2013年04月27日

ビュッケブルグ歳時記 59

がっかりすること

 長くて、暗くて、雪の多い冬がようやっと去って、目眩む陽光の溢れる時になりましたので、教育問題を離れて、今日はドイツの国技、サッカーについてお話ししたいと思います。最近は日本でもサッカーが盛んになっているようで、日本の選手はドイツでも高く評価されています。18あるドイツの第一リーグの中のほとんどの団に少なくても一人は日本の契約選手が居て総勢11人だそうです。

 多分、日本でもーー標題に即すためには日本ではと書かなければなりませがーー観戦が出来ると思いますが、昨夜はヨーロッパ・リーグでの、ドルトムンド対マドリットの準決勝戦をTVで楽しみました。がっかりしたのは、その2日前の火曜の夜、決勝戦のもう一つのテイーム決定の闘い、世界で一番強いと云われていたバルセロナ対ミュンヘン戦があったのですが、これのTV観戦は一般家庭では出来なかったのです。Skyとよばれる特別支払いをした番組だけでしか観られないのです。放画権を放送局が買ってしまうためだと思いますが、準決勝の一戦は観られて、対抗団を決めるゲームが観られなかったのには大きな不満がありました。
 この不満解消のためには、街の何軒かの飲み屋が、一壁を犠牲にして特大のスクリーンを張っているのです。火曜日のような対戦のある時は、数時間前から席を獲得しなければなりません。昨年、誘われてわたしも一時間前に行ったのですが、超満員でした。もう皆、ビールの泡にまみれていて、もらったのは席ではなくて、物珍しがる視線だけでした。飲み屋の前にも大勢の人が集まり、窓から透かしてみたり、聞こえる歓声から状況を感じ取ろうとしていました。
 また、ベルリンのような大都会ではファンクラブが出来ています。ヤコブはシュトットガルトファンなのですが、この試合も支払いTVでなければ観られないことが多いのです。市電で数駅先の飲み屋がこのテイームのファンクラブです。ほとんど毎週、土曜日の夕方にはそこで、ビールを片手に気の合ったファンの人達とゲームを見ながら過ごす一時が、彼にとってその週のストレス解消の役を勤めているようです。

 今年はバイエルンが、飛ぶ鳥も落とす勢いで勝ち誇っているのはご存知だと思います。ブンデス・リーグでは既に優勝が決定しています。既述のヨーロッパ・リーグ決勝に出るのもほとんど確実だと云われています。
 この光栄に影が落とすことが明かされたのが、もう一つのがっかり事項です。
35年間バイエルンサッカー会の団長を務めていたH.氏は、先週まで旧サッカー選手だけではなく、マネージャーとしても人格者としても卓越している人と高名があったのです。メルケル首相も、バイエルン州の州長も懇意にしていた団長が、固有財産をスイスの銀行に隠し持っていたことで、脱税をしていたことが明らかになったのです。「自分は悪事をした」と謝り、脱税が明らかになった時点で、自己申告をしました。この自己申告は、ドイツの独自な法律で、10年間の脱税を自分で税務所に告訴した場合には、その間の税金を支払った後は無罪になる、という脱税だけに効のある法規です。ただ、自己起訴をする全部が無罪になるわけではなく、一般には5万ユーロが基準となっているようです。H.団長の脱税額は、少なくともこの何十倍にもなるので、彼の今後が取りざたされています。政治家をはじめ、高名人だけではなく、バイエルンファンの大勢の国民をがっかりさせた事件として、今メデイアを騒がせています。


aokijuku at 11:26│コメント(0)

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