2023年08月

2023年08月29日

【From America】「ウミガメの卵」

アメリカのウインドゲイト緑です。

皆さんはウミガメが卵を産む様子を見たことがありますか? 私はTV番組で見ただけで、自分の目で見たことはありません。ウミガメの産卵地はアメリカ合衆国の東部、又は日本でも石垣島などを始めとして鹿児島とか静岡とか温かい海岸で産卵すると聞いています。

ウミガメ卵今回 私は初めてアメリカのフロリダ州オーランドのココビーチでウミガメの卵を守っている風景を見ました。
海岸には旗が立っていてロープがはられて保護されています。多くの人が集まるビーチではありますが、こんなに人が多い場所でもウミガメは産卵するのだと感心してしまいました。

日本は黒潮の来る太平洋側で世界的に絶滅危惧種に指定されているウミガメを保護していますが、アメリカ東海岸は大西洋側で同じように保護している場面を目の当たりにして、感激しました。子供たちがそばによって、これ 何? とお母さんに聞いている様子。これはね、ウミガメの卵がここに埋まっているから触らないでね、と綱がはってあるのよ。と説明しているお母さんの様子を見て、遊びながらも教育的な場面を体験できる良さも目撃しました。

次回は是非ともウミガメが砂浜に上がってくる様子や、卵がかえって赤ちゃんのウミガメが海に向かって進んでいく様子をこの目でみたいと思いました。

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2023年08月26日

ビュッケブルグ歳時記 303

ドイツの学校休みについて


 温暖化のためか高温度に晒された今年の8月を、苦もなく過ごしている生徒の夏休みを見ると、「休み」ということの意味が日本と違うように感じられるので、今回はこの国の学校休暇についてをお伝えしてみます。

 ”学校休暇” とはラテン語の ”feriae” = 祝祭日からきた言葉で、元気回復とか休養を意味し、これは勉強に励んだ生徒達への言わばご褒美を意味する言葉なのです。
 教師側へに見方は、休暇ではなく”授業無しの時期” を意味し、さらに勉強をする期日、関係する会議に参加すべき機会、次の学期のための準備 をするための時期という休暇とは言えない日々を指しているのです。


 歴史的に見るとドイツが工業国になる前は、多くの国民が農業に携わっていたので両親の畑仕事を手伝うために作られたのが学校休暇の始まりだということです。例えば5月ー6月には乾し草作り、次は穀物収穫、その後じゃがいも収穫と、子供を含めた全家族が農仕事をしていたわけです。
 これはドイツだけでなく、オーストリアとスイスも同じだったので、学校休暇は今もこの3国が協力して決めているということです。


 また北ヨーロッパの人たちがイタリア、フランス、ギリシャなどの南ヨーロッパに休暇のために車移動をする時の高速道路の混雑を避けるために、夏の休暇はドイツでは州ごとに日付をずらしています。
 これはその年の休暇前の5−6年前に各州が話し合って決められるということです。

 この国の学校休暇は1964年以来、1年に75日=15週間と決められています。そのうちの6週間が夏休みというわけです。
 そしてここでも教師側には上記のように6週間という長い休暇が与えられているわけではないというただし書きがついています。 これは教師以外の勤め人が「教師業は休みが多くて羨ましい」とやっかむ世情に対する弁解説明のようにも聞こえますが。

 具体的な休暇は次のようになっています。

* 秋休み。この国は新学期が秋に始まるのです。じゃがいも収穫休暇。

* クリスマス休暇。12月24日付近から新年1月6日まで。

* スキー旅行などの冬スポーツ休暇。この休暇がない学校では謝肉祭休暇など。

* イースター休暇。この春の休暇は長くて3週間。

* Pfingst ( ペンテコステ)休暇。この休みは短く、州によっては無いこともあり。

* 夏休み。6月半ばから9月の半ばまでの6−7週間。

* 「動く休暇」として、学校が決める短い休暇日。

 お気づきかと思いますが、国教のキリスト教の祭日に添った学校休暇でもあるのです。


 重要なことが最後になりましたが、「宿題は無し」です。古代ローマの feriae の真意に沿っているわけです。
 勉学から離れてリラックスし、休養するのが学校休暇なのです!

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2023年08月22日

【From America】「海辺でメタル探し」

アメリカのウインドゲイト緑です。

メタル探し皆さんは海岸に行って物を落としてしまい、砂に埋もれて失くしてしまったという経験はありますか?
そんな時に便利なのがメタル・デイテクターと呼ばれる機械です。これは金属に反応するもので、砂の中に埋もれている金属に反応します。アメリカでは、このメタル・デイテクターをもって海岸を歩き回っている人を見かけることがあるのですが、本当に見つかるのかしら? どんなものが見つかるのかしら? そんなに手間暇かけて何になるのかしら? と思っていました。

先日フロリダの友人を訪ねて、近くの海岸に行くと、思った通りこのメタル探しの機械をもって海岸を歩き回わる人に遭遇しました。友人に訪ねると、機械で見つかるのは安価なものから高価なジュエリーまで様々だそうです。

ちなみに、この友人は海岸に行って、つい携帯電話を忘れてきてしまったそうです。次の日に自分が座っていた場所に行ってみたけれど、見つからない。どうしよう???? 自分の電話に電話をして音が鳴るのはバッテリーがある間だけです。充電していなければ、電話の音はしません。困っていると、お知り合いの方がメタル・デイテクターを使って探しましょう、と申し出てくれたそうです。探し始めた初日にはとうとう見つからず、がっかりして、もうダメかなと諦めムードだったそうですが、なんと次の日に砂の中から見つかったそうです。万歳! 

私が見かけた人は一体何を探してるのか? 分かりませんが、小さなジュエリーは砂の中に埋もれてしまうと携帯電話よりずっと探すのが難しいですよね。諦めて帰宅してしまった持ち主不明のジュエリー。ちりも積もれば山になる、ではありませんが、これを集めて金銀を買ってくれる店にもっていけばちょっとしたお小遣い稼ぎになるのかもしれませんね。

皆さん くれぐれも海岸で携帯電話を失くさない様にお気をつけください。

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2023年08月15日

【From America】「エアーボート」

アメリカのウインドゲイト緑です。

フロリダといえば、湿地帯(湿原)のエバーグレイズ国立公園が有名です。フロリダにはこのような湿地帯があちこちにあります。そして、深さがない湿地帯を移動するにはちょっと珍しいボートが必要です。私たちがボートと聞いて思い浮かべるのは普通のプロペラを使うエンジンで動くものです。これはある程度の水深が必要ですが、湿地帯は深さがないのでそれが出来ないのです。ではどうやってボートを動かしたら良いのでしょう?水の中がダメなら水の上で何とかしなければなりません。フロリダではエアー・ボートと呼ばれる巨大扇風機を搭載したボートが有名です。

エアボート私はTVでこのエアーボートを見たことはありましたが、今回フロリダの友人を訪ねて初めてその姿と音を聞きました。巨大扇風機が起こす風でボートを動かすのですから、それには大変強い風が必要です。その風を起こすためにかなりの騒音を立てて移動します。その騒音はバイクに乗った大勢のバイカーのグループが街道を走り回る時の音のような感じです。

写真をご覧になればお分かりになると思いますが、ボートの後ろに風を起こす巨大扇風機があり、そのボートを操縦する人はかなり高い位置に座っています。私たちが普段目にするプロペラのボートだと、操縦する人はボートの前方で、或いは中央部に座りますが、これはボートの後方というか巨大扇風機のすぐ前あたりの高い位置に座ります。

このエアーボートは結構スピードが出て、湿地帯をスイスイ移動していく様子を見て、次回は見るだけでなくこのボートに乗ってみたいな、と思いました。

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2023年08月12日

ビュッケブルグ歳時記 302

ドイツの奨学金について


 8月5日の新聞紙上で『全日制託児所を改善するために、全州が 4 Milliarden を来年度の予算に組み入れた」と読んだ折、この国は若い世代への思いやりの深い国だと思ったことがきっかけで、Blog 300 に書いたこの国の奨学金 BAFOeG = Bundesausbildungsfoerderungsgesetz (連邦奨学金資金法による奨学金)を思い出しましたので、今回はこの制度についてお知らせしたいと思います。


* BAFOeGの目的は、社会及び経済的に学ぶことのできない階級の青年達の、学業または職業勉学終了までの時期を経済面で援助すること。

* 対象は、職業教育学校、補習高等専門学校、アカデミー、単科大学等の学生など。対象の一部としてドイツ人だけではなくヨーロッパ・ユニオンの外国人、移住者、又ドイツに15ヶ月居住した避難民なども条件に叶う者は対象となる。

* また、既婚者や子供のいる学生についての特別援助もあるようですが詳細はここでは省きます。

* 年齢制限は45歳まで。

* 援助金額は2022年から月額934ユーロ。(それまでは860ユーロ)

* 返済については次の通り。
 すでにお伝えしたとおり、受けた金額の半分を返済すると残りの半分は国からの贈り物と考えてよく負債なしとなる。授与した金額の半分を無利息で、77ヶ月間に返済した人はその後、負債なしとなる。なんらかの理由でそれが出来なかった人も20年後には負債なしとなる。

 ここで1事項、お断りしておかなくてはならないことは、ドイツにも Stupendium という言葉があるのですがこの国ではこの機構は返済無しの援助金を指し、ある政党や宗教関係(教会など)の機構が出資をするものを指していて、約1%の学生が受けているということです。


 このようにパンデミーやインフレの時期にも、この国の政府は BAFOeG の改革を行なっていることを知ると、ドイツは 次の時代の国民を思う国なのだあと感心します。
 例えば凍る冬に備えて学生に暖房費を支給するなど、小さなことでも未来の国を築く子供、生徒、学生を思う国だと認識させられるのです。「民が主」の国、ということを忘れていないのだなあと思うのです。

 そして教育ということを思うとき、知識を与える、得るだけではなく、ここでも人間の多様さを忘れずに、一人ひとりが自分に合った生き方を選べるような機構にしていることも、それを全うしようとする若い人たちを応援することも忘れていないのです。そのような政治は民主主義の政治だと思うのですが。

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