2013年03月18日

【明日の世界168】 「屋形船」その2

前回遠くにまでつり船がいけるようになるとはぜのほかに、めばち、あじ、いさきと釣れる魚が増え、つりブームが始まりました。新聞社もサンスポを初め竿頭をきそって記載してブームに拍車がかかりました。竿頭とはどこでどの魚が釣れて誰が一番だったと報道します。われこそ竿頭と連日新聞をにぎわせました。夕刊フジ。日刊現代にも広告を載せてブームに便乗しました。品川駅構内の電光看板にも大きな広告を出しました。どのような反応があるのか女将は注意深く見てきました。ブームはいつまでも続きません、まだまだいけると思われたときに競争も激化してきたので女将はあっさりと釣り船をやめて屋形船に転換しました。東京湾や隅田川をぐるっと回って船中食事を出して船旅を楽しんでもらう趣向です。ここでも女将は一味違う手を打ちました。当時隅田川の屋形船が本流と言われていて品川を基地とする勢力は後発部隊です。
隅田川の屋形船は江戸時代納涼船から始まったので冬は船を出しません。そのことになんら疑問をもたなっかのですが女将は船に乗って食事を楽しむなら忘年会を船でやることもありではないかと冬にも屋形船を出すことを始めました。同僚はありえない、失敗すると冷ややかに見ていました。ところがこの企画が見事に当たって船清の快進撃が始まりました。広告に敏感だと世の中の動きに関心を持って先が見えてくるのですね。女将の先を見る目に納得。


aokijuku at 00:05│コメント(0)

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