2025年06月

2025年06月24日

【From America】「アメリカのER(救急医療)」

アメリカのウインドゲイト緑です。

皆さんは日本の医療システムが世界一素晴らしいという事にあまり気づいていないかもしれませんが、海外に出るとその価値を痛感します。今回は、友人に付き添ってERに行った経験をお話させて頂きます。

先ず、アメリカではなかなか専門医に診てもらうことが出来ないので、具合が悪くなれば最初に行くのはプライマリードクター、という一般医です。ここでは交通整理みたいな役目で、この医師の紹介で初めて専門医に行くことが出来ます。目の具合が悪ければ目医者さん。耳の具合が悪ければ耳鼻科、という風に日本では自分でクリニックを選んでいくことが出来ますが、アメリカではその前に日本でいうところの「かかりつけ医」のような存在の医師に診てもらいます。
ではこのプライマリードクターにすぐ診てもらえるのか? というと、そうでは無くて予約制なので、具合が悪いからと言って当日診てもらうことはほぼ出来ません。私は冗談交じりに「プライマリードクターは健康な時に行って、健康診断をしてもらうお医者さんのような存在」と言っています。

では、急に具合が悪くなったらどうしましょうか? その時には「Urgent Care」クリニックと言って、予約なしで診てもらえる「駆け込み寺」みたいなクリニックがあります。ここはかかりつけ医ではないので、患者の事を良く知らない医師が、その場だけの応急処置的にコロナやインフルエンザの検査をして薬を処方してくれる、という場所です。「後で、かかりつけ医に行って診てもらってください」と言われます。

ER01では、もっと緊急性の高い、難しい症状になったらどうするのでしょうか? 大きな病院のER(緊急医療)の窓口に行きます。ここは大病院ですから、CT、MRI、などの医療機器も揃っていて、的確な診断をして、入院して手術をして貰える急性期の大病院です。救急車で運ばれるのはこの場所です。しかし、救急車を呼ぶほどではないものの、Urgent ケアーの医師が「ここにはCTなどの医療機器がないから、ERに行って詳しく診て貰いなさい」と言われた友人は、自分でER(救急医療)に行きました。そこで待たされた時間は何と8時間!!! お腹が痛いのに8時間も待たされたのです。アメリカ人の辛抱強さに感心したのは言うまでもありませんが、びっくり仰天して言葉を失います。

ER02ラスベガスの病院で起こったニュースを聞いたのは10年くらい前ですが、ERで10時間待たされてしびれを切らした男性は銃を持ち出して「俺のガールフレンドを今すぐ診て欲しい」と騒いで捕まった、という事件でした。まあ、病院で銃をかざした事件なんて、、、、、、。と思いましたが、今回はその人の気持ちが良く分かりました。
改めて病院内を良くみると、銃やナイフを持ち込まない様に、という看板があり、病院に入る前には空港にあるようなX線のゲートを通り、武器を持っていないか、をチェックしないと病院内に入れない様になっています。このルールはどこの病院でも同じで、クリニックにも武器を持ち込まない様に、という看板は良く見かけます。

aokijuku at 00:30|この記事のみを表示コメント(0)
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