2024年09月

2024年09月28日

ビュッケブルグ歳時記 329

この頃のドイツ−2ー


 先回のBlogを−1ーと名づけるべきだったのですが、今回も国民を揺さぶるようなニュースが続いて、その状態を−2ーとしてお伝えすることになっているのが今のドイツの国情なのです。残念なことです!

 先週末の日曜日に旧東の州 Thueringen で選挙が行われました。その選挙にAfD(Alternative fuer Deutschlamd = 2者選択)という党が多票を集めて州議会構成に関わることになったのです。

 慰められたのはこのAfDに集まった票が二番目に多かったので、主権は一番表の多かったSPD=社会党となったことです。2013年に構成され、2017年から連邦議会に籍を置くこのAfD党がどのような党かを簡単にお知らせしてみます。


* AfD(極右の党)の考えでは、全ての人間が同じ価値を持っているわけでない。

* そこからドイツに来た他宗教の外国人や、肌の色が違う人種を排斥。

* これをもっと拡大すると、身体障害者や俘浪者も存在価値を認めない。

* 暴力を重要視し、この暴力によっての死者もこれまでに多く出ている。

* この党の模範は Adolf Hitler である。

* デモクラシーにも基本権にも不賛成。

* 家庭や学校での教育成果を無とする。

* このような”党”であるにもかかわらず、16歳から24歳までの若い市民が今回はこの党に票を入れた。

* このAfD党は、旧東ドイツでは西ドイツの2倍の票を獲得する可能性を持っている。

* 最後に言えるのは現実生活に不満の多い中年男性からの票が多い。


 今回の旧東ドイツ州の選挙の結果を知ると、今回はこの国のデモクラシーを守ることができたとほっとするのですが、ヨーロッパの真ん中にあって、工業、商業その他の面でも知識国として大きな欧州大陸を守ってきた、これからも守らなくてはならないこの国の在り方を考えると・・・

 AfDのような党の力が大きくならないように願うばかりです!

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2024年09月24日

【From America】「日本食の普及」

アメリカのウインドゲイト緑です。

日本食は最近アメリカで人気を集めていることは、日本の皆さんもご承知だと思います。最近の米ドルと日本円の為替の差が大きくて、NYではラーメンと餃子を食べて5000円などと言われていることも、皆さんご存知ですね。そんなに高くても、大好きな日本食をあきらめないアメリカ人が大勢います。

レストランで和食を食べるのは勿論、スーパーマーケットにも必ず寿司コーナーがありますし、どこでも日本の食材やお菓子も売っています。私がアメリカに来た30年前とは大違いです。以前から、日系のスーパーには日本から輸入した(日本の3倍も4倍も値段が高い)日本食材はありましたが、純粋なアメリカの地元スーパーでも売られている品を少しご紹介しましょう。

ゆずこしょういわゆる味噌、醤油、豆腐,海苔、お米、お寿司を作るのに必要なワサビなどは、インターナショナル食品売り場にあります。でも、お菓子売り場には、日本のポッキーやハイチュー、えびせんがしっかり並んでいるのは、嬉しいびっくりです。
また、醤油やポン酢までならわかるのですが、いわゆる「通」が使いそうな「ゆずコショウ」までうっているのには驚きました。一体、誰が買うのでしょう? 日本人を相手にしているとは思えません。一般のアメリカ人が買っていくのでしょう。

寿司デモ02アメリカ人に聞いてみると、パーティーをする時には必ずと言って良いほど、お寿司がメニューに加わると言います。自分でお寿司を作るのだそうです。えー? 自分で? 材料はどうするの? サーモンやマグロの新鮮な物を買ってきて、自宅で作ると言います。私は、生ものを扱うお魚屋さんの鮮度がちょっと気になりましたが、ふんふん それでどうやって作るの? 酢飯はどうやって作るのかな? 炊飯器はあるのかな? お寿司と言えば酢飯が無いと始まらない、と思っていた私は興味津々で聞きました。

すると、簡単にするには、生のお魚を海苔で巻いて、ワサビ醤油にデイップして食べると言います。つまり、「シャリ抜き」の手巻き寿司みたいなものですね。お寿司とお刺身の違いが分かっていないアメリカ人が多いのですが、こうして日本食が伝統的な形とは少し違って変化しながらアメリカに広がって行くのだな、と感じました。

パーティーの時にお酒のおつまみは色々ありますが、ポッキーが出て来たりすると、日本の食品もアメリカにしっかり根を下ろして来たなと感じます。ハイチューが大好き、という子供も多いです。美味しいものは世界中の誰でも分かるのだな、と改めて感じました。

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2024年09月17日

【From America】「コネチカット州の大洪水」

洪水アメリカのウインドゲイト緑です。

日本は台風のシーズンで、次から次へと台風が襲ってきて、交通機関にも大きな影響が出て電車が止まったり、飛行機がキャンセルになったり、洪水の被害に見舞われるというニュースが多いこの時期です。

私の住んでいるアメリカのコネチカット州に、8月の下旬に前代未聞の大雨が来て大洪水になりました。
私にとっては、生まれて初めての大洪水でした。台風でもハリケーンでもなかったのですが、大量の雨が降り排水が間に合わず、短時間に川が氾濫して、町の低い場所が洪水になり、車で移動する人が帰宅途中に動けなくなり、車からやっとのことで脱出したにも関わらず、流されて命を落とす、などの痛ましいニュースが飛び込んできました。今回の水害はとても狭い地域に限られていましたが、アメリカではカリフォルニア州で毎年起こる大きな山火事やハリケーンの災害など、様々な大災害が大規模で起こります。

今回の水害復旧作業が今でも続いていますが、なかなか進まないのが現状です。アメリカにはFEMAという組織があります。Federal Emergency Management Agency(米国危機管理庁)という名前で、山火事、台風、竜巻、などの天災による被害が起った時にその力を発揮してくれる組織です。しかし、今回のような限られた場所に起きた天災にFEMAが出てきてくれるのか? というのが人々の会話に良く登場します。

いざというときの保険ですが、火災保険は加入していても「水害保険」に入っている人は皆無です。ということは、今回の被害の復旧は全て個人がお金を出さなければなりません。個人の家も勿論ですが、商店の建物も古いものが多く、今回の被害で建て直しを強いられた場合に、新しい建ぺい率が採用されると元のサイズの建物が建たなくなり、大きな不便を強いられることとなると途方に暮れる人々が多くいます。新しい物を建てる前に、とにかく土砂と壊れた建物の片づけが優先されるのは言うまでもありません。

FEMAのような公的な組織のヘルプは助かりますが、どこの国も同じで公的な支援はなかなか時間がかかります。その点、地元の人たちの助け合いは、そこに居る人たちですぐに出来るので大きな救いになります。元々ボランティア活動、ボランティア精神が盛んなアメリカでは、近所の人たちの助けは勿論、全く知らない人でも困っている場面を見たら、すぐに手を差し伸べるアメリカ人の気質は感動ものです。

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2024年09月14日

ビュッケブルグ歳時記 328

この頃のドイツ


 人権が重要視される民主主義が行き渡っていると思われるこの国の様子をお伝えしたいと思って続けてきたBlogなのですが、この頃耳に入るニュースからは、ドイツは何となく世界の歩みの後を行っているような気がします。

 例えば、製造も売り上げも世界で一番大きいと言われてきたVW(フォルクス・ワーゲン)社が、節約計画、または閉社のための労働者への解約条件などを発表したというニュースを聞くと、驚くのはわたし一人ではないと思われるのです。

 今までは中国で一番売れていたVW車は、中国の電気自動車の供給要望に応える製造に遅れをとって、中国での販売はほとんどゼロになったということです。


 この遅れ現象は二つの要素 を持っているように思われます。一つは地球温暖化に抗する電気自動車の重要性 ともう一つはドイツは地球温暖化をそう重要に考えていなかったということを表していると言っても良いとも思われるのです。

 アウト・バーン(高速道路)のスピード制限もせず、電気自動車の発展、売買にも努力をしなかった政治がこのような結果となって、直接に自動車工業労働者の未来に、間接にはドイツの国の経済に大きく影を作る結果となっているように思われるのです。


 フォルクスワーゲン社が中国から引退をする羽目になったことの次に来るのは、ドイツのどこかのフォルクスワーゲン生産会社の閉鎖ということにつながると見ての処置が先週末の新聞に発表されていました。

 会社というと、この国では労働組合が大きな関係を持っているのですが、今閉鎖が身近に迫っているVW会社の一会社では「一週間に4日間労働する」という案が取り上げられているということです。


 そして9月10日には、フォルクスワーゲン社は過去30年間有効であった雇用保護」が無効になることを発表したと新聞に載っていました。このことは2025年から有効で、VW社は条件なして雇用労働者を解雇できるということを意味するということだと思います。世界1であった自動車会社がこんな羽目になるとは・・


 わたしの住んでいる地域は小都市の中級の地区なのですが、今までになく大きな車が軒並みにずらりと並んでいるのです。注意してみると1軒に二台の車というのも珍しくなく、両方とも大きい車というのも目に入ります。

 政治、経済だけに責任を押し付けずに、市民も環境を良くすることに気をつけなければ、と思わせられる情景です。

aokijuku at 00:30|この記事のみを表示コメント(0)
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