2018年05月12日

ビュッケブルグ歳時記 178

考えさせられる未来 続き


 先回は人工知能の発達過程について学んだことを書きました。その中に、人間のしていた仕事を機械がするようになる社会がどのようになるのかが心配だと書きましたが、この心配はわたしだけのものではなく、現代の労働者社会全般の持つ、考えるべき大きな課題であるようです。
 ある日刊紙が、「視点ーーデジタル化は大多数国民を失業者にするのか? それとも発展啓発の余地があるのか」という標題でこの問題を取り扱っていますので、この国では現時点でどのように考えられているかをお知らせしてみます。


 先ず、次のような職業の将来が例として取り上げられています。
 47歳のシュミットさんは時速200kmで都市間を走る急行列車の運転手です。
「子どもの頃の夢が実現した汽車運転手という職種は、”最初に無くなる職業の例”となるだろう」と、考え深い面持ちで語っているようです。すでに、ある地方で23kmが無人列車のテスト区間として用意されていることからの発言とのことです。
 第2例は医学関係で、ここではある種の職が過多とされる可能性があるのではないか、とあります。例えば患者のレントゲン撮図を、コンピュータープログラムが医者よりも早く読み取り、分析が出来るようになれば、医者の必要はなくなるのではないか。また、ある手術が出来るロボットが作られた場合は外科医は不必要になると、いうわけです。
 そして次には、弁護士が、例えば2会社間の分厚い契約書を作る場合、作成の場では機械の言語知識組織が、間違えなく、短時間で作り上げることになり、多くの人間の手が不要となるとの例が挙げられています。
 また、中国のアリババ・オンラインデパートの繁盛振りは、以後3世紀間に800万の、今まで人間が扱っていた職場を奪うことになるだろうと予言しているとあります。
 

 これらの例は、猛スピードで発展している人工知能技術が社会に与える、極端に云うとネガテイブな面を示していて、ここからは上記の”心配な面”だけが読み取れるわけです。
 が、次に読み進むと”啓発の余地について”としてポジテイブな面が挙げられています。これは言い換えると、機械が働くようになる未来社会に対して国民の持つべき心構えを示しているような気がしますので、お伝えしておきます。


 シーメンス会社で開発技術者として働いているS.さんは、「自分たちはModulと基礎用材のプログラムを作る仕事をしているが、この二つの組み立て方を工夫することで、我が社の製造物に特殊性をもたらせることが出来る。例えば、薬品関係の機械が、今までのように全ての患者に標準薬品を与えるのではなく、その患者に適した薬品を選ぶ機械を生産することが出来るということなのです」と云っています。そして、「今の仕事は大学で学んだとととは全く違うものなのですが、そこで止まってはいけません。このコトが示しているのは、止まること無く、新しいことに対する興味を持ち続けること。言い換えると学ぶことを面白いと思う心を忘れないことが、デジタル化する社会への心がけだと思います」と結んでいます。
 

 社会が新しくなるという革命的!前提に対しての、実行が出来るような気になる
忠言はやはり慰めになります。


aokijuku at 01:23│コメント(0)

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
月別の記事一覧
最新コメント