2020年07月

2020年07月28日

【From America】「懐かしいブランドが消えてゆく」


アメリカのウインドゲイト緑です。

日本の皆さんもアメリカで起きたジョージ・フロイドさんの死をきっかけに、黒人の地位向上を掲げる動きが大きくなっています。人種差別が大きく浮き彫りになってきました。

アメリカでは、多くのブランドは「XXさんのパンケーキ」とか「○○さんのドレッシング」のように人の名前を付けてマーケッテイングすることが多いです。それが実在の人物の場合もあれば、架空のイメージだけの人の場合もあります。
Aunt J今回の黒人の地位向上の動きをきっかけに、黒人の名前が付いている商品が消えていくそうです。誰の家の食料庫にもあると思われるのが 「Aunt Jemima」ブランドです。アメリカ人はパンケーキの朝ごはんが大好きです。このブランドは黒人の女性の顔が描かれており、料理上手のJemimaおばさんのパンケーキミックス、パンケーキにかけるシロップなどです。我が家でもいつも使っています。新しいパッケージ、新しい名前になっても味は変わらないでしょうが、なんだか寂しいです。
同じようなブランドに「Uncle Ben」のライスがあります。お米を主食にしないアメリカではお米はサイドデイッシュで、マッシュポテトやパスタの代わりがこのUncle Benのお米です。

馴染みのあるブランドがどんどん消えていくようです。親しみのあったパッケージが消えていくのは何となく悲しい気持ちです。


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2020年07月25日

ビュッケブルグ歳時記 231

興味ある数々の示唆

 コロナは依然として蔓延っています。アメリカとブラジルを先頭に世界中に猛威を奮っているヴィルスですが、ドイツはあれこれとあったにもかかわらず、ちょうどコロナの期、2018年から連邦健康大臣の役についていたCDU(キリスト教民主同盟で、SPD( 社会民主党)との大連党で現在の与党)に属するJens Spahn (イエンス スパーン 以後 SP と略す)大臣の処置に大方の市民が満足しているとの声が大きいドイツの現在の様子をお伝えしたいと思います。

 コロナ以来、健康大臣(日本ではこの名目を聞いたことがないように思われるのですが)SP氏とは国民全部がメデイアを通じて知り合いになったと思われるとき、ある新聞記事に40歳とあり、ずいぶん若いのに良い活躍をしているのだなあと感じて、彼の経歴を見てみました。

 Abitur( 高校卒業及び大学入学資格試験)の後、大学には行かず、仕事と勉強を同時に行う, ドイツ特有のDuales Berufs Ausbildung システム で、銀行業を学び、傍ら、政治学を学んだとあります。そして1997年にCDU に入党、2014年に議長の席につき、2018年に健康大臣に任命されたというのが彼の大雑把な政治関係の履歴です。
 ここで注目するのは大学学習だけが学習方法ではなく、仕事と勉学を同時に行う二進法が同じ価値を認められているこの国の社会を認識するのも示唆ではないでしょうか。

 SP氏のおおよそのコロナ対策は次のようなものだということです。
 *2020年3月半ばに大きな模様し物の開催を禁止。*次いで幼稚園、学校、を閉鎖。*口と鼻からの感染予防のためにマスク着用を義務とする。*Handy Ortung適用。

 そして第2の示唆は「2017年12月22日に、配偶者夫のD. F. 氏と結婚届けをしている」との経歴を読んだときには、この国は民主主義の国だとの意識を強めたことです。ちなみに同性カップルが認められたのは2001年で、結婚が正規になったのは2017年の10月からです。 

 ここで思い出すのは2001年にベルリンの市長であり州長(ベルリンは市が州の役割をする)となった Wowereit 氏が当選発表の席で、「わたしはゲイです。そしてそれで良いのです!」と公表した最初の政治家であったのです。
 彼の outing の後、5年後には国民の79%がホモ大臣を認めるという世論になっているとのことで、 SP 大臣の同性との結婚もこの国ではどうということもなく受け取られているのです。

 こんなときに、少し古いのですが、2017年5月の日本の新聞が目に止まりました。「性的少数者の授業」という見出しで、男性の体で生まれ、女性として生きる学生を日本女子大が受け入れるかどうかの討論記事なのですが、「女子大入学拒否は違憲?」との見出しを見たときは驚きました。日本では人が自分として生きる
権利は持てないのか、と思ったからです。性がどうあっても、その人の教育を受ける権利は国民の持つ根本権利ではないのでしょうか。
 トランスジェンダーは認めても、教育の自由は認めないというのはどこかに間違いあるように思われます。性的少数者への教育自由は当たり前のことではないのでしょうか。1日も早くこれが認められる日本であるように願います。これが次の示唆です。

 最後の示唆としてあげたいのは、「パンデミーがわたしちに教えてくれたことは、一つの国は Sozialstaat( 社会主義的国家)でなければならない。例えば健康管理や看護に関しても、費用に関係無くその人に合った待遇を受ける権利を我が国の国民は持っている。これは世界中でも珍しいことである」とのSP 氏の言葉から、保守政党に属していても社会的な階級段差を避けている言葉として受け取ると、良い示唆のような気がするのです。

 数々の示唆を挙げましたが示唆の真意が正確に理解されることを願いつつ。



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2020年07月21日

【From America】「リモート卒業式」

アメリカのウインドゲイト緑です。

新型コロナの影響で学校が休みになり、アメリカの学校の卒業式の時期にも集まることが出来ず、卒業式がリモートで行われることが多かったようです。

学校では工夫を凝らして、ウエブサイトで大勢の人が見られるようにしていました。普通は、アメリカ国内の親戚一同が集まって卒業式に参加し、家族が集まる良いきっかけですが、今回はそれが出来ないお陰で、かえって大勢の親戚や友人が卒業式を見ることが出来る、という「コロナのせいで、、、、」ではなく「コロナのお陰で、、、、」という現象も起きているようです。

リモート卒業式何でもポジテイブに考えたいですね。
住宅街をドライブすると、庭に写真のような「卒業しましたよ」というサインを掲げているお宅もあり、みんなそれぞれの方法でこの卒業の時期を祝っているようです。
嬉しいお知らせは、知り合いだけでなく、通りをドライブする皆に見て欲しい、という気持ちが伝わってくるサインだと思いました。

卒業 おめでとうございます!!


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2020年07月14日

【From America】「PCR検査in America」

アメリカのウインドゲイト緑です。

PCR成田からNYに飛んで、コネチカット州の友人宅に身を寄せて14日間の自宅待機をしていました。毎日体温を測って記録に残し、酸素濃度も調べて記録していました。それでも、本当に陰性なのか? 無症状でも旅の途中で感染してしまったのではないか? 友人宅に泊めて頂いているのに、もし陽性だったら知らないうちに感染させてしまうかも知れない。そんな心配をしていました。

アメリカでは、PCR検査と抗体検査が保険適用で自由に出来るので、ちゃんと証明することが大切だと思い、地元のUrgent Careクリニックに電話をしました。なんとその日のうちに予約が取れて、いざ検査へ。
建物の中には入れず、全てのチェックイン作業は携帯電話で行われます。名前や保険証の番号など必要書類には携帯電話から専用サイトにつなぎ、入力します。すると、クリニックから車内に居る私の携帯電話に連絡がきます。PCR検査か抗体検査のどちらを望むのか? どうして検査したいのか? (私の場合は国際線の飛行機で日本からアメリカに戻ったから)何点か質問に答え、駐車場の番号を言うと、車まで来て検査をしてくれると言います。ほぼドライブスルー方式です。車から一歩も出ないので、検査に行って逆に感染する恐れは全くありません。
N95のマスクをしたお医者さんが車まで来ます。先ずは熱を測り、次に指で酸素濃度を測ります。そしていよいよ本番。皆さんご存知の、長い綿棒のような検査キットを鼻の奥に入れて検体を採取します。これで検査は終了。3日くらいで結果が分かり、陽性なら電話をします。陰性ならEmailでお知らせします。
とのことで、実に簡単でした。お陰様でメールにより陰性の知らせが来ました。
日本では、症状があってもなかなかPCR検査を受けられない方々がいるのに、アメリカではこのように誰でもどこでも検査が受けられるということに違いに驚きました。

アメリカの数字が未だに上がっているのは、一つには検査が多くされていること。また、ビジネスの再開により第二波ともいえるような感染者が増えていること。アメリカでは、以前 すごい勢いで数字が増えていたNYなど北の地域は数字が減っているのに対して、早くにビジネスを再開した南部のフロリダや今最も数字が高いアリゾナなど南の地域に懸念が広がっています。州によってルールが違うのが合衆国です。現在はアメリカの国内でも、感染の広がっている地域からNY、NJ. CTの州に来た場合には外国からの旅行者と同じに14日間の自宅待機が要求されます。日本でも、同じようなことが起きる可能性は大ですね。マスクをする習慣のないアメリカ人がこれだけ忠実にマスク着用を実践していることに感心しました。しかし、未だにそれを守らない人がいることも事実です。当分 付き合っていかなければいけない相手のコロナウイルスです。こちらの感染防止姿勢がいかに大切であるか、を思い知らされます。
日本の皆様もどうぞ感染しないように気をつけてお過ごしください。


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2020年07月11日

ビュッケブルグ歳時記 230

歴史上最高額の対コロナ救援金

 コロナヴィールスは完全に退治されていなくても、自粛が緩和されると同時に被った様々な被害の援助のための案が提出され、特に今後の健康管理、職業現場確保、そして国の経済情勢を取り戻すための援助案が出されて、状況向上を図ろうとする努力がなされている様子を大雑把ですがお伝えしてみます。

 表題の史上最大の援助額とは、353.3Milliarden( 1Md は10億)で、そのプログラムはおおよそ次のようなものです。
1. 自営業者の社会的保安のため、相応の援助を6ヶ月間する。
2. 小自営業者(労働者十人まで)や雇用関係にない自由業者や中小企業経営者へ3ヶ月間の援助をする。
3. 最も多額を要するのが経済界安定のための大企業へのフォンズなどの援助金。
4. 健康管理としてコロナへの種痘薬発明費などの研究費などの援助。


次は税金に対する免除案で、
1. 付加価値税が今までは19%(物によっては7%)だったのが、7月1日から12月31日まで16%(5%)となる

その他の援助
1. 家族のための援助として、子供ボーナスと名付けられた、子供一人につき300ユーロが一回のみ支給される。
2. 貧困者へは家賃の援助。 

 この他に温暖化対策や未来への技術発展や消費経済復活、などへの費用への援助も挙げられています。 

 このようなプログラムに対する批判が多いことも、事情を考えるともっとだと思われます。
 自分の技術で生活を成り立てているジャズ・ピアニストは、即刻援助として2500ユーロを貰ったが、8月末までコンサートは禁止されているし、クラブやバーも閉店していては生活が成り立たないと嘆いていますし、ホステル(ホテルとモーテルが同居している宿)経営者は、開店許可が下りてもヴィールスを恐れて客は来ない。それに宿を無人にしておくと、備え付けの物質を盗まれることになり困っている。また酒場などの経営者は閉店命令と同時に8000ユーロを貰ったのだが、開店許可が出て開けてみると、客は30%しか来ないことがわかった。この状態が続けば3ヶ月後には破産閉店するより仕方がない、などの不満が実際の状況のようです。                                                                     そしてこの国は自分の国だけを援助するだけでなく、EU圏の保持のためにも援助をしなくてはならないのです。
 昨日、メルケル首相がコロナ自粛が溶けて初めての国境を超えてEU議会に出席し、EU援助の交渉スタートの演説を行ったことは日本にも報道されていると思います。

 現在1850Milliarden ,2027年には1.1 Billion ( 兆) という膨大な額のEU援助金の使用法をまとめる出発点に立って、「パンデミーは我々の持つ基本権利を奪うことはできない。これはヨーロッパが一体となって団結することによって防ぐことができる。そのためには急がなくてはならない」という彼女の演説にはオーストリア、オランダ、デンマーク、フィンランドの四つの国を除いてのスタンデイング・オベイションがあったと報道されました。

 わたしのような一主婦は、出てくる巨大な援助額に驚き、この国はお金持ちなんだなあと一応安心し、援助の効果がなるべく早く、均等に出てくるように願うばかりです。

aokijuku at 00:30|この記事のみを表示コメント(0)
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