2010年10月26日

【From America】「パーム・スプリングスのケーブルカー」

Tram_06アメリカのウインドゲイト緑です。

前回はルート66を通って、カリフォルニア州パーム・スプリングスまで行く道のりをお話しましたが、今回はパーム・スプリングスでの観光のお話です。

パーム・スプリングスといえば、ハリウッドをはじめとするロサンゼルスにお住まいのお金持ちが別荘を構える場所として有名です。L.A.から南に下った場所に当たることから、冬場でも温かく晴天が多いという点で人気の場所なのでしょう。休暇でやってきた人たちは、ゴルフ三昧、外食三昧、スパのマッサージ三昧、というのがお決まりのコースで、皆さんのんびりとバケーションを楽しみます。

さて、このパーム・スプリングスのもう一つの魅力はアウトドアー・スポーツでしょう。山に囲まれた立地のために山の麓は暖かいのですが、ケーブルカーで山に登ると景色も気候も一転します。夏場は涼しい場所でハイキング、冬場は雪が6フィートも降るのでスキーが出来るのです。こんな環境ですから、ゴルフ三昧の合間にまた一味違ったアウトドア・スポーツを楽しめることではないでしょうか。今回は秋の香り漂う場所でのハイキングを楽しむため、ケーブルカーで山頂まで行きました。

このケーブルカーですがパンフレットを読んでみると「回転式ケーブルカー」と書いてあります。なんだか遊園地の乗り物みたいで面白そうです。麓の駅は海抜2,645フィート(約806メートル)。そこから10分でなんと海抜8,516フィート(2,596メートル)まで上ってしまうというので、これはかなり急斜面を一気に上ってしまうようだし、回転式というのもちょっとスリルがあり過ぎて怖いかしらと少々不安になりました。しかし、ここまで来て乗らないという手はないと思い直し、切符を購入しました。

外から見る限り、日本にある「吊り下げ式のケーブルカー」と別段変わりはないような外見です。丸いケーブルカーの中に乗り込むと、座席はなく乗客は皆立っています。真ん中には支柱のようなものが立っていて、そこに運転手さん(?)ならぬオペレーターが座る席があります。一体、どうやって回転式になるのかしら? 私はケーブルカー本体がくるくる回るのかと思いましたが、床を見てわかりました。ケーブルカー本体とオペレーターのいる支柱は固定されており、乗客が乗っている丸い床がゆっくりと回ります。例えて言うのなら、古いドーナッツ型のレコード盤の上に乗客が乗っているという感じです。これはホテルや高層ビルの最上階にある展望レストランの床がゆっくりと回って、お客さんが食事をしている間に外の景色が変わっていき、360度のパノラマ景色が楽しめるようになっている構造と同じです。乗客はケーブルカーの一箇所に立っているだけで、外の眺めが勝手に変化して行く仕組みです。ケーブルカーから山頂を眺める景色や山の麓の景色、また進行方向に向かって右側も左側も全ての景色が見えるようになっています。これが回転式のケーブルカーだったのです。

レストランの床はゆっくりと回転し、動いていることさえ気にならない程度ですが、このケーブルカーはかなりの速さでクルクル回ります。ガラス窓にある手すりにつかまりたくても手すりがどんどん動いてしまうので、手を動かすのが忙しいくらいです。途中の支柱には救助用のヘリコプターが着陸する場所が付いているのが印象的で、スリル満点のケーブルカー体験でした。

麓の駅に戻って考えて見ると、この回転式ケーブルカーのアイデアはなかなか良いと思いました。日本のケーブルカーは固定式ですから、乗客が多い時は車内を移動して別の方向の景色を見ることは出来ません。しかし、これなら乗客全員が公平に360度のパノラマ景色を見ることが出来るのです。日本にもこんなケーブルカーが登場すると良いですね。
Tram04 Tram_Inside_02

midori_windgate at 00:00│コメント(0)

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
月別の記事一覧
最新コメント