2010年05月15日
アカデミー賞俳優並みの演技力・・・
表参道にある当院“アイエスデンタルクリニック”には、場所柄もあり外国人の患者様も多くいらっしゃいます
たいていの外国人の方は日本の保険証をお持ちなのですが、中には、日本で失業してしまったかたも
先日のことです。突然インド人の方がいらして、
“3ヶ月前に左の奥歯が痛くなって近所の英語の出来る先生のところで治療をしていたが、しばらくさぼってしまった。治療の再開をと思い電話をしてみたらなんとその歯科医院が廃業してた
お金は全部前金で払ってあるのに全く連絡が取れず、返金は不可能だろう。仕事も無いし、腰の治療もあってお金が無い。今、とても痛くて眠れないので最低限の治療をしてほしい”と言うのです。
彼は半ベソ状態で、腰痛のせいか片方の足をずるずる引きずるようにして歩いていました。
歯医者にだまされた(?)だなんて、何だかこちらまで責任を感じてしまいます。
すっかり同情した私は、
“最低限といえども咬めるようになるまで治療をさせていただきます”と、お話しました。
彼はとてもほっとした ご様子でした
治療の前に、治療費についてお話させていただきましたが、“その金額で大丈夫。でも、以前の苦い経験があるから毎回支払うのではなく治療終了後に全額まとめて支払いたい。”とのことでした。
通常は治療の都度お支払いしていただくので若干の不安もありましたが、彼を信用するしかない!と腹をくくって治療を始めました。彼はいたって真面目に通院してくださり、4回で治療は終了しました。
しかし、お支払の段階になって、彼はこう言うのです。
“最低限の治療でいいといったのにここまでやってもらうとは思ってなかった。高いから支払えない”
もちろん最初にお見積もりを渡しており、この金額で大丈夫と言ったはずなのに、支払わないとは何事 と30分にわたり押し問答を続けましたが、彼は
”腰痛の治療もあるからお金が無い!“との一点張りです。
最後に、根負けした私が“じゃ、もういいですよ〜” といったとたん、
彼はいままで引きずっていた足をいたって普通に動かし笑顔で
“アリガト、バイバイ”
と爽やかに去っていったのでした・・・。