2023年12月

2023年12月26日

【From America】「クリスマス プレゼント」

アメリカのウインドゲイト緑です。

皆様のクリスマスはいかがお過ごしでしたか? 日本のクリスマスは恋人と祝ったり、お友達と祝ったりすることが多く、家族で集まるのはお正月、というパターンが多いでしょう。お正月休みを前に、25日も会社はお休みでは無く、年末までの仕事を片付けるために必死で仕事をする、というのが日本式ですね。

xmas プレゼント一方、アメリカはクリスマスが家族で集まる大切な祝日になります。25日はお店もレストランも一斉にお休みになります。11月の感謝祭とクリスマス、この二つがアメリカでは家族と過ごす大切な祝日です。その為に日本の帰省ラッシュのように道路も飛行機も込み合います。

クリスマスのプレゼントは一年かけて選びに選んで、沢山用意するというのがアメリカ式です。小さな小物から大きなプレゼントまで、綺麗にラッピングしてクリスマスツリーの下に置きます。誰から誰へ、というシールが貼られていると、一体なにが入っているのか? 子供でなくてもちょっとドキドキしますよね。

さて、このプレゼントを開ける時の日米の違いに注目してみましょう。日本では、進物品を頂いたら、食べ物なら先ず仏壇に供えて、とか有難く頂いておいて後から開けてみる、などがマナーとされていたと思います。勿論 最近は日本のしきたりやマナーも変化してきて西洋化し、その場ですぐに開けて、中身を見て「ワー、素敵! 有難うございます!」と喜びを示すことが、送り主へのマナーになってきましたね。

でも、綺麗にパッケージされた箱の包み紙を開ける時には、丁寧に綺麗に、包装紙をやぶらない様に開けるのが日本式だと思います。包んでくださったその細やかな気持ちに敬意を表すのも、プレゼントの開け方のマナーという考え方ですね。中身だけでなく、ラッピングにも心がこもっているのを理解して、大切に扱うのが送り主への心遣いだと思います。
ところが、アメリカでは綺麗に包んであるクリスマス用の包装紙を、これでもか!というくらい乱暴にビリビリ破いて開けます。私は見ていてハラハラしながら、内心 もうちょっと丁寧に開けて欲しいな、と思いますが、どうやら、これは「嬉しくて待ちきれないんだ」という気持ちを表す、喜びの表現の一つらしいです。そして、中身を見たら、綺麗なクリスマス用の包装紙やリボンは、ぐちゃぐちゃに丸めてゴミになる、という宿命です。

30年もアメリカに住んでいながら、私は未だにこのプレゼントの開け方にいつもハラハラしてしまいます。
包装紙を綺麗に開けてどうするの? その包装紙を再利用するの? と聞かれますが、なんだか包装紙が可哀相で、この取り扱いに心が痛んでしまうのは、きっといつまでも変わらないだろうな、と思うクリスマスです。
これは喜びの表現の違いですから、プレゼントを頂いて嬉しいのは誰でも同じですね。

今年のクリスマスに皆さんはどんなプレゼントを差し上げたり、頂いたりしたでしょうか?楽しい思い出に残るクリスマスだったことを祈っています。

間もなく、お正月が来ます。来年もどうぞよろしくお願い致します。
Happy Holidays !!!

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2023年12月23日

ビュッケブルグ歳時記 311

Pisa 調査で最低成績になったドイツ


 ウクライナ、イスラエルなど世界が乱れている時期に、世界の勉学状況の調査であるpisa 調査で、ドイツの生徒の成績が今までで最低という、これまたショックな暗い結果が12月の月初めに出ました。

 初めにこの Pisa 調査がどのようなものであるかを簡単にお知らせしておきます。

* 15歳の男女生徒の読力、数学力、自然科学の学力を3年ごとに調査する。

* 2022年から世界の81国が参加し、600000人の生徒の成績が調査されている。ドイツの参加生徒数は13000人。

* ここでの調査法は、コンピューターで、2時間の間に行われる。

* この調査の重要性とは、この検査によって世界中の青少年の学力を上げることにある。


 このような世界最大のPisa 学力テストは23年間、3年ごとに行われてきたのですが、コロナ・エピデミーが蔓延ってからはこの間隔はドイツでは変更されていたようです。

 そしてこの国の成績は下がる一方で、この傾向は例えば19%の生徒が留年(落第)して同じ学年をやり直すという現象にも現れているということです。この現象は他の国では9%と少ないと報告されています。


 また生徒の家庭環境、貧富の差によることも成績が悪いことの大きな原因でもあり、移民の家庭の子供達が多いということは、学校で話す言葉と、家庭で話す言葉が違うということにもつながり、成績の低いことの大きな原因とされているようです。
 この現象は2012年には13%であったのが2022年には20%、現在は40%と学校と家庭で話す言葉が違うという環境の生徒の成績が Pisa 調査の結果となって現れているということです。

 この国の今年の成績水準は数学475点(2019年は500点)、読み取る力は498点(2019年は480点)、自然科学は503点(2019年は492点)で、3科目とも低くなっているのです。
 他の国も低くなっている傾向が多いが、スイス、日本、南コレア、シンガポールの国々はそのままか、もしくは上がっているということです。

 このように学童の成績基準が下がっていることも明るい話題ではないことで、来る年が思いやられますが・・・


 今年も読んで、応援してくださった読者の皆様に心からの御礼を申し上げます!
 良いお年をお迎えください!

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2023年12月19日

【From America】「クリスマス・クッキー」

アメリカのウインドゲイト緑です。

アメリカではクリスマスが近づくと各家庭のキッチンはクッキーを焼く匂いで一杯になります。クリスマスにクッキーは定番です。様々なクリスマスのクッキーがあり、クッキーカッターでモミの木やサンタ、トナカイ、をくり抜いたり、アイシングで様々なデコレーションを施したり、と子供と一緒にベーキングを楽しめる嬉しい時期でもあります。

この時期のクリスマス・クッキー作りには、様々な工夫が凝らしてあります。その一つがクッキー・パーテイーです。クッキーのレシピを見ると、殆どが1−2ダースのクッキーが出来てしまうものばかりです。一人でたくさんの種類のクッキーを作るのはなかなか大変な作業です。しかし、いろいろな種類のクッキーの詰め合わせは見た目にも食欲をそそられますね。
そこで考えられたのは、「クッキー・パーテイー」です。集まる人は一種類のクッキーを作り、そのレシピを書いてパーテイーに参加します、7−8人のお友達が集まれば、そこでクッキーを交換して分け合うことが出来ます。それに加えて新しいクッキーのレシピも手に入ります。1種類のクッキーを持参したのに、帰りには7−8種類のクッキーとレシピを持って帰ることが出来て、自宅でたくさんの種類のクッキーが楽しめるというアイデアです。

xmas cookieもう一つのクッキーアイデアは、クリスマスのプレゼントとしてお手製のクッキーをお友達や親せきに配る、というものです。この場合には、その人のご自慢のクッキーを毎年作り続けて、「今年もあの方のあの味が来るのを楽しみに待っています」という気持ちにさせる方法です。こちらは逆に同じものを10ダース20ダースと作って、それぞれの人に、写真にあるような可愛いクリスマス用の缶に詰めてプレゼントする、という方法です。

アメリカでは手作りが最も珍重されます。日本では有名店の限定品などが珍重されるようですが、アメリカでは手間暇かけてその人の為に手作りした、という心遣いを一番良しとするところがあります。
確かに、共働きでみんな忙しい時に、店で買ってくることは簡単ですが、手間暇かけて作った、というその時間とエネルギーに感謝する、という考え方があるのでしょう。

いずれの方法にせよ、アメリカのクリスマスはクッキーが沢山!
皆さんもクリスマス時期にはお友達やご家族と、ゆっくりとお茶を飲みながらクッキーを味わいつつ、クリスマスソングに耳を傾けてみるのも素敵ですね。

メリー・クリスマス!!!

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2023年12月12日

【From America】「ピンク ペパーミント ピッグ」

アメリカのウインドゲイト緑です。

Pink pig01アメリカでは11月の第四木曜日の感謝祭を皮切りに、12月のクリスマス、そして大晦日のニューイヤーズイブとホリデーシーズンが続きます。アメリカは人種のるつぼと言われていますから、キリスト教以外の宗教も加わって、様々なお祝いが続きます。家族や友人が集まる機会がぐんと増える時期でもあります。

私の現在住んでいるアメリカのコネチカット州の友人は、感謝祭からクリスマスのホリデーシーズンには家族が集まった時に、ピンク色のペパーミントで出来た豚の形のキャンデーをベルベットで出来た袋に入れて付属のハンマーで割る、という「しきたり」を続けています。これはNY州のSaratoga Springs地方に伝わる伝統で、歴史的にはビクトリア時代にまでさかのぼるとも言われています。ピンク色のペパーミントの豚は「健康、幸せ、繁栄」を象徴しているのだそうです。

Pink pig02元々は年末に行われているしきたりのようですが、友人宅では感謝祭の食卓で、デザートが終わった後に家族や友人がテーブルと囲んで、それぞれが「私はxxxxに感謝しています」と一年を振り返って感謝を述べて、次々に回して行き、金属のハンマーで袋の中のピンクの豚を割ります。その儀式が一周したところで、粉々になったピンクのペパーミントの豚を器に出して、みんなでそれを分かち合います。
感謝を述べる内容は皆それぞれですが、「私は健康に感謝します」とか「私は妻と子供たちに感謝します」「私は音楽に感謝します」「私はアップルパイに感謝します」などなど、なんでも良いのです。

感謝祭の歴史を辿れば、ヨーロッパからアメリカ大陸に渡ってきた人たちが、アメリカ・インデイアンに農業を教えてもらって、初めての収穫をした時に、インデイアンと共に収穫を感謝した、というのが始まりです。一年に一回、家族が集まり、大勢の人の前でそれぞれの感謝の気持ちを言葉にして表すというのは、とても良いことだと思いました。毎年これを家族のしきたりにしている友人と一緒に感謝祭を祝えたことは、私にとってとても良い経験になりました。

サンクスギビングのテーブルだからこそ、感謝を言葉に表すことで、普段ちょっと恥ずかしくて言えないようなことも口に出来て、家族同士が愛情を確かめ合えることもあるのではないかと思いました。

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2023年12月09日

ビュッケブルグ歳時記 310

Karlsruher 裁判官達の持つ大きな権力!


 Blog309で2024年の国家予算成立の行方が危ぶまれていることをお知らせしましたが、今回は来年の予算を持てないとの判決を下したこの国の連邦憲法裁判所の持つ大きな力と、裁判所が現在検討している政府の、又は政治家の諸々の疑問点についてお伝えしてみます。


 先立って、連邦憲法裁判所とは16人の裁判官(半分は連邦議会、半分は連邦参議院により選出され、12年の任期を持つ)によるこの国の憲法裁判所です。

 裁判所と聞くと「人間の犯した罪を裁判する所」と思ってしまいますが、憲法裁判所は罪を裁判するのではなくて、「政府がこの国の憲法に沿った仕事をしているか」を検討する裁判所なわけです。 


 この裁判所で現在、検討されている問題とは、 

* ショルツ首相と銀行問題
 これは首相個人の問題で、彼が首相になる前にハンブルグ(はベルリンと同じように市が州に見なされる)の市長をしていた時に、W. 銀行との間で行われたと言われる財政と税金政策の Cumーex スキャンダルの真相。
 判決が出て不正事件があったとされることになっても、その詳細とか刑に関することはこの裁判所では降りないわけです。

* 暖房法規
 この法規についてはSPD( 社会民主党 )と CDU /CSU, FDP( 自由民主党)が長い間争っていたのだが、この法規を作るには時間が必要だというCDU党の意見がこの裁判によって決まって、今もその時が来るのを待っている。

* 再度の選挙法改革
 アンペル連合党の要求で新しくされた選挙法について抗議する告訴が出ている。この案は連邦議会を小さくするという案で、この案は左翼とバイエルン地方のCSUから出されたもので、裁判所の判決が待たれている。

* 連邦政府への質問
 内務省のF 氏の「アンペルl連合党は言われた期限を守らなかったが、それに対する対する処置は」という問いに対しての裁判所の答えは 「14日間というのは仕事の忙しい時には守れる期間ではない」との判決を明らかにしという判決が読めます。

* 2021年のベルリン選挙での混乱
 選挙用紙の不足、選挙までの長い待ち時間、決められた選挙時間を過ぎてからの選挙、もっと酷かったのは選挙所の扉が閉まった後の選挙で、CDU /CSU は選挙をやり直したいと訴えているが、この判決は12月19日に下りる予定。


 ベレー帽を少し硬い形にした帽子も、長いゆったりしたローブも深紅、そこへ太いネクタイ状の白いマフラーで襟すじを彩っている老若男女の、この国最高の憲法裁判官達の写真からは、この国と国民を守ってくれるような雰囲気が見えるような気がするのですが。

aokijuku at 00:30|この記事のみを表示コメント(0)
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