2022年10月

2022年10月25日

【From America】「ハリケーンの大きさ、強さの表現」

アメリカのウインドゲイト緑です。
前回に続き、ハリケーンの話題です。
前回はハリケーンの名前についてお伝えしましたが、今回はハリケーンの大きさの表現の違いをお知らせします。

ハリケーンイアン02日本の台風の大きさや強さは、風速によって大型の台風とか超大型の台風などの言い方。非常に強い、とか猛烈な、、、、などの形容詞を使った表現を使います。風速や雨量も常に報道されますね。
一方、アメリカではハリケーンの大きさ、強さをカテゴリーに分けて1から5までの段階別に表現しています。シンプソン・スケールというもので分けられているそうです。その説明は以下のようなものです。

カテゴリー1: 建物に被害は無いが木の枝が折れたりする
カテゴリー2:屋根の一部やドア、窓が壊れる
カテゴリー3:小さい建物などの構造的な被害。樹木が倒れる。
カテゴリー4:小さい住居の屋根が壊れる。海岸の大きな浸食がある。
カテゴリー5:多くの建物で屋根が壊れる。海岸線の近くでは洪水が発生。

天気予報やニュースでは、ハリケーンの大きさ、強さを表すのには常にこのカテゴリーの数字が使われているので、その数字が何を意味しているかを良く理解していないと、どんな被害が出るのか? 非難した方が良いのか? どんな準備をしなければいけないか? を判断できません。

今回の9月末のハリケーン「イアン」はカテゴリー4でした。
かなり大きなハリケーンであったことがお分かりになるでしょう。
フロリダを直撃したハリケーンの中では歴史上第4位に位置する大きなものでした。

まだ秋の台風/ハリケーンの季節は続きます。これからも日本の台風とアメリカのハリケーンに気をつけて、停電や洪水の被害に備えて非常用持ち出しのバッグや非常食のチェックなどをしておきたいですね。



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2022年10月22日

ビュッケブルグ歳時記 283

「Zusammen mit ”Fridays for Future” auf den Strasse ! 」

 紅葉した葉が散るようになった今日この頃、「Fridays for Future と共に進もう!」というスローガンのもとに、先週は全国の都市で三十万人の人がこの国の地球温暖化政策を促進させるためのデモを行っているのがドイツの毎日です。
 戦争の話でもちきりの国民に向かっての啓蒙の意味もあると思われます。また、しばらく姿が見えなかった先導者 Greta Thunberg が19歳になって、出版された自筆の本を手にまた姿を表したことが原因の一つかもしれません。

 ドイツの、地球温暖化に関するアクチビストたちが自国の政治の温暖化阻止政策に対してどのようなことを要求しているかは次の通りです。

1. 石炭、ガス、石油、原子力から手をひき、修復できるエネルギーにする。
  これと同時にエネルギーを倹約することを奨励し、大気汚染の無い(少ない)暖房法の研究を進め、実行に移す。 
2. 交通機関の変革として全ジーゼル車の使用を禁止する。また公用車の使用も停止する。
  これらに使われていた費用を、新しいバスや電車の制作に、又は自転車のための新しい交通網を作ることに用いる。
3. 3回目の国民への「援助小包」は、低給料の国民だけを対象とする。
4. 地球高温化に苦しんでいる、地球の南に位置する国々を助ける努力は大切であるので、次の温暖化阻止の世界会議にはドイツは資金の面で南の国を援助するべきである。

 これらの事項が現実となることを望んでいるのです。

 また「Last Generation」とか 「Scientist Rebellion」とか「Debt for Climate」などの呼び名をつけたグループは、経済省の入り口で経済大臣との面談を要求し、面談が叶うまで座り込んだりしているのです。 

 ウクライナ戦争が始まってからは、本当に地球温暖化に対する政策が影を潜めているのは事実なのです。

 「地球という一つの惑星を救うには何が必要か」という新聞記事に書かれていることは次の通りです。
* 地球温暖化は惑星をどう変化させるのか・・・乾燥と火災は北の針葉樹林を焼き払い、それまではCO2の倉庫としての役を果たしていた樹林の役から反対 にCO2を吐き出す役目をするというネガテイブな役をする結果となっている。
  また熱帯の常緑原生林がなくなることは、ここでもCO2の発生を生むことになる。CO2の発生を少なくすることが重要事項であるにもかかわらず。
* 温暖化とは・・・地球の温度が上昇していることで、全体数は1、1度Cドイツは工業国になって以来1、9度C上がっている。
  北境圏の温度はもっとあがっていて、これは人間が研究のために使った燃料用液体ガスが原因である。   

 このように海も大陸も人間によって温顔化されたのであると結論を出しているのです。 

 そこから地球を守ろうとの組織、Fridays For Future の発議者でありアクチビストの Greta TH.が「富と権力を持った人たちは、あなた方が為したことに対しての弁償をするべきだ」と言っていることの意味もわかるような気がするのです。

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2022年10月18日

【From America】「台風とハリケーン」

アメリカのウインドゲイト緑です。
秋ともなれば台風のシーズンですね。日本も次から次へと台風がやってきます。台風の被害に遭われた方々には心からお見舞い申し上げます。

ハリケーンイアン01アメリカでも秋はハリケーンの時期です。台風とハリケーンの違いは何でしょう? どちらも熱帯低気圧が大きくなったものですが、太平洋や南シナ海など東側に発生するものは台風で、大西洋、カリブ海、メキシコ湾、など西側に発生するものをハリケーンと呼びます。ですから、呼び方が違うだけで同じものなのですね。どちらも雨や風で大きな被害をもたらすので、秋晴れの気持ちの良い季節がなかなか続かない困り者です。

9月下旬にハリケーン「イアン」がフロリダ付近を直撃しました。これは歴史的にも大きなハリケーンということで、大きく報道されました。
日米の台風とハリケーンは呼び方が違うことだけでなく、他にもいろいろ違いがあります。
先ず、日本は台風に番号を振ります。令和4年台風1号、2号という具合で毎年台風は1号から始まります。一方、アメリカではハリケーンに名前をつけます。人間のように今回は「イアン」という名前でした。日本で言えば「台風太郎」みたいな感じですね。この名前の付け方は、以前は女性の名前だけに限られていました。台風は吹き荒れて様々な被害をもたらします。なぜ女性の名前だけだったのでしょうか?ちょっと女性が怒って泣き騒ぐ様を表している、と思われたのかもしれません。しかし、今は男女同権なのにハリケーンに女性の名前だけは差別である、という声が上がりました。そんな経緯があり、最近は男女の名前を交互に使うことになりました。

しかし、日本のように毎年第1号から始まるのなら、この先何年経っても区別が付けられますが、人間の名前を付けていたら、いずれ名前の候補が無くなってしまう時がくるのではないか? と心配しています。余計なお世話、といわれそうですが、日本でも太郎や花子から始まり、一般的な名前は限られていますよね。最近はきらきら名前が出てきましたから、名前の選択肢もかなり増えたと思いますが、アメリカでも皆が覚えやすい名前ばかりとは限りません。時々珍しい名前で覚えるのが困難な名前のハリケーンもあります。
そんな時には、普段の会話では「今回の何とかいうハリケーン、覚えられない難しい名前のあれ」という具合になります。

西洋の名前を全て使ってしまったら、外国の名前を使っていくしか方法がないので、将来は「ハリケーン一郎」とか「ハリケーン真理子」みたいな日本の名前のハリケーンも登場するかもしれませんね。



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2022年10月11日

【From America】「アメリカンフットボール」

アメリカのウインドゲイト緑です。
秋になり、アメリカはアメリカンフットボールの時期になりました。何故アメリカ人はあんなにフットボールに夢中になるのか不思議でなりません。

レイダーズNFL(ナショナル・フットボール・リーグ)にはプロのアメリカンフットボールのチームが32あります。アメリカ全土の州に一つずつチームがあるわけではないのですが、殆どの人は「地元愛」とでも言うのでしょうか? 自分の住んでいる地域、又は出身地のチームを応援します。そこで、ラスベガスに住んでいる私は、ラスベガスのレイダーズを応援しています。

アメリカは広いので、東海岸でのTV放映は東側のチームの試合。西海岸でのTV放映は西側のチームの試合。という風に分かれてしまうので、自分の応援しているチームの試合をTVで見ることが出来ない場合もあります。そんな時にはどうするのでしょうか?
私の友人はご夫婦そろってアメリカンフットボールの大ファンです。出身がコロラド州のデンバーですが、残念ながらラスベガスではお気に入りチームの試合が放映されません。そんな時には、お気に入りのチームのユニフォームを着て近所のスポーツバーに行き、大きなスクリーンで試合を見て応援しています。

フットボールの試合は、現在 月曜日、木曜日、日曜日です。土曜日はカレッジのフットボールの試合ですが、この時期が終わると土曜日にもプロの試合があります。週に月・木・土・日と4日も試合があり、フットボールを追いかけるのは中々エネルギーが必要です。

アメリカ人の血にはフットボール好きの何かが流れているようですが、30年アメリカに住んでいてもそれが何なのか? 未だに解明できていません。一緒にフットボールに没頭するうちに、いずれ分かることなのかも知れませんね。


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2022年10月08日

ビュッケブルグ歳時記 282

ドイツの健康保険について


 この国の健康保険は、日本のとも、他のヨーロッパの他の国の保険とも少し違うのです。そのシステムを簡単にお知らせしてみます。
                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                               この国では今だに GKV (法定の健康保険)と PKV (私的健康保険)と、いわゆるDual-system(二進法) が、反対派の大きな抵抗があるにもかかわらず今だに施行されているのです。

 この国の健康保険の歴史はとても古く、1848年にすでに公務員がPKVの如き保険制度を作っていたという記録があるとのことです。
 そして1883年に、ビスマルクが労働者のために作ったのが GKV保険で、雇い主が3分の2を,、労働者が3分の1を払う健康保険で、これがローロッパで社会保険を施行した最初の国、ドイツが国民の健康保持のために作った保険制度だったということです。
 最初は10%の国民がこの保険に守られていたそうですが、現在では88%の国民がこの保険で健康を守られているわけです。 

 GKV は現在、73百万人の勤労市民とその家族が毎月、給料の14−16%を健康保険料として支払うことによって、PKV は、8.7百万人の多額の給料をもらう国民、国家公務員、自営業の人達が自由意志で、GKVよりも、約3倍高い保険料を支払うことによってこの国の国民の健康が守られているのです。
 この二進法の保険は最近までオランダや北欧の国でも使用されていたということですが、現在はこの国だけが用いている制度のようです。

 この、見方によっては”2等級の医学が行われている”とも見える保険制度が今も行われている理由を、GKV と PKV の両面から挙げてみます。
* GKV の利点 ー 誰に対しても同等な医療仕事をする。地方に出る医者が多くなる。(現在は都市の医者の方が報酬が高いので、多くの地方で医者不在に苦しんでいる) 保険料金が一律。

* PKV の利点 ー PKV は目障りと言われているがこのシステムが払う金額は全体のシステムに大きな好影響を与ている。PKVが無くなる場合は、年に
55000ユーロが不足することになるので、現存の医師診察所を30%閉鎖することになる。   

 このように生命という非常に大切なものを扱う医療機関が、二通りの顔を持っていることについてはこの国でもいろいろな意見があるようです。
 例えば選挙が行われる場合は必ずこの問題が取り上げられるようです。今回の場合もSPD とみどりの党はPKV 廃止に賛成、FDPは反対。(通常は賛成派にLinke(左翼)が、反対派にCDU/CSUが加わる)このような状態なのでこの制度が改まる見通しは薄いと言われています。

 また実際に医療に関わる医者も二つの意見に分かれていることも明瞭です。
ベルリンを含む大都市だけではなく、何処の街でもPKV 保険加入者だけしか診ないという医者がいることも周知のことです。PKV患者の治療費はGKVの患者より2.5%高いということですから。 

 このような状態の中での診察、医療法の違いは、テルミン(最初の診察の予定日)が迅速に決まることと、診察を待つ時間が皆無ということだけで、医学的には区別なしと言われています。

 この、”大きくて小さい、小さくて大きい”問題を除くと、この国の医療は、GKVに入っていれば、安くて、安心出来ると言われています。
 



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