に、Rezoと名乗る、26歳の男性が、ユーチューブで自身のCDU批判の意見をVideo にして流した所、数百万人の市民がそこから影響を受け、このプログラムが原因で票が少なくなったとCDU から文句が出たのです。この番組は、批判事項を誰でもが理解できるように、強いて云うと日本のお笑い番組のように、ユーモアを交えた文体であったことがCDUの怒りを買ったのかもしれません。
「ユーチューブ・スラングはユーモア隠喩であることを理解してほしい。将来の政治家とのコミュニケーションはデジタルなのだから、このスタイルの真意を掴んでもらうことが必要である。我が国では言論も報道もその自由が基本法で決められているのだから、文体の自由も認められるはずだ」「デジタルでの意見と口答での意見とを区別することはおかしい。両方とも”一つの意見”であることにかわりは無いのだから」
これを読むと、時代の推移をつきつけられたような気がします。「TVはもう昔のもの。今は個人が発信機になる時代になっている」と、何かで読んだことが思い出され、今回の選挙で、その事実を見せつけられたように感じるのです。
そして政治も変わってゆくのだという実感が強くあります。
今の政治に満足していない多くの国々が、右に傾いてゆくことを見ると、ドイツの若年層の市民の、政治を変えようとの意気込みにはやはり応援したい気持ちになります。変え方がポシテイブだと思うのです。
子どもへの教育を思い出します。大人からの命令形ばかりでは進歩は得られない。子どもにやらせてみて、必要になったときに大人が援助するというという形には、成長への信頼があるように思われるのです。そしてこれは若い人の人格尊重にも繋がると思うと、今回の選挙には、民主主義の中にある一つの真義、若い人達の人権尊重が実践されているように見えるのです。生きかた練習教育のような感じがします。
そして、このような若い人達が自分たちの属する国を良い方向に変えようとする社会では、EU 圏の最高目的、平和は保たれるだろうとの期待をしてもよいように感じられます。
aokijuku at 00:30│コメント(0)│