2011年05月29日

「マスコミさん、頼みます」

震災このかた、携帯で時間ごとのNHKのニュースが判るようにしている。とりわけ、福島第一原発の進捗状況の情報は、直ぐにでも知りたいところ。水素爆発があった後、多くの外国人が帰国し、新幹線も大阪行きが大変な混雑したようだ。関東西部にある我が家にも親戚がやってきた。すべての人が不安で、東京でも放射能で汚染されてしまう恐怖にあった。その中で、計画停電とガソリン不足、車でも電車でも何処にもいけない。歩ける範囲が生活圏になったが、近くのスーパーには、開店前から中高年が長蛇の列。
あれから2ヶ月、未だに原発の問題が解決している状況には無い。原子炉格納容器に穴があるのがわかり、当初考えられていた水冠が不可能になった今は、冷やし続けるための大量の水が放射能を含んだ汚染水になり、その保管場所の確保にも苦労している。それでも、6月中にはアレバ社の高濃度汚染水の浄化装置が稼働し、汚染水の量を敷地外に流さず原子炉の冷却に再利用できる体制が確立できるようだ。
それにしても、技術大国を標榜している我が日本はどうしたことだろう。1000年に一度の地震や津波が想定外であったか否かは別にしても、高濃度汚染水浄化装置も、放射能汚染環境下のロボットも、フランスやアメリカで開発されたもの。このような事故が発生することを予想しなかったことが、その理由であると言われている。
そうであっても、汚染水浄化に関して国内で僅か一月位の間に、数々の発明がなされている。その一つに、「金沢大学の先生が秋田県の浄化剤メーカーと組んで、汚染水を効率よく浄化する粉末を開発。アレバ社の処理能力の20倍に相当。」とある。またこれ以外には、「発展途上国の水質浄化などを手掛ける日本ポリグルと大阪大学の合同研究グループは、同社製の薬剤を使って実験をおこない、福島第一原発の敷地内に溜まる高濃度の汚染水はもちろん、海に放出されたものもの放射性物質を取り除けることを実証した。」と言う話や、「創造科学研究所は、放射性物質を含む水の浄化を想定し、ヨウ素とセシウムを効率除去できる処理装置を試作。実験の結果、原子力発電所の事故で問題視される放射能汚染水の浄化に活用できることが分かった」との報道も目にした。
それにしても、技術大国日本の科学者の努力が、以上の開発の成果に出ているのであれば、なぜにマスコミはもっとフォローアップをしないのか?東電になぜ採用をしないのかを問い質さないのか?日本で独自に開発された技術である。今こそ、史上最悪の原発事故を逆手にとって、放射性汚染水浄化技術の確立を図れるチャンスなのだ。事故以来、反原発の空気は高まっているので、以前考えられていた程原発は増えないかもしれないが、今後も原発の事故は発生する可能性があるとみてよいだろう。その時に備え、事故処理技術を確立することが必要がある。それを、日本の得意技術にする。今まで実績がない技術でも、効果があれば採用する。これこそベンチャーを育成する手法そのものだ。それをマスコミが主導したらどうか。絶望のふちに、人類を救う技術を日本が先導する。安全な現在と明るい希望のある未来を作り上げるために!マスコミは今こそ存在の意味を示そう。


aokijuku at 00:03│コメント(0)

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