2025年07月
2025年07月01日
【From America】「卒業式」

アメリカの学校は9月から始まり6月で終わるというサイクルで、日本のように4月から始まり3月に終わるというスケジュールではありません。従って、卒業式は6月に行われます。
日本の卒業式時期になると大学生の女性は袴姿が美しいですね。また小さな幼稚園児が初めてスーツにネクタイをして姿も愛くるしいと思います。それぞれに晴れの日には精一杯おめかしをして参加します。
一方、アメリカでは卒業式ではガウンと帽子を着用するのが一般的で、普段の学校生活では服装が自由なのに対して、卒業式ではみんなが同じガウンを着るので写真をみると一目で卒業式だと分かります。ガウンの色は学校によって様々ですが、ガウンの形は日本の裁判官が来ているような形で個人が様々な服装をしている上に羽織るという感じです。そして、帽子は四角い帽子にタッセルと呼ばれる飾りのふさふさとした紐のようなもの(紐飾り)が下がっています。これが卒業式のおきまりの服装です。
私が興味を持って見ていることの一つは、このタッセルの下がっている位置を卒業式が終わると変えることです。どうしてなのかしら? と常々疑問に思っていました。卒業式が始まるまではこのタッセルが右側に下げられています。そして、卒業証書を受け取り、式が終わると、このタッセルを左側に動かすのです。これは、卒業式のガウンを着て帽子もかぶっているけれど、卒業証書を受け取るまではまだ本当に卒業はしていないのでタッセルは右側。そして本当に卒業したことを示すためにタッセルを左側に移す、という一種の儀式のようなものだそうです。
小さな幼稚園児から大学生まで、この卒業式のガウンを着て帽子のタッセルを左側に移動したことによって、人生の一つの階段を上って次の段階に行くというシンボル的な意味があるようです。この帽子の紐飾りの左右の位置に意味があるのは、ハワイの女性が髪に花を付ける場合、未婚、既婚で左右が違うのと似ているような気がしました。
左右どちらでも良いじゃないか? とも思える小さな違いですが、実はアメリカではこの左右に大きな意味があるのだと納得しました。