2012年11月24日
ビュッケブルグ歳時記 49
ドイツの平和教育
11月はこの国では亡き人を想う月です。代表と云えるのが、52年に決められた「国民哀悼の日」で、両次大戦の戦死者、特にナチの犠牲者のめい福を祈る日です。加えて11月はユダヤ人迫害が始まった月でもあるのです。各街の広場で、集められたユダヤ関係の本を焼き払ったり、商店のショーウインドーを破壊したり、ユダヤ教会に火を放ったりしたのが、「第3帝国水晶の夜」と呼ばれる1938年
11月9日の夜なのです。経済界からユダヤ人を排除したのもこの日です。そして1942年にヴァン湖閣議で彼らの殺害が決定されたのです。
この日があるので,11月はナチ時代の悪行を思い返し、慰霊行事とともに平和維持が新たに叫ばれます。33年から45年までのナチの時代を、ドイツでは歴史の一コマとして扱うのではなく「もう一度起こりうる可能性を阻止する」というようにとらえ、歴史的な悪行記念日を警告日として扱っているのです。「二度とあってはならぬこと」という警告のために、学校で子供の時から、第3帝国についての授業が必修として行われるのです。ドイツの歴史授業は徹底して過去を振り返り、反省から再び同じことをしないための平和教育をしているのです。
話が飛びますが、2年前の文芸春秋誌上で、石原慎太郎著の「日本堕落論」を読んだのですが、信じられないことが書いてありました。日本とアメリカが戦争をしたことを知らない大学生が,現在日本にいるということが書いてあったのです。ドイツでは考えられないことです。
また、「日本の教科書には、2次大戦について2ページしか書いてないと聞いたけれど、本当ですか」という質問も受けたことがあります。
日本以外に隣国オーストリアも,自国を犠牲者と見なしていることから、ドイツのように歴史に真っ向から取り組むことはしていないそうです。フランスもしかり。ロシアもスターリニスムの悪政治を反省していないと聞きます。このれと反対にナチ時代を避けない授業が行われるのがドイツなのです。
ナチ時代を取り上げる学年は、州によって違うのですが、9−10学年が多いようです。5学年でとりあげている州もあります。傾向としてなるべく早く問題に取り組ませようという声が大きくなっているようです。
次回で具体的な学習計画をお知らせしたいと思います。
11月はこの国では亡き人を想う月です。代表と云えるのが、52年に決められた「国民哀悼の日」で、両次大戦の戦死者、特にナチの犠牲者のめい福を祈る日です。加えて11月はユダヤ人迫害が始まった月でもあるのです。各街の広場で、集められたユダヤ関係の本を焼き払ったり、商店のショーウインドーを破壊したり、ユダヤ教会に火を放ったりしたのが、「第3帝国水晶の夜」と呼ばれる1938年
11月9日の夜なのです。経済界からユダヤ人を排除したのもこの日です。そして1942年にヴァン湖閣議で彼らの殺害が決定されたのです。
この日があるので,11月はナチ時代の悪行を思い返し、慰霊行事とともに平和維持が新たに叫ばれます。33年から45年までのナチの時代を、ドイツでは歴史の一コマとして扱うのではなく「もう一度起こりうる可能性を阻止する」というようにとらえ、歴史的な悪行記念日を警告日として扱っているのです。「二度とあってはならぬこと」という警告のために、学校で子供の時から、第3帝国についての授業が必修として行われるのです。ドイツの歴史授業は徹底して過去を振り返り、反省から再び同じことをしないための平和教育をしているのです。
話が飛びますが、2年前の文芸春秋誌上で、石原慎太郎著の「日本堕落論」を読んだのですが、信じられないことが書いてありました。日本とアメリカが戦争をしたことを知らない大学生が,現在日本にいるということが書いてあったのです。ドイツでは考えられないことです。
また、「日本の教科書には、2次大戦について2ページしか書いてないと聞いたけれど、本当ですか」という質問も受けたことがあります。
日本以外に隣国オーストリアも,自国を犠牲者と見なしていることから、ドイツのように歴史に真っ向から取り組むことはしていないそうです。フランスもしかり。ロシアもスターリニスムの悪政治を反省していないと聞きます。このれと反対にナチ時代を避けない授業が行われるのがドイツなのです。
ナチ時代を取り上げる学年は、州によって違うのですが、9−10学年が多いようです。5学年でとりあげている州もあります。傾向としてなるべく早く問題に取り組ませようという声が大きくなっているようです。
次回で具体的な学習計画をお知らせしたいと思います。
aokijuku at 00:05│コメント(1)│
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この記事へのコメント
1. Posted by 飯田 博 2012年11月27日 09:24
「歴史と真っ向から取り組む」−
かみしめたい言葉です。
かみしめたい言葉です。