2015年09月26日

ビュッケブルグ歳時記 117

避難民問題 つづき


 殺到する難民の受け入れ準備が追いつかないため一時的国境閉鎖はあったものの、受容準備体制は、はじめの一地方から、都市、州、EG国へと広がっています。
 週始めのEG内務大臣会談では、裕福とは云えない東ヨーロッパの国々が受け入れ拒絶なのは仕方の無いこととして、この国々への罰金義務は賛成数を得られなかったようですが、ギリシャとイタリーの受け入れ難民の数を少なくする救助策には合意が多く、ヨーロッパ人のEUへの強い団結意識が示されたように思われました。
これは既述のEG崩壊の心配を薄くすることだとほっとしました。


 これで難民受け入れは一段落したわけですが、何故難民が出るかを考える時、その基ーーこの場合はシリアの戦争ーーがある限り問題が終わったことではないわけです。受容体制設定と同時に、難民問題の起因を無くすこと、即ち戦争を中止することが必要なわけです。
 次の日のニュースで、米独の外務大臣会合が行われ、アメリカも難民問題解決に加わったことを知りました。先ず、今迄に受け入れた7万人を年毎に増やし、2年後には年間10万人を受け入れるとのことで、難民問題改策は世界に広がっているわけです。そして、ケリー外相がアメリカがシリアに対する政策を新方向に向けると発表したと報じられました。戦争中止のためにモスクワと協力するとの意向です。今月末の国連総会の折りに、オバマとプーテインがこの問題について会談を行うとのことです。これによって少しでもシリアの国情が改善に向かうことを願うのはシリア国民だけではなく、世界中の戦争を厭悪する人たちの願いだと思います。このように難民起因に世界が立ち向かい始めたのを知りました。
 

 シリアは現在 1. イスラム教徒でありながらアサッド政府に反抗する反対党と 2. この反対党と共盟しているゴルフ湾沿岸のIS国と 3. トルコとクルド族PKKとの争いと、計3つの戦争をしていて、そのため既に国民の約半数を失っているということです。
 ドイツのメデイアは、モスクワとアメリカによる出撃とドイツの出兵によって戦争中止は可能性があると見ているようです。イランが核条約に調印して以来、
アサッド大統領は昔のような妄執的な圧政者ではなくなっているので、現状は戦争中止に適しているとの記事を読みました。次のような内容です。「先ず、IS国を打倒しようと思う前に、アサッドを制覇することだ。アサッドに権力を一時放棄してもらい、ダマスクスに暫定的政府をおく。これで1. の闘いは終わる。この案は国連の安全保障理事会も話し合いを進めようとしている。その後は、相手のIS国に対して国際軍事同盟国ーー米、ロシア、トルコ、シリア、イラククルド、アラブ諸国、ヨーロッパ、オーストラリアが手を取りあって立ち向かう。ロシアは既に戦車や戦闘機を提供して軍事介入を行っている。IS国は毒ガスを使ったり、世界遺産を破壊したりする野蛮人の集まりである。このまま放っておくといずれトルコ、エジプト、アラブ諸国もリビエンと同じ運命にさらされる。IS国は2ー3年後には自分たちの勝利を収める大戦闘を計画しているとの噂もある。そうなった場合はこれは対IS国との世界大戦となるのだ!」                          
                                                               

 ドイツのポシテイブな予想が当たって、一日も早くシリアに平和が訪れるように願いつつ・・・。 




aokijuku at 00:30│コメント(0)

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