2022年06月
2022年06月28日
【From America】「卒業」
アメリカのウインドゲイト緑です。
アメリカの6月は卒業式と結婚式の時期です。今まではコロナで卒業式がリモート形式や、両親や家族は別室でという形を余儀なくされていましたが、今年は従来通りの卒業式が多く行われているようです。
中でも興味深いのは、アメリカでは成績の良いハイスクールの学生には高校生の間から大学レベルの授業を受けることが出来て単位を貰うことが出来ることです。そうすれば、高校を卒業するころには短大卒の単位を受け取れて、大学は残りの2年で卒業できるという方式です。早く大学の卒業の肩書きを持って世の中に出れば、それだけ早く昇進できる。或いは、普通の人が大学を4年間かけるところを2年で終わらせて早く大学院に行かれる。など利点は沢山あります。勿論 誰でもが出来るわけではなく、それなりのテストを受けてのことですが、みんな一律にということではなく、その人の個性、能力に合わせて融通を利かせて早く才能を伸ばしてあげよう、というアメリカの柔軟性は日本も見習うべきかもしれません。
アメリカの6月は卒業式と結婚式の時期です。今まではコロナで卒業式がリモート形式や、両親や家族は別室でという形を余儀なくされていましたが、今年は従来通りの卒業式が多く行われているようです。
中でも興味深いのは、アメリカでは成績の良いハイスクールの学生には高校生の間から大学レベルの授業を受けることが出来て単位を貰うことが出来ることです。そうすれば、高校を卒業するころには短大卒の単位を受け取れて、大学は残りの2年で卒業できるという方式です。早く大学の卒業の肩書きを持って世の中に出れば、それだけ早く昇進できる。或いは、普通の人が大学を4年間かけるところを2年で終わらせて早く大学院に行かれる。など利点は沢山あります。勿論 誰でもが出来るわけではなく、それなりのテストを受けてのことですが、みんな一律にということではなく、その人の個性、能力に合わせて融通を利かせて早く才能を伸ばしてあげよう、というアメリカの柔軟性は日本も見習うべきかもしれません。
2022年06月25日
ビュッケブルグ歳時記 275
若者の扱い方 ー シュタインマイヤー大統領の案を巡って
ウクライナ対ロシアの戦争が始まった事がきっかけで、このところ世界中の国々で軍備について云々されている様ですが、この国でも、軍備そのものではなくとも、戦争になった場合には必要となる若い人たちの心構えを云々する話題が取り上げられているのです。
その一つ、6月12日に大統領が発表した「共同社会を維持し、その力を大きくするためには、青少年期にある若者に ”社会的義務期間” を与える事が必要である。この案の実行のための討議を今、始めるべきではないか」との意見に、市民はもちろん、ジャーナリズムや知職階級の賛否の意見が新聞記事をにぎわしているのです。
大統領は「これまでにも我が国の若人たちは連邦国防軍においてだけではなく、老人の世話、障害者や家無し族の世話をするなどの社会的事業に関わってきたのだが、今までは自由に決められたこの期間を、義務付けることを考えることは無駄では無いと思う。義務となることから、デモクラシーと社会とのつながりを学んだり、自分の殻を出て、異なる人間を知ることから偏見を捨てて、公共的精神を強めることにもなると思われる。
また自分は兵役を義務に戻すことには賛成しない。
我々の国は、2011年に、55年間続いた防御と兵役代替社会奉仕勤務義務の形から引き離されて徴兵制度は廃止となったのであるが、現在のロシアのウクライナ攻撃を見ていると、兵役義務が必要である事がわかる」
要するに兵役義務は自由のままにしておき、ドイツの全青少年期の若者に1年間の社会奉仕期間を義務付けることを検討すべきだという、大統領の意見な訳です。
次に、この意見にたいしての反対意見をお知らせしてみます。
連邦家庭大臣の P. 女史は「義務付けることは個々の自由を犯すことを意味する。
パンデミーの蔓延った時期にも老人のためにと協力を惜しまず、自分達の要求を抑えてきた若者達に義務を今、押し付けることは避けたい。
そして、現在行われている若者による二つの社会奉仕事業
1. Bundes Freiwilligen Dienst = 連邦自由意志による奉仕機関 と、
2 . Freiwillige sozialeJahre = 自由意志での社会奉仕年 には 毎年100000人の若者が参加して、積極的に社会奉仕の仕事をエンジョイしていることを思うと、それを義務化することは反対の結果を産むとしか考えられない。それよりも現在の状況にもっと魅力を与えること ー例えばこの奉仕期関に対する年金を与えることや、給料の値上げなどー を考える方が彼らの意気を挙げることに役立つだろう」と言っています。
また、SPD( 社会民主党)は需要なのは兵役を義務化をすることではなく、連邦国防軍を上等な軍にすることによって、優秀な人物を集めることが目的であるべきだとの意見。
FDP(自由民主党)は有名なケネデイの格言 “軍隊は青年それぞれが自分の意志で選択した場所でなければならない。我々に若人の人生路を決める権利はない”をモットーにあげています。
みどりの党も義務化には不賛成で、今ある二つの社会奉仕事業を魅力あるものにし、選択した若者に意義を与える年にするのが我々の目的であるという意見を発表しています。
このように、ある意味では国最高の地位にある大統領の意見にも、それぞれが自分の意見を持って対抗しているのです。デモクラシーの国だからこそできることだと思われます。
賛成の声もあるのですが、コントラの声に対抗できるほどの数にはなっていない様です。
ウクライナ対ロシアの戦争が始まった事がきっかけで、このところ世界中の国々で軍備について云々されている様ですが、この国でも、軍備そのものではなくとも、戦争になった場合には必要となる若い人たちの心構えを云々する話題が取り上げられているのです。
その一つ、6月12日に大統領が発表した「共同社会を維持し、その力を大きくするためには、青少年期にある若者に ”社会的義務期間” を与える事が必要である。この案の実行のための討議を今、始めるべきではないか」との意見に、市民はもちろん、ジャーナリズムや知職階級の賛否の意見が新聞記事をにぎわしているのです。
大統領は「これまでにも我が国の若人たちは連邦国防軍においてだけではなく、老人の世話、障害者や家無し族の世話をするなどの社会的事業に関わってきたのだが、今までは自由に決められたこの期間を、義務付けることを考えることは無駄では無いと思う。義務となることから、デモクラシーと社会とのつながりを学んだり、自分の殻を出て、異なる人間を知ることから偏見を捨てて、公共的精神を強めることにもなると思われる。
また自分は兵役を義務に戻すことには賛成しない。
我々の国は、2011年に、55年間続いた防御と兵役代替社会奉仕勤務義務の形から引き離されて徴兵制度は廃止となったのであるが、現在のロシアのウクライナ攻撃を見ていると、兵役義務が必要である事がわかる」
要するに兵役義務は自由のままにしておき、ドイツの全青少年期の若者に1年間の社会奉仕期間を義務付けることを検討すべきだという、大統領の意見な訳です。
次に、この意見にたいしての反対意見をお知らせしてみます。
連邦家庭大臣の P. 女史は「義務付けることは個々の自由を犯すことを意味する。
パンデミーの蔓延った時期にも老人のためにと協力を惜しまず、自分達の要求を抑えてきた若者達に義務を今、押し付けることは避けたい。
そして、現在行われている若者による二つの社会奉仕事業
1. Bundes Freiwilligen Dienst = 連邦自由意志による奉仕機関 と、
2 . Freiwillige sozialeJahre = 自由意志での社会奉仕年 には 毎年100000人の若者が参加して、積極的に社会奉仕の仕事をエンジョイしていることを思うと、それを義務化することは反対の結果を産むとしか考えられない。それよりも現在の状況にもっと魅力を与えること ー例えばこの奉仕期関に対する年金を与えることや、給料の値上げなどー を考える方が彼らの意気を挙げることに役立つだろう」と言っています。
また、SPD( 社会民主党)は需要なのは兵役を義務化をすることではなく、連邦国防軍を上等な軍にすることによって、優秀な人物を集めることが目的であるべきだとの意見。
FDP(自由民主党)は有名なケネデイの格言 “軍隊は青年それぞれが自分の意志で選択した場所でなければならない。我々に若人の人生路を決める権利はない”をモットーにあげています。
みどりの党も義務化には不賛成で、今ある二つの社会奉仕事業を魅力あるものにし、選択した若者に意義を与える年にするのが我々の目的であるという意見を発表しています。
このように、ある意味では国最高の地位にある大統領の意見にも、それぞれが自分の意見を持って対抗しているのです。デモクラシーの国だからこそできることだと思われます。
賛成の声もあるのですが、コントラの声に対抗できるほどの数にはなっていない様です。
2022年06月11日
ビュッケブルグ歳時記 274
Eurovision Song Contest (ESC)
この、 ヨーロッパとオーストラリアを含む国々を対象に年に一回開かれるポップ コンテストは日本でも知られていることと思います。
今年はイタリヤの Turin で行われ、ウクライナが優勝しました。
この結果について、ESC は ”政治的” であって良いのか、否かという議論が活発に行われているこの頃の事情をお伝えしてみます。
世界最大の音楽スペクタクルである ESC は1956年に開始されたのですが、その目的は、二次世界大戦で戦い合ったヨーロッパの国々が、2度と戦いをしないで、欧州全体で平和に、仲良く暮らそうということがその目的であったということです。加盟している40國が団結して、平和に生きることの喜びを謳歌しようというわけで、政治的香りをあまり感じさせないのが目的であった様に受け取れます。
しかし1982年にドイツのニコールが歌って優勝した「ちっちゃな平和」という歌は当時の平和を思わせる政治感に触れた歌であったことと、2016年にストックホルムでウクライナのヤマナが歌った「1944」はクリム合併に触れた歌であったことから政治の影が見えると言われています。
そしてESCにおけるロシアの活動状況を見てみると1993年から参加を許されていた東ヨーロッパの国々の第一番目として、2001年には、最初のロシア圏の国としてのエストニア共和国が、ヨーロッパへの復帰として参加、そして優勝したことが「我々は音楽を通してソヴィエット帝国から解放された」とみなされ、勝利を狂喜したということです。
続いて2009年にグルジア国が ”Put in Disco“ で登場しようとしたところ、折り返しの ” We don’t wanna put in „ が ” We don’t want Putin“ に非常に似ていることからグルジア国の出場が認められなかったということです。
そしてロシアも2008年に一回、優勝したようですが、ウクライナは2004年と2016年に二回の優勝を勝ち取ったということです。
そして上記のウクライナ人女性歌手Jamalaは、ロシアによるウクライナ人のクリム半島追放痛恨を、2年半後に”1944” の中で歌い上げたということです。
『今回ウクライナに優勝をもたらせた Oleh Psiuk の Rap と Folk の混じった曲、「Stefania」は母親への愛の歌なのだが、この愛を大きく伸ばすとヨーロッパになり、ウクライナはその母の子供の一人であるということになる。この母の世界、すなわち自由主義のヨーロッパにロシアの入る余地はない。入るためには ”entputiniert = (プーチン除外) “ をしなければならない。しかしこれは一方からだけ出来ることではなく、ESC同盟の国々の意見と協力が必要である』
このような説明とともに、今回のウクライナ優勝を歓迎するとともに、ESCは政治的であるべきだとの意見に同意を示している様に思われます。
次の年のESCは今年の優勝国で開かれるのが 条例なので、現在の戦争状態を考えると来年の開催が危ぶまれるのですがラッパー Psiuk は「新しく発展した我が国、ウクライナで開かれる!」と、楽観しているということです。
ドイツの若い人たちもESCの政治化には半々の意見がある様です。
改めて政治の重要さを知らされる気がします。
この、 ヨーロッパとオーストラリアを含む国々を対象に年に一回開かれるポップ コンテストは日本でも知られていることと思います。
今年はイタリヤの Turin で行われ、ウクライナが優勝しました。
この結果について、ESC は ”政治的” であって良いのか、否かという議論が活発に行われているこの頃の事情をお伝えしてみます。
世界最大の音楽スペクタクルである ESC は1956年に開始されたのですが、その目的は、二次世界大戦で戦い合ったヨーロッパの国々が、2度と戦いをしないで、欧州全体で平和に、仲良く暮らそうということがその目的であったということです。加盟している40國が団結して、平和に生きることの喜びを謳歌しようというわけで、政治的香りをあまり感じさせないのが目的であった様に受け取れます。
しかし1982年にドイツのニコールが歌って優勝した「ちっちゃな平和」という歌は当時の平和を思わせる政治感に触れた歌であったことと、2016年にストックホルムでウクライナのヤマナが歌った「1944」はクリム合併に触れた歌であったことから政治の影が見えると言われています。
そしてESCにおけるロシアの活動状況を見てみると1993年から参加を許されていた東ヨーロッパの国々の第一番目として、2001年には、最初のロシア圏の国としてのエストニア共和国が、ヨーロッパへの復帰として参加、そして優勝したことが「我々は音楽を通してソヴィエット帝国から解放された」とみなされ、勝利を狂喜したということです。
続いて2009年にグルジア国が ”Put in Disco“ で登場しようとしたところ、折り返しの ” We don’t wanna put in „ が ” We don’t want Putin“ に非常に似ていることからグルジア国の出場が認められなかったということです。
そしてロシアも2008年に一回、優勝したようですが、ウクライナは2004年と2016年に二回の優勝を勝ち取ったということです。
そして上記のウクライナ人女性歌手Jamalaは、ロシアによるウクライナ人のクリム半島追放痛恨を、2年半後に”1944” の中で歌い上げたということです。
『今回ウクライナに優勝をもたらせた Oleh Psiuk の Rap と Folk の混じった曲、「Stefania」は母親への愛の歌なのだが、この愛を大きく伸ばすとヨーロッパになり、ウクライナはその母の子供の一人であるということになる。この母の世界、すなわち自由主義のヨーロッパにロシアの入る余地はない。入るためには ”entputiniert = (プーチン除外) “ をしなければならない。しかしこれは一方からだけ出来ることではなく、ESC同盟の国々の意見と協力が必要である』
このような説明とともに、今回のウクライナ優勝を歓迎するとともに、ESCは政治的であるべきだとの意見に同意を示している様に思われます。
次の年のESCは今年の優勝国で開かれるのが 条例なので、現在の戦争状態を考えると来年の開催が危ぶまれるのですがラッパー Psiuk は「新しく発展した我が国、ウクライナで開かれる!」と、楽観しているということです。
ドイツの若い人たちもESCの政治化には半々の意見がある様です。
改めて政治の重要さを知らされる気がします。
2022年06月07日
【From America】「偲ぶ会」
アメリカのウインドゲイト緑です。
コロナの影響で世界中が様々な冠婚葬祭を中止したり、延期したり、ということが行われています。お葬式もその中の一つですが、結婚式なら延期も可能ですがお葬式は密葬や家族葬にして、後から「偲ぶ会」を行う形が多くなりました。
「偲ぶ」という字は「人」と「思う」と組み合わせた字で、本当に日本語の漢字は素晴らしいと思います。正に亡くなった方のことを思うための会です。
アメリカではこの「偲ぶ会」というのを「Celebration of life」と呼びます。
人が亡くなったのに、何故Celebrationなんだ。お祝いなんて不謹慎だ、と思う方もいらっしゃるかも知れませんが、その方が亡くなったことを悲しむよりも、その方が生きていたことは素晴らしかったのだ、と故人の人生を祝福するという意味を強調したポジテイブな呼び方なのではないかと思います。
日本では「偲ぶ会」のほかに「お別れの会」という言葉も使われます。この世から居なくなったからお別れをするという意味では「偲ぶ会」と並んで気持ち的にはぴったりの言葉だと思います。しかし、どちらも悲しい気持ちが出ますね。
その点でアメリカ人は「居なくなったことを悲しむよりも、沢山の思い出を残してくれたことに感謝して、その残してくれたものをこれからも皆で大切にしていきましょう」という部分に焦点を当てているようです。
残された家族はとにかく悲しみにくれているのですから、その方たちを励ます意味でも素敵な呼び方だな、と思いました。
コロナの影響で世界中が様々な冠婚葬祭を中止したり、延期したり、ということが行われています。お葬式もその中の一つですが、結婚式なら延期も可能ですがお葬式は密葬や家族葬にして、後から「偲ぶ会」を行う形が多くなりました。
「偲ぶ」という字は「人」と「思う」と組み合わせた字で、本当に日本語の漢字は素晴らしいと思います。正に亡くなった方のことを思うための会です。
アメリカではこの「偲ぶ会」というのを「Celebration of life」と呼びます。
人が亡くなったのに、何故Celebrationなんだ。お祝いなんて不謹慎だ、と思う方もいらっしゃるかも知れませんが、その方が亡くなったことを悲しむよりも、その方が生きていたことは素晴らしかったのだ、と故人の人生を祝福するという意味を強調したポジテイブな呼び方なのではないかと思います。
日本では「偲ぶ会」のほかに「お別れの会」という言葉も使われます。この世から居なくなったからお別れをするという意味では「偲ぶ会」と並んで気持ち的にはぴったりの言葉だと思います。しかし、どちらも悲しい気持ちが出ますね。
その点でアメリカ人は「居なくなったことを悲しむよりも、沢山の思い出を残してくれたことに感謝して、その残してくれたものをこれからも皆で大切にしていきましょう」という部分に焦点を当てているようです。
残された家族はとにかく悲しみにくれているのですから、その方たちを励ます意味でも素敵な呼び方だな、と思いました。