2023年10月

2023年10月31日

【From America】「ラビット・ラビット・ラビット」

うさぎアメリカのウインドゲイト緑です。

2023年の干支は兎です。兎といえば、東洋でも西洋でも縁起の良い動物として知られています。
日本では、良く飛び跳ねるから飛躍の意味だったり、西洋では多産であることから子孫繫栄でイースターのシンボルだったり、と世界中で大活躍の縁起動物です。
日本の秋には「お月見」という習慣があり、月には兎が居て、お餅をついている、と言われています。

アメリカで兎と言えば、イースターに登場する動物としての役目以外に、「ラビット・フット」というものをご存知ですか? 兎の後ろ足をキーホルダーにしてお守りとして持ち歩く、というものです。その理由は日本の「飛び跳ねるから飛躍を招く」というのと同じだそうで、ラッキーなシンボルのようです。

と、ここまでは皆さんも聞いたことがある。知っている。という人が多いと思いますが、最近になってもう一つのウサギの話を聞きましたので、ご紹介します。
それは、毎月1日に朝起きたら一番に「ラビット・ラビット・ラビット」と三回と声を出して言うことによって、一か月間ずっとラッキーでいられる、というものです。朝起きたらすぐ、何かをする前に一番に言わなければならない、というところがミソだそうです。どうやらこれはアメリカの迷信らしいです。

迷信というと日本には沢山ありますが、西洋にも「迷信」があるのは、人間はみな同じで、本当かな?迷信かな?と思っていても何故かその迷信を信じたくなるものなのですね。

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2023年10月28日

ビュッケブルグ歳時記 307

女性の社会進出


 民主主義の国々では人権を重んじ、その中には男女の同権が薦められている現在だと思われますが、日本での男女同権はドイツに比べて相当遅れているように思われます。
 この国の国会の写真を見ると、地味な暗色の背広と同じくらいの女性服が見られ、女性議員の進出が多いと思われるのです。

 このような時代に、先週フランクフルトで行われた、世界最大と言われる IG Metall労働組合の組合長選出の選挙で 96%の賛意を得て55歳の Christiane Benner さんが選出されたのです。女性組合長選出は組合創設132年以来のことということです。


 エネルギーが工業国の最大の問題になっている今、この役についた彼女の抱負や計画をお知らせしてみます。

* 彼女の学歴は社会学を学んだ後、アメリカに渡りBacheler(学士)をとった後、フランクフルトのゲーテ大学卒業証明書を得た後、1997年に組合に入り、今年までの最後の8年間は副会長を務めたということです。

* 「組合長となることはとても嬉しいこと。これからの仕事はインダストリーを Klimaneutral ( Klima は気候、風土、neutral は中立ということだと思うのですがインダストリーと合わせると、風土と合致したとでも訳するのがいいのか、わからないのです。申し訳ありません!)とすることが第一の仕事である。そしてこれは会社と労働者が一体にならなければ出来ないことなのである。

* この問題の第1として、現在この国の金属工業が電気代の高いことで窮地に陥っているのだがその解決策として、政府の計画 ”みどりのエネルギー” になる2030年までは橋をかけるような気持ちで、その時々にあった電気代を支払う様式をとって行きたい。

* またIGMetallは大企業だけではなく小中企業や鍛冶屋を重要視し、創設や賃金についての手伝いを惜しまない。

* 新しい組合員を増やす策としては「1週間32時間労働」を第一に掲げる。この策は現在パートタイムで働いている若者や女性労働者に魅力を持たせるだろう。

* またドイツの電気自動車購買の報奨金受け取り期間が短か過ぎると思われるし、充電装置の装備にも不満があるので、ここの解決にも力を惜しまない」


 ここに挙げた事項はほんの僅かで満たない事項だと思われますが、このような改革が工業国ドイツの組合、長が女性の組合から実現される可能性を考えると、民主主義の発展、女性の地位の発展を願うのはわたしだけではないと思われます。

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2023年10月24日

【From America】「病気見舞いのファンド・レイジング」

アメリカのウインドゲイト緑です。

日本ではお知り合いの方が病気だと聞けば、お見舞いに伺う、のが通常だと思います。病院に伺う時にはお見舞いの品に色々気を使いますね。お花は花粉が病室の空気に良くない、果物は日持ちがしないし、食べるのに皮を剥く手間がかかる、プリンなどは冷蔵する必要がある、などなど。 あれこれ考えても良い案が浮かばず、お見舞いのお金を包んで持参する、という結論に達することも多いのではないでしょうか?

ラッフルアメリカでも誰かが病気、しかも重篤な病気で長期の治療が必要だとなると、皆で何かしてあげたい、と思うのは同じです。私は最近ガンを患った人の為の病気見舞いのファンド・レイジングの会に参加しました。
レストランで行われたファンド・レイジングは、病気の人のお見舞いの為のパーテイーです。参加者は$30の切符を購入します。レストランは貸し切りになり、サラダとメイン料理が用意されますが、飲み物(ワインなどの酒類)は有料です。生のバンドが音楽を提供します。参加者はアペタイザー又はデザートを持参します。レストランは原材料とバンド代だけの費用を受け取り、残りのお金は参加者全員からのお見舞金として、病気の人に渡されます。若い働き盛りのお父さんだった患者さんは、妻や子供をどうやって養っていくか? を心配していて治療に専念できませんでした。勿論、そのお見舞金で生計を立てるほどにはなりませんが、日本円にして20万円位のお金が集まり、しばらくの間のんびり出来るでしょう。

ラッフルチケットもう一つのお金の集め方は、ラッフルチケットというくじ引きの券をパーテイーの場で売ることです。
その仕組みは、参加者がビジネスをしていれば、自分のところの品物を賞品として寄付します。例えば、ワインとワイングラスのセット。或いはレストランのオーナーであれば、二人分のデイナー券、美容院のオーナーであれば髪の毛のカット一回分の券。などなどです。参加者はこのくじ引き券を買って、好きな賞品の前の入れ物に番号札を入れます。会の最後にくじ引きをして、賞品が渡されますが、集めたお金はお見舞金に加えられる、という方式です。ただお金を集めるだけよりも、もしかしたら賞品が当たるかもしれない、というゲーム感覚も加わって、楽しくお金が集められます。

参加者は、皆さんがその病人の知り合いで、お見舞いの気持ちを表したいと思っていますが、それぞれがお金を包む日本のお見舞金と違って、楽しいパーテイー方式で、治療中の病人と家族もパーテイーに顔を出して皆と会うことが出来ました。治療のためにすっかり痩せていましたが、皆からエネルギーをもらえた、ととても喜んでいました。

こんなお見舞いの方法もあるのだな、とアメリカ式のお見舞いファンド・レイジングに感動しました。

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2023年10月17日

【From America】「apizza」

アメリカのウインドゲイト緑です。

ピザは、今やアメリカの代表的な食べ物になりました。ご存知のように元々はイタリア料理のピザですが、アメリカに渡ってきて、それがアメリカ流になり、遂にはアメリカの代表的な食べ物になりました。
日本のラーメンも元祖は中国ですが 今では日本の代表的な食べ物ですから、アメリカのピザと日本のラーメンは似ている歴史を持っていると思います。

さて、アメリカにピザはどのようにして入ってきたのでしょうか?
アメリカは移民の国ですから、多くのイタリア人もアメリカに渡ってきました。私が現在住んでいるアメリカ東海岸のコネチカット州ニューヘイブンは「ピザ発祥の地」として全米で有名です。 

Frank Pepeニューヘイブンにはイタリアのナポリから渡ってきた人が多く住んでいたことから、ピザが始まったそうです。それから全米に広がっていったということで、正にその発祥のピザレストランである「Frank Pepe」が、ニューヘイブンに今でも存在しています。興味深いのは、ナポリの方言では「ピザ」のことを「アピッザ」と呼んで、最初に「apizza」と「a」 が付くのだそうで、コネチカットの地元の人たちに聞きますと、「私の両親は、ピザのことをアピッザと呼んでいた」というのです。1925年創業のピザ屋さんです。アピッザと呼ぶ人が居なくなってから、まだ日が浅いようです。

White Clam pizza今では、ニューヘイブンの本店以外にもFrank Pepeの支店があるので、先日 日本から遊びに来てくれた友人に「コネチカットらしい食べ物といえば、このアピッザだから 一緒に行きましょう」とお連れしました。
この店の特徴は、ピザ生地の端っこがちょっと焦げていることだそうです。焦げるという言葉には悪いイメージがありますよね? 英語では焦げるといえば burnt という言葉とcharred という二つの言葉あり、お店の人は注文を取りに来た時に、「うちのピザはcharred になっているけれど、それは失敗して焦がした burnt ではありません。それが当店の特徴です。それで宜しいですか?」と確認を取ります。アメリカの普通の厚手のピザ生地よりは少し薄目で、確かに端っこがちょっと黒くなっていました。料理の専門家に言わせると、Charredになるとメイラード反応が起こり、料理がちょっと美味しくなるのだそうです。

Frank Pepe ovenピザといえばソースとトッピングですね。Frank Pepeと言えば、ホワイトソースにアサリが乗っているピザが有名だということで、それを注文しました。ピザといえば赤いトマトソースが有名ですが、これは海岸近くのニューヘイブンに位置していたからこそ、手軽に材料調達が出来るアサリを使った創業者のアイデアのようです。
これを食べながら、ニューイングランド・クラムチャウダーを思い出しました。日本でも、料亭の味をしっかりと守り続けて5代目6代目7代目という方のお話を伺うと、創業者の味を絶やさないように努力している、と仰います。今ではガスのオーブンでピザを焼くことが多い中で、このFrank Pepeも昔からのやり方でレンガのオーブンにこだわり、先代のメニューを絶やさないところに、共通点を感じました。

ピザとはピザ生地の上に何を乗せるか? その組み合わせは無限大ですね。それって、日本のお寿司と同じだと思いました。酢飯の上に何を乗せるか? その組み合わせも無限大ですね。

昔からの味を守りつつ、近代的な創作の味にも挑戦する。日米の形は違っても、益々美味しい料理を食べることが出来るのは実に楽しみなことだと思います。
Bon Appetite!

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2023年10月14日

ビュッケブルグ歳時記 306

教師教育について


 しっかりした地球温暖化への対策もなく、ウクライナ戦争の終焉も見えず、産業発展の未来も暗い、発展国への、未発展の国からの避難民が多いなど、気が滅入るニュースの多いこの頃に、またイスラエルとハマスの争いが起こったという本当にガッカリする世情の今日この頃です。

 このような状態の世界で極極小の市民のわたしに出来ることは砂粒より小さいものなのですが、新しいことを知ることには何かの益もあるかと思われるのでドイツのこの頃の世情をお伝えしてみます。


 この国では秋が新学期です。この頃の新聞に「最近の新学期の始まり授業は、”Quereinsteiger” によるものが多い」とあるのです。この Quereinsteiger という意味は”横から入って来た人”という意味で、本当の教師の資格を持っていない人、という意味なのです。

 ドイツでは昔は牧師と市長と教師が村のいわゆる上級インテリ層だったのです。今でも Gymnasium(高校) の教師の地位は相当に高いのです。そういう社会で正規の資格のない人が教壇に立つということは、教師の数が少ないことや、移民の子供たちが多いことから生徒の数が増えていることが原因かと思われます。

 こんな状況の中で、5年間の教職大学での勉学の中に、日本にはない(と思われる)ある段階があることに気づいたのです。
 ”Referendarzeit“ ー 試補見習(第1次の国家試験に合格し、Assessor になるための見習い期間)と辞書にあります ー と呼ばれる”試補見習機会”がついているのです。この期間がついているのは教職大学の他に法科だけだと思います。この期間についての少し詳しいことは次のとおりです。

* 期間は18−24ヶ月。この国では教育は州の担当なのでこのように異なる。

* 臨時聴講2−6ヶ月。教師の授業を観察する期間。

* 次の段階は自分が教師となって授業を行う。

* この後は教師としての役目 ー 授業内容を組み立て、試験問題を作成し、採点もする。

* そして最後にこの試験に合格することは第二時国家試験合格と同じようにみなされる。

 このような実習教授法は日本にはないように思われましたので簡単にお知らせしてみました。


 今年の新学期には全国で709000の教師のうち60800人が正式な資格を持たない教師として教壇に立つ結果になったと、この国の教師教育の衰退を嘆くという、この国にとってはここもまた望みの少ない事態のように思えます。
 他の事柄を勉強した人々の教授法が良い方向に向かうことを願いつつ・・・

aokijuku at 00:30|この記事のみを表示コメント(0)
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