2015年07月01日
ギリシャ危機と通貨ユーロ
6月27日、EU財務相会議でのギリシャ債務問題の交渉はギリギリで妥結するかと思われたが、ギリシャのチプラス首相は
1か月の期間延長提案と7月5日に国民投票を行うという土壇場での奇策に出て、決裂してしまった。
ギリシャのデフォールトが現実のものとなってきて、ユーロ離脱などもとりざたされている。
このギリシャ危機は、もともと自国の財政状況を偽って2001年にEUに加盟したギリシャに責任がある、ひいてはギリシャの公務員の比率の多さ、手厚い年金制度、権利を主張するばかりで怠惰な国民性に原因があるというメデアの論調が多い。
その側面を否定するわけではないが、EUの単一通貨ユーロという点からギリシャ危機を見てみたい。
1999年にEU単一通貨ユーロが創設された。それは欧州経済共同体の目的の到達点であり、また新たな実験のスタートでもあった。しかし、16年を経過した現在では、EUの域内貿易は完全にドイツの一人勝ちであり、あとをオランダが追っているに過ぎない。フランス、イタリア、スペインなどラテン諸国は軒並み赤字国で。ギリシャはさらに悲惨である。EU域内の地域格差、貿易力の差を為替相場で調整しようにも、通貨はユーロに単一化されているので為替による調節機能が効かない。皮肉なことに単一通貨ユーロがドイツと他の諸国の地域格差をますます拡げる状況になっている。このような状況下で財政規律の厳格適用を迫ってもギリシャのような国はますます疲弊し、失業率が高まるばかりである。ギリシャ通貨ドラクマありせば、という
声もある。
ユーロ創設の時に、経済学者ミルトン・フリードマンらが危惧したことがある。
―単一通貨に参加することによる為替相場の固定がある。これがもたらす問題として地域格差がある。
―ユーロ圏各国が独自の文化、規範を有したままユーロを導入すれば、将来には政府間のあつれきが生じかねない。
この事態がいまギリシャで破滅的に起こっている。
1か月の期間延長提案と7月5日に国民投票を行うという土壇場での奇策に出て、決裂してしまった。
ギリシャのデフォールトが現実のものとなってきて、ユーロ離脱などもとりざたされている。
このギリシャ危機は、もともと自国の財政状況を偽って2001年にEUに加盟したギリシャに責任がある、ひいてはギリシャの公務員の比率の多さ、手厚い年金制度、権利を主張するばかりで怠惰な国民性に原因があるというメデアの論調が多い。
その側面を否定するわけではないが、EUの単一通貨ユーロという点からギリシャ危機を見てみたい。
1999年にEU単一通貨ユーロが創設された。それは欧州経済共同体の目的の到達点であり、また新たな実験のスタートでもあった。しかし、16年を経過した現在では、EUの域内貿易は完全にドイツの一人勝ちであり、あとをオランダが追っているに過ぎない。フランス、イタリア、スペインなどラテン諸国は軒並み赤字国で。ギリシャはさらに悲惨である。EU域内の地域格差、貿易力の差を為替相場で調整しようにも、通貨はユーロに単一化されているので為替による調節機能が効かない。皮肉なことに単一通貨ユーロがドイツと他の諸国の地域格差をますます拡げる状況になっている。このような状況下で財政規律の厳格適用を迫ってもギリシャのような国はますます疲弊し、失業率が高まるばかりである。ギリシャ通貨ドラクマありせば、という
声もある。
ユーロ創設の時に、経済学者ミルトン・フリードマンらが危惧したことがある。
―単一通貨に参加することによる為替相場の固定がある。これがもたらす問題として地域格差がある。
―ユーロ圏各国が独自の文化、規範を有したままユーロを導入すれば、将来には政府間のあつれきが生じかねない。
この事態がいまギリシャで破滅的に起こっている。
aokijuku at 00:03│コメント(0)│