2012年06月16日
ビュッケブルグ歳時記 38
ゆとり教育万感 2
また教育問題に戻ります。
日本でゆとり教育が言い出され、「総合学習」が実施される当時の新聞社説に「これは子どもの興味や関心を生かした体験学習に取り組むもので、教科書は使わない。創意に委ねられているだけに、未だ具体像は描きにくい」とありました。新聞がこのように書くのを読んで、文部省がどの程度の指導要綱をもって、新しい学習形式を始めようとしているのか疑問を持ったことを思い出します。具体的な指導要綱が教師に知らされていれば、新聞もそれを報道出来るはずだと思ったからです。
前に書きましたが、ドイツで行われている「プロジェクト授業」
の主旨は、この新聞の社説と同じです。即ち、「総合学習」と「プロジェクト授業」は同じものと云ってよいと思います。それで日本がドイツのこの授業法を取り入れようとしているとわかったのです。
そこでドイツがこの授業法を取り入れるようになった過程をみてみたいと思います。
ドイツでも長い間、教師が授業をして生徒が学ぶという「向き合い形授業」が行われてきたのですが、この形での不備が批判され始めた1970年頃、教育大学で新しい授業法の探索が始められました。これがプロジェクト授業形式で、この端はアメリカのPragmatismus(実用主義哲学)ーー重要なのは人間と人間のすること(行為)ーーにあり、生徒を、教えられるばかりの立場から、教える立場に立たせて、学ぶ積極性を促す方法が研究されたのです。それが10年後の1980年に行われた教育改革で一般の学校で行われるようになったのです。
大学で、新しい授業型として研究されたものなので、目的や指導要領もきちんとあげられています。定義に始まり、この授業型の特色、進ませ方まで詳しく説明があります。全部を書くことは出来ませんが、重要と思われることをご紹介しておきます。
「この授業法では、教師と生徒の関係が昔の型と反対になり、両側に新しい課題が与えられることになる。生徒は今までのパッシブな教えられる立場から、アクテイブな指導者の役をすることになる。この役には、全体を統率するための共同作業法とかコミュニケーション、自己主張法などが必要になり、教師役をすることによって生徒はこれらの能力を発見し、経験し、育成することになる」
判って下さったと思いますが、ドイツの新型授業法は,日本の総合学習と違って基礎がしっかりしているのです。このような点で、日本とは大きく差があると思います。
次回は,私が実際に見学したプロジェクト授業をお知らせしたいと思います。
また教育問題に戻ります。
日本でゆとり教育が言い出され、「総合学習」が実施される当時の新聞社説に「これは子どもの興味や関心を生かした体験学習に取り組むもので、教科書は使わない。創意に委ねられているだけに、未だ具体像は描きにくい」とありました。新聞がこのように書くのを読んで、文部省がどの程度の指導要綱をもって、新しい学習形式を始めようとしているのか疑問を持ったことを思い出します。具体的な指導要綱が教師に知らされていれば、新聞もそれを報道出来るはずだと思ったからです。
前に書きましたが、ドイツで行われている「プロジェクト授業」
の主旨は、この新聞の社説と同じです。即ち、「総合学習」と「プロジェクト授業」は同じものと云ってよいと思います。それで日本がドイツのこの授業法を取り入れようとしているとわかったのです。
そこでドイツがこの授業法を取り入れるようになった過程をみてみたいと思います。
ドイツでも長い間、教師が授業をして生徒が学ぶという「向き合い形授業」が行われてきたのですが、この形での不備が批判され始めた1970年頃、教育大学で新しい授業法の探索が始められました。これがプロジェクト授業形式で、この端はアメリカのPragmatismus(実用主義哲学)ーー重要なのは人間と人間のすること(行為)ーーにあり、生徒を、教えられるばかりの立場から、教える立場に立たせて、学ぶ積極性を促す方法が研究されたのです。それが10年後の1980年に行われた教育改革で一般の学校で行われるようになったのです。
大学で、新しい授業型として研究されたものなので、目的や指導要領もきちんとあげられています。定義に始まり、この授業型の特色、進ませ方まで詳しく説明があります。全部を書くことは出来ませんが、重要と思われることをご紹介しておきます。
「この授業法では、教師と生徒の関係が昔の型と反対になり、両側に新しい課題が与えられることになる。生徒は今までのパッシブな教えられる立場から、アクテイブな指導者の役をすることになる。この役には、全体を統率するための共同作業法とかコミュニケーション、自己主張法などが必要になり、教師役をすることによって生徒はこれらの能力を発見し、経験し、育成することになる」
判って下さったと思いますが、ドイツの新型授業法は,日本の総合学習と違って基礎がしっかりしているのです。このような点で、日本とは大きく差があると思います。
次回は,私が実際に見学したプロジェクト授業をお知らせしたいと思います。
aokijuku at 00:05│コメント(0)│