2022年04月

2022年04月26日

【From America】「イースター時に卵の値段高騰」

アメリカのウインドゲイト緑です。

4月17日はイースターの祝日でした。クリスマスほど日本では馴染みのないイースターですが、キリスト教徒にとってはとても大切な祝日です。

eggsイースターといえば卵。日本の皆さんもホワイトハウスの芝生でイースター・エッグ・ハンテイングを行う姿をTVで見たことがあると思います。ゆで卵をカラフルな色に塗ったり、プラスチックの卵(半分に割れて中にプレゼントが入るもの)を庭に隠して子供達がそれを探したり、イースターの食卓にも卵料理が並んだり、とイースターには卵は欠かせないものなのです。

所が今年のイースターの時期の卵の値段の高騰には皆が頭を痛めていたのです。
その原因は、ウクライナ戦争での物価高騰も関係しているものの、アメリカで鳥インフルエンザが流行して大量のニワトリを殺処分しなければならなくなったことです。
写真の卵売り場をご覧になればお分かりと思いますが、1パックの卵(写真はオーガニックの卵)が12個入りで$5.29です。ざっと日本円に直すと、現在は円安にふれているので$1を120円としますと635円になります。日本の1パック10個入りのものに比べても高いですよね。今年のイースターは卵で意外な散財を迫られてしまったアメリカです。

鳥インフルエンザは人間にはそんなに影響は無い、と言われていますが、鶏肉を避ける消費者は増えるでしょうか? 今後も鶏肉は6−7%の値上がりするようです。 卵はゆで卵にするだけでなく、様々な料理やベーキングに使われるので2.5%−3.5%の値上がりが予想されるのは困ったことになりますね。
早く鳥インフルエンザが終息して、また手軽に鶏肉や卵が食卓に上ることに期待したいです。

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2022年04月23日

ビュッケブルグ歳時記 271

キエフに戦車を供給することについて・・・反対、賛成、場合によっては?

 依然としてロシヤのウクライナ攻撃が続いている現在、重装備の戦車をウクライナに供給することについてドイツ国民は政府の意向がはっきりしないことに戸惑っています。ショルツ首相は現物ではなく援助金額を増やすことを表明しているのですが、戦車や、この国で Schwere ( 重装備の) Waffen ( 武器 )* と言われている武器 の現物供給には保留の態度を崩していないのです。欧州東側の国やその他の国が既に行っている重装備武器の供給に、はっきりした態度を表わさない政府に国中が戸惑っているのです。 

 昨日は、ウクライナの次にソ連がまた社会主義国に戻そうとする可能性が強いラトビヤ国の首都リガで、外務大臣と面会したドイツの外務大臣に寄せられた第一の質問が「ドイツの重装備供給方針の行方」だったと今朝の新聞に報道されています。
 ベヤボック独外務大臣の答えは :  1. ある種の武器、例えば戦車防御武器は既に提供済み。2. その他の武器はドイツ自国の軍隊からの提供となり、これは自国軍隊の縮小となることを意味するので不可能。3. その他の武器についてはヨーロッパの国々と順繰りに提供することになっている。
 このようにべヤボック外務大臣は、現状を正確に示し、できないことを約束するのは意味のないことであるとの意見を率直に述べています。

 これに反してショルツ首相は、ウクライナ軍隊がロシア軍と戦えるに足る軍備を整える準備を手伝うのがドイツ及び同盟国の役目であるとして、救助金を多くすると表明しているのですが、武器そのものの給与についてははっきり言及はしていないのです。(これは、武器そのものを供給することは ”戦争政党” となることになるので、それを避けて援助金給与とする、ということにするのだということを耳にしたことを書き添えておきます。)
 この首相の態度についてウクライナ大使は「ドイツ政府の態度はウクライナ国民にとって苦味と失望をもたらすもの」という苦い内容のコメント を表明しているようです。
 が、現在のドイツの軍備も充足している状態ではなく、 Nato 関係の出動とかスロバキア共和国のBattle Group参加など、また万一の場合に備えて戦車のような重装備武器を手元に置くことも忘れてはならないことであるので、100台の戦車を全部ウクライナに供給することは不可能なことである。また現状は持っている戦車の半分が活動できる状態であることも忘れてはならないという内情も発表されています。

 また現在、ウクライナは USA から砲兵、戦車、ヘリコプターを給付されているし、英国からは AntiーSchiff ( 船)ー ロケット弾 、カナダからは歩兵の持つ武器を、オランダからは戦車が給与されている。これに反してドイツから給付されたのは5000個のヘルメットだけで、防護戦車もハウビツツ戦車も隊員移動用戦車も給付されていないのが現状ということも明らかになっています。

 この様にこの国は今の所、政府の意向として武器援助ではなく給費援助を選んでいる様なのですが、国民の意見としては51%が攻撃武器の給付に賛成しているとの調査結果も発表されています。 

 ドイツが武器の援助をすると、ロシアがドイツ攻撃を始める可能性もあるから、という見解も耳に入ったことも書き添えておきます。

 Schwere Waffen* と言われる武器の種類区別もよく知らないわたしなのですが、なにしろ武器による戦争は早く辞めて、言葉による戦争になってくれることを願う毎日からのブログです。 


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2022年04月19日

【From America】「あなたの祖先はどんな人?」

アメリカのウインドゲイト緑です。

しばらくのご無沙汰をお許しください。コロナウイルスは未だに私たちの周りに居座り、不便な生活を余儀なくされていますが 皆さん、お元気ですか?

アメリカ人というと元々アメリカ大陸に住んでいたアメリカン・インデイアンを除いて、全ての人は移民です。人種のるつぼとも呼ばれているアメリカですから、様々な国からやってきた人たちが結婚して子供が生まれ沢山の混血の人が居ます。アメリカでは自分の祖先が何人なのか? 自分の混血の割合はどのくらいなのか? 自分の何代前にアメリカにやってきたのか? という祖先を知りたいという気持ちがとても強いです。
日本は島国ですから自分の祖先を調べるとしても、xxという苗字はある地域に多いといわれているから、祖先の出身は○○地方でしょう、位のことでそれ以上の祖先を調べることは余りないと思います。

ancestryそこで、アメリカでとても人気のあるサイトであるAncestry.com についてご紹介しましょう。ここには膨大な資料があり、昔の国勢調査の情報やミリタリーの情報にもアクセス出来て、家系図を作るのにはとても便利な調査が出来るサイトです。自分のファミリーツリーを作っていくのには、とても役に立つサイトです。インターネットのお陰で、便利になったものですね。
また、友人がユタ州にあるソルトレイクに行った時にモルモン教の本部に行くと、口の中を綿棒でちょっと拭うだけでDNA検査をしてくれて、「あなたは50%イギリス人、25%オランダ人、25%ロシア人です」などの結果があっという間に出るそうです。殆どの人は、自分の苗字から自分の祖先を想像するようですが、思ってもみなかった国の血が自分の中に入っていることにびっくりすることになるようです。

日本人は基本的に皆が日本人であることから、血液型でその人の性格を占ったり、十二支で占ったり、或いは小さな日本でも地域的な違いで、寒い地方の人は我慢強い、とか温かい地方の人は陽気である、などの一般的な印象があるくらいで、自分の祖先はお墓に行けば、或いは過去帳をみれば分かる、と思っている人が殆どだと思います。
しかし、日本も国際的になってきましたから、将来はこのように自分の血にはどんな国のDNAが入っているか? と調べたくなる時が来るのかも知れませんね。


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2022年04月09日

ビュッケブルグ歳時記 270

武器について考える世代

 第二次世界大戦後から約70年間平和であったことから、近代国の若い人たちには戦争の話は祖父母や両親から聞いたり、TV や映画で見たりしているだけで、現実感のない架空のモノであったのが、今年の二月の末から突然、現実のモノになり、戸惑取っている人も多いと思います。
 このような世代の考え方についてこの国ではどのように考えられているかを書いた一記事が目に入りましたのでお知らせしてみます。

 平和であることは、ドイツでは当然のことになっていたのだが、今回のウクライナ戦争でのロシア軍隊の為す残酷な行為を見聞きする時に出るのは「軍隊によって保守反動として戦うことは良くないこと?」という問いである。というのがこの記事の表題で、内容は次のとおりです。 

 {プーテイン首相によって二月の末から、この国の兵役義務すら知らない年代の若者に「君たちは、武器を手に君達の愛する人たちを防御するの?」という問いがかけられたのである。
 1980年以降に生まれた年代の人間は「冷間期」も知らないし、また200年前にイマニュエル・カントが解いた「永久平和」が少なくとも中央ローロッパには実現されたような時代に育った年代の若者たちでもあったのだ。デモクラシイー、自由、人権、に守られた世代で、軍隊による争いは逸話であった良き時代に育った若者たちであったのだ。 

 そして2003年にはこれらの若者の両親がイラク戦争に対しての反対デモを行ったりみどりの党を立ち上げた政治家の孫が ”Nato二重決議案”に反対するデモをしたりの軍隊拒否の平和な時代が続いていたのである。

 この時代は「兵隊」とは、”週末に駅に立って、帰宅の汽車を待っている兵隊の洋服を着た若者”となっていたのである。(この国では徴兵軍隊があった時代には週末には家に帰る兵隊が汽車を待っている情景が多く見られたのです)     

 このような平和な時代の後、今、ベルリンから24時間もかからない土地に戦争が突然帰ってきたのである。
 青と黄色の旗の下でのデモのスローガンは「Love and Peace」ではなく「Stand with Ukraine」や「Stop Putin」で、このスローガンには二つの矛盾が隠されているのだ。ロシアの残酷な軍隊に対する批判攻撃は、同時にウクライナの軍隊による自衛を認めることでもあり、両者とも軍備を肯定することなるわけなのだから。

 72年間の平和な時代が過ぎ去った後の今、若い人は「軍の威力」に対する態度というか構えを新しくすることを強制されることになったのである。擁護された社会は姿を消したのである。
 しかし「戦争のない世界を作る」ということは決して出来ないことではないし、幻影だけのユートピーでもない。死と不正を失くすということは、時によっては軍隊の力を借りることが必要というジレンマに向き合わなくてなならないことでもあるのだ。そして今の若者が このことに初めて向き合うことになったわけだが、このことの成り行きで、ここに次に来る未来の若者が「戦争のない世界」に生き得るか、がかかっているのだ。}

 このように武器の力を肯定する考え方もある一方、その反対の考え方もあることも知りました。
 50歳ぐらいの人々の集まりで耳に入ったのは「僕は白旗を掲げて、プーチンに好きなようにさせておく。そうすれば現実に起きているマサカー(殺戮)が少なくなり、犠牲者が少なくなる。そして彼(プーチン首相)の権力も永遠に続くわけではないのでそれが終わる時を待つ」という一知識人の意見も知ったのです。


aokijuku at 00:30|この記事のみを表示コメント(1)
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