2010年06月23日

草間弥生のこと

草間弥生 ;宇宙へのいざない

 002 asano草間弥生は1929年に長野県の松本市に生まれた.年譜を見てみると1935年に小学校に入学、このごろから物のまわりにオーラが見え植物や動物の話す言葉が聞こえるという幻覚を体験するようになる。幻覚、恐れや不安感を絵に描きはじめるようになったと。
 10歳のとき描いた鉛筆による素描は不思議な作品である。髪から顔、首から着物まで水玉におおわれているのである。子供の稚拙さや素朴さはここにはなく憂いに満ちた女性の顔に水玉を施す。後に成人して才能が開花してからも作品の歩みに彼女の特徴として水玉が現れている。

 ニューヨークでの成功、そして帰国
 1957年に渡米し短期間でニューヨークの美術界に認められ独自の地位を築いた。ニューヨークでの草間はスキャンダラスなパフォーマンスを展開、しかし話題性をふりまきながら日本という狭い枠を乗り越えて数々の個展を契機にアーテイストとして国際的な評価を得てきた。
 1975年に帰国してからは日本を拠点にインターナシオナルに精力的に世界に発信しつずけ今や世界の美術界に誰知らぬものもいない世界の草間となった。草間の作品は油彩やオブジエ、版画も含め多彩であるがあらゆるジャンルにわたり作品からかもし出される鮮烈な印象は全くオリジナルなものであり、現代の若者達をも魅了しつずけている。

 草間弥生の版画

 草間の制作した版画はリトグラフ、シルクスクリーン、銅版がある。版画は複数芸術だから安価でもありコレクターにとって垂涎の的である。作家が楽しんで制作することもあってかなり自由に制作しているのでカラフルであり魅力的である。それぞれの細かな技法の説明は避けるがシルクスクリーンは油彩なりアクリル画なりの原画があって、その原画作品から写真製版して制作したものであるからオリジナル版画とは一線を画される。
 その点、リトグラフと銅版は作者が直接プレートの上に描いているのでオリジナル版画である。しかし近年は表現の方法が様々で自由であるためゼロツクスコピーしたものがそのまま作品になったりパソコンのプリンターから印刷したものも作品として発表したりとさまざまである。

 テーマはかぼちゃ、帽子、靴、蝶、かたつむり、たつのおとしご、葡萄、魚であったりひと目で草間作品だとわかる。背景には主にネットがありネツトと水玉が彼女の作品の特徴でもある。かぼちゃをテーマにかなり作品があるが黄色いかぼちゃ、赤いかぼちゃ、ダンスかぼちゃまであり何とも愛らしい。

   宇宙へのいざない 草間弥生版画展

   2010年6月21日―30日
   秀友画廊;東京都中央区銀座7−8−1、丸吉ビル6階

   電話;03−3573−5335


aokijuku at 09:53│コメント(1)

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この記事へのコメント

1. Posted by いぶり みなこ   2010年06月23日 12:08
おはがきいただきました
リトグラフはとても緻密で細かい作業だと思います。アーティストは相当な集中力の持ち主なのだと思いました。

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