2018年07月28日
ビュッケブルグ歳時記 183
WMの余波
フランスの勝利で終わったはずの(ちなみに勝負を別にして、一番きれいで、見応えがあったのが日本対ベルギー戦であったという評が多いことをここで皆様にお伝えしておきます)WMは、サッカーが国技のこの国では未だ終わっていないのです。理由を知ると驚いて、なんとなく不審な感じが先ずあったのですが、いろいろな面で考える点も多いように思えますので書いてみます。
2日前のTV夜ニュースの第一画面が一人のサッカー選手の選手でした。この選手がドイツ国テイーム脱退を発表したことが大ニュースとなったのです。
この選手はドイツ国テイーム中堅選手のMesut Oezil (以下Oe.) で、彼はトルコとドイツ両国の国籍を持つ、ドイツ生まれのトルコ人選手なのです。(現在はイングランドのFC アルゼナルに在籍)先回のドイツ優勝にも参与していました。それ以来、このことがサッカー界の「新しい、世界に開けたドイツを現すシンボル」と賞賛されてきた選手なのです。 それが今回の敗戦では「贖罪のヤギ(この国でよく使われる聖書から来る言い回し)」にされてしまったから、脱退するというわけです。
「贖罪のヤギ」にされたという大きな原因は、丁度あったトルコ総裁の選挙に勝利をとったエルドアンの招待を受け、背番号付きの上着を掲げて総裁と並んで微笑む写真がメデイアで広まったこともあるのです。この微妙な出来事を緩和しようとシュタインマイヤー大統領がOe. を招待したりしたのですが、時すでに遅しで多くの市民の反感をかうことになったのです。
Oe. の脱退は二つの明暗として、今の社会に様々な疑問を投げかけることになったのです。
この国の社会は本当に外国人差別を克服したのか、ということが大きな問いとなって国内だけではなく世界に向かって出されることになったのです。このことの元はやはり未だにホロコーストにあり、そこへ難民問題が重なり、社会が右傾してきていることなどで解決までには未だ長い時間がかかるように思えます。が、この国では避けることができない要注意点です。
またスポーツが政治に関与しているのも気にかかることです。Oe. は、総裁の招待を気楽に受けたのだと思われる一方では、総裁は、ドイツで人気のあるスポーツ選手を招待することから、ドイツに住むトルコ人たちの票を多く集めることなるとの権力増大策略に成功したと見なし、政治がサッカーに勝ったという味方をする人も多いのです。
又、難民を多く受け入れているドイツの大きな仕事は、彼らとの融合のための様々な問題解決です。Oe. は脱退文の中に融合について云々しているようですが、外務大臣は、英国に住む百万長者の選手に我が国の融合仕事を評価する資格はない、とはねつけています。この発言にまた多くの反対意見が出るという具合で、Oe. の脱退宣言がこの数日間、世間を騒がせているWM未終了のドイツのこの頃なのです。
このようないろいろなことを聞いたり、読んだりするとき、良く気をつけて考えると今の世界に大事なことが結構あるような気がしてきます。ドイツのように周りに多くの国があると外国人との接触は避けられないことで、そのための心得を持つこと。そのためには各自が意見を持って、人の意見も受け止めて、それをどのように融合としての結果に導くかなど、考えさせられることが多いように思われるのです。
フランスの勝利で終わったはずの(ちなみに勝負を別にして、一番きれいで、見応えがあったのが日本対ベルギー戦であったという評が多いことをここで皆様にお伝えしておきます)WMは、サッカーが国技のこの国では未だ終わっていないのです。理由を知ると驚いて、なんとなく不審な感じが先ずあったのですが、いろいろな面で考える点も多いように思えますので書いてみます。
2日前のTV夜ニュースの第一画面が一人のサッカー選手の選手でした。この選手がドイツ国テイーム脱退を発表したことが大ニュースとなったのです。
この選手はドイツ国テイーム中堅選手のMesut Oezil (以下Oe.) で、彼はトルコとドイツ両国の国籍を持つ、ドイツ生まれのトルコ人選手なのです。(現在はイングランドのFC アルゼナルに在籍)先回のドイツ優勝にも参与していました。それ以来、このことがサッカー界の「新しい、世界に開けたドイツを現すシンボル」と賞賛されてきた選手なのです。 それが今回の敗戦では「贖罪のヤギ(この国でよく使われる聖書から来る言い回し)」にされてしまったから、脱退するというわけです。
「贖罪のヤギ」にされたという大きな原因は、丁度あったトルコ総裁の選挙に勝利をとったエルドアンの招待を受け、背番号付きの上着を掲げて総裁と並んで微笑む写真がメデイアで広まったこともあるのです。この微妙な出来事を緩和しようとシュタインマイヤー大統領がOe. を招待したりしたのですが、時すでに遅しで多くの市民の反感をかうことになったのです。
Oe. の脱退は二つの明暗として、今の社会に様々な疑問を投げかけることになったのです。
この国の社会は本当に外国人差別を克服したのか、ということが大きな問いとなって国内だけではなく世界に向かって出されることになったのです。このことの元はやはり未だにホロコーストにあり、そこへ難民問題が重なり、社会が右傾してきていることなどで解決までには未だ長い時間がかかるように思えます。が、この国では避けることができない要注意点です。
またスポーツが政治に関与しているのも気にかかることです。Oe. は、総裁の招待を気楽に受けたのだと思われる一方では、総裁は、ドイツで人気のあるスポーツ選手を招待することから、ドイツに住むトルコ人たちの票を多く集めることなるとの権力増大策略に成功したと見なし、政治がサッカーに勝ったという味方をする人も多いのです。
又、難民を多く受け入れているドイツの大きな仕事は、彼らとの融合のための様々な問題解決です。Oe. は脱退文の中に融合について云々しているようですが、外務大臣は、英国に住む百万長者の選手に我が国の融合仕事を評価する資格はない、とはねつけています。この発言にまた多くの反対意見が出るという具合で、Oe. の脱退宣言がこの数日間、世間を騒がせているWM未終了のドイツのこの頃なのです。
このようないろいろなことを聞いたり、読んだりするとき、良く気をつけて考えると今の世界に大事なことが結構あるような気がしてきます。ドイツのように周りに多くの国があると外国人との接触は避けられないことで、そのための心得を持つこと。そのためには各自が意見を持って、人の意見も受け止めて、それをどのように融合としての結果に導くかなど、考えさせられることが多いように思われるのです。
aokijuku at 22:23│コメント(0)│