2010年11月20日
「ビッグマックを食する前に!」
「ビッグマック指数」をご存知だろうか?世界各地で販売されているマクドナルドのビッグマックの現地販売価格を基準に算出したものだ。各地の購買力平価水準と比較するときに使われる。その最新版を、イギリスの「エコノミスト」が7月22日に公表した。
それによると、アメリカのビッグマックの値段は、3.73ドル。それに対して、中国では、13.2元である。調査近辺の市場実勢値が、1ドル=6.78元であるので、13.2元を6.78元で割ると、1.95ドルが中国でのドル建て価格になる。アメリカで3.73ドルが、中国では1.95ドルになる。これから、人民元の市場実勢は、48%過小評価されていることがわかる。
因みに、日本では320円なので、それをアメリカでの値段3.73ドルで割ると、85.8円が、「ビッグマック指数」からのドル円相場である。この数字は、昨今のドル円の実勢値である82〜83円とさほど変わらない。円がドルに対して高すぎると議論は、「ビッグマック指数」からは強くは言えないようだ。
さて、この「ビッグマック指数」を使って、前回お伝えした北欧企業の「2011年税引前利益目標値20%」が、実現可能な数値か否かを、中国での生産に限って検証してみる。先日ある企業で、この税引前利益(EBIT)20%の話をしたら、びっくり仰天、別世界の話のような顔をしていたのが印象に残る。とは言え、この北欧企業は上場しているのであるから、この20%は世間にもコミットしていることに注目する必要がある。
この北欧の企業は、青島で計測装置を生産し、中国国内のみならず日本を除く世界各地に輸出している。日本製に近い品質と評価されている。どれほど、輸入部品を使っているか確認していないが、全ての部品が中国製とすれば、例えば、アメリカでは10万ドルで売れるものが、中国では5万2千ドルで売れる価格で生産できるはず。アメリカ販社は、中国からの仕入値の20%を海上運賃などにあてても、輸入原価は62千ドルに収まり、それに販社の経費を売値の20%程を加えても、18千ドルのEBITが残る。中国の製造会社が輸出前に15%の利益を取れば、7,800ドル(=52,000X15%)になり、連結EBITは25,800ドルになる。仮に、輸出比率を50%と仮定すると、2台分で連結EBIT利益が33,600ドル、売上金額158,000ドル、連結EBIT利益率は21%となり、目標の20%を達成できる。
この計測装置は、もともと買収されたアメリカの企業が、製造コストの低減や市場を求めて、中国に工場を移転、製造を始めたものである。技術などの進歩によりこの種の高度の工業製品も、パソコンや電化製品などに見られるように、コモディティ化が進展、ある程度の技術と人材を投入すれば、先進国でも販売できるような物になってきた。そんな時代的背景を認識しながら、時には理論値よりオーバーシュートしがちな為替の状況を読み取り、世界的な視野で生産地を選びとる。会社や事業も、工場や商品も、従業員ですら、動かしうる駒の一つとみなして経営にあたる。発祥の地の北欧での生産に拘泥しない。資本の論理で、利益を極大化するための方策を徹底する多国籍企業の姿が見える。
進行する円高を前に、一体日本は、日本の企業は、どうすればいいのだろうか?
それによると、アメリカのビッグマックの値段は、3.73ドル。それに対して、中国では、13.2元である。調査近辺の市場実勢値が、1ドル=6.78元であるので、13.2元を6.78元で割ると、1.95ドルが中国でのドル建て価格になる。アメリカで3.73ドルが、中国では1.95ドルになる。これから、人民元の市場実勢は、48%過小評価されていることがわかる。
因みに、日本では320円なので、それをアメリカでの値段3.73ドルで割ると、85.8円が、「ビッグマック指数」からのドル円相場である。この数字は、昨今のドル円の実勢値である82〜83円とさほど変わらない。円がドルに対して高すぎると議論は、「ビッグマック指数」からは強くは言えないようだ。
さて、この「ビッグマック指数」を使って、前回お伝えした北欧企業の「2011年税引前利益目標値20%」が、実現可能な数値か否かを、中国での生産に限って検証してみる。先日ある企業で、この税引前利益(EBIT)20%の話をしたら、びっくり仰天、別世界の話のような顔をしていたのが印象に残る。とは言え、この北欧企業は上場しているのであるから、この20%は世間にもコミットしていることに注目する必要がある。
この北欧の企業は、青島で計測装置を生産し、中国国内のみならず日本を除く世界各地に輸出している。日本製に近い品質と評価されている。どれほど、輸入部品を使っているか確認していないが、全ての部品が中国製とすれば、例えば、アメリカでは10万ドルで売れるものが、中国では5万2千ドルで売れる価格で生産できるはず。アメリカ販社は、中国からの仕入値の20%を海上運賃などにあてても、輸入原価は62千ドルに収まり、それに販社の経費を売値の20%程を加えても、18千ドルのEBITが残る。中国の製造会社が輸出前に15%の利益を取れば、7,800ドル(=52,000X15%)になり、連結EBITは25,800ドルになる。仮に、輸出比率を50%と仮定すると、2台分で連結EBIT利益が33,600ドル、売上金額158,000ドル、連結EBIT利益率は21%となり、目標の20%を達成できる。
この計測装置は、もともと買収されたアメリカの企業が、製造コストの低減や市場を求めて、中国に工場を移転、製造を始めたものである。技術などの進歩によりこの種の高度の工業製品も、パソコンや電化製品などに見られるように、コモディティ化が進展、ある程度の技術と人材を投入すれば、先進国でも販売できるような物になってきた。そんな時代的背景を認識しながら、時には理論値よりオーバーシュートしがちな為替の状況を読み取り、世界的な視野で生産地を選びとる。会社や事業も、工場や商品も、従業員ですら、動かしうる駒の一つとみなして経営にあたる。発祥の地の北欧での生産に拘泥しない。資本の論理で、利益を極大化するための方策を徹底する多国籍企業の姿が見える。
進行する円高を前に、一体日本は、日本の企業は、どうすればいいのだろうか?
aokijuku at 00:03│コメント(0)│