2017年12月
2017年12月26日
【From America】「アメリカのキラキラ名前」

今年もクリスマスが終わり、暮れが押し詰まって来ました。
これが2017年最後のブログとなりました。今年一年、From Americaをお読みくださり、誠に有難うございました。
年末になると、今年流行した言葉や今年話題になったことのランキングがあちこちで発表されますが、今年最後の話題は、赤ちゃんの名前の話題です。
赤ちゃんの名前には流行があり、最近はちょっと珍しい名前が流行っているそうですね。日本では「きらきら名前」なんていう言葉が生まれたようですが、伝統的な名前ではない名前ということでしょう。その流れはアメリカでも同じで、昔のようなメリー、マイケル、ジョン、などの名前は姿を消して、最近は写真のような名前が流行っているそうです。
ここでちょっと珍しい名前をご紹介しましょう。
男の子の名前で「ビリオン君」です。彼の苗字は『エアー』これを組み合わせるとBillion Ayer つまり発音は「ビリオネアー」となり億万長者という意味になります。ミリオネアーならぬビリオネアーというわけです。何だか冗談で付けた名前のようですが、学校中で彼の顔は知らなくても名前だけは全員が知っている、と大いに有名になったそうです。
アメリカ版キラキラ名前の流行を研究している人が、名前にはその子供に運命を与えるName = fate ということを言っていました。あれ? 何だか日本の親が姓名判断にこだわって子供の名前を決める時のような話だな、と感じました。その研究は、決して漢字の画数を数えるなど、ということではなく、調査研究の結果によるデータをベースにしたものだそうです。覚えやすい名前の人は、人生のパートナーを見つけやすい。仕事に就きやすい。という傾向がある。ということでした。興味深い調査結果ですね。
生まれたての赤ちゃんは無垢の状態。その赤ちゃんに名前を付けることによって、その子供に運命さえも与えてしまう大事な命名、ということは日米にも違いはないのだと感じました。
来る2018年も無垢の状態です。「健康と幸せが訪れる年」と命名して皆さんに福がやってくる良い年にしましょう。
来年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
2017年12月23日
ビュッケブルグ歳時記 169
未だ続く・・・
今回もコミュニケーションにまつわる一話をお伝えします。
ある朝、メールを開けると見慣れない一通があり、よく見ると娘の夫クレメンス が差出人でした。 内容は彼の父親が息子2人に書いた、自身の持つ宗教論とも云える手紙でした。娘夫婦と時々宗教についても話し合うことから、わたしにも興味があるかもと転送してくれたのです。
このことを知った時にわたしは内容よりも、主題が宗教に関するという事実と、それを父親が息子たちに伝えたいという伝達意志を持つということに驚かされたのです。そしてこのような時が、ここは外国だと再認識させられる時なのです。
父親はカトリック教派に属する信者です。
ここでキリスト教の旧教と新教派について、この国での立場を説明する必要があるのです。ドイツではこの両派は現在もその主張を相容れること無く、両派の間には厳然とした間隔があるのです。日本ではキリスト教というと両派の間に違いはないような感覚がありますが。簡単に云って旧派は規律が厳しく、中世の感覚が残っているように思えます。神父が妻帯出来ないことや、一般信者で両派のカップルが結婚した場合、生まれた子どもは旧教に属するという圧政的権力表示などが例としてあげられます。母親がプロテスタントのクレメンス兄弟もこの例に漏れずカトリックでしたが、両人とも成人とともに教会から脱して、今は無宗教者です。
父親は手紙の始めに「自分の考えが全部の人に影響を与えるとは考えていない。そう考えるの思い上がりだから」と但し書きをしています。自分の考えを人に押し付けないわけです。
そして、旧訳聖書の地獄とか剣による宗教ではなく、自身は新約聖書の、言葉による、平和と愛の教えを信ずる、との考えを述べています。そして、イスラム教、ユダヤ教、ヒンズー教、仏教などが、話し合ってお互いの宗旨を知り、寄り添う態度がこれからの世界には必要だと書いています。
父親は内務省で法的役務についていたのですが、退職後ボン大学でイスラム教について学び、その後、ボン近郊の街で、「街の、外国人(今はイスラム教徒が中心)の融合機関の水先案内人」という仕事に就いています。ボランテイアです。移民の法的手続きやその他の様々な手助け、難民児童のドイツ語学習、ムスリムとキリスト教教会との対話の実現(旧派はこの試みに最後まで参加をしなかったそうです)などの仕事をしている人なのです。
このように宗教についても、政治の見方にも、調和が強調され、寛容を手段とする彼の主義は、先回の「学校での社会生活への準備」のまとめのような気さえするのです。難民問題が大きくなっているこの国にとってだけではなく、世界の共存を考えた時に参考になる考え方のように思われるのです。
あっという間に今回のブログが今年最後のものになりました。
この1年、色々書きましたが、読んで下さった読者の方々、ほんとうにありがとうございました。そして重要なことだと再認識したコミュニケーション(マスメデイアをも含めた)が行き渡り社会が明るくなってくれることを、又、皆様が良いお年を迎えられることを願いながら筆を置きます。
今回もコミュニケーションにまつわる一話をお伝えします。
ある朝、メールを開けると見慣れない一通があり、よく見ると娘の夫クレメンス が差出人でした。 内容は彼の父親が息子2人に書いた、自身の持つ宗教論とも云える手紙でした。娘夫婦と時々宗教についても話し合うことから、わたしにも興味があるかもと転送してくれたのです。
このことを知った時にわたしは内容よりも、主題が宗教に関するという事実と、それを父親が息子たちに伝えたいという伝達意志を持つということに驚かされたのです。そしてこのような時が、ここは外国だと再認識させられる時なのです。
父親はカトリック教派に属する信者です。
ここでキリスト教の旧教と新教派について、この国での立場を説明する必要があるのです。ドイツではこの両派は現在もその主張を相容れること無く、両派の間には厳然とした間隔があるのです。日本ではキリスト教というと両派の間に違いはないような感覚がありますが。簡単に云って旧派は規律が厳しく、中世の感覚が残っているように思えます。神父が妻帯出来ないことや、一般信者で両派のカップルが結婚した場合、生まれた子どもは旧教に属するという圧政的権力表示などが例としてあげられます。母親がプロテスタントのクレメンス兄弟もこの例に漏れずカトリックでしたが、両人とも成人とともに教会から脱して、今は無宗教者です。
父親は手紙の始めに「自分の考えが全部の人に影響を与えるとは考えていない。そう考えるの思い上がりだから」と但し書きをしています。自分の考えを人に押し付けないわけです。
そして、旧訳聖書の地獄とか剣による宗教ではなく、自身は新約聖書の、言葉による、平和と愛の教えを信ずる、との考えを述べています。そして、イスラム教、ユダヤ教、ヒンズー教、仏教などが、話し合ってお互いの宗旨を知り、寄り添う態度がこれからの世界には必要だと書いています。
父親は内務省で法的役務についていたのですが、退職後ボン大学でイスラム教について学び、その後、ボン近郊の街で、「街の、外国人(今はイスラム教徒が中心)の融合機関の水先案内人」という仕事に就いています。ボランテイアです。移民の法的手続きやその他の様々な手助け、難民児童のドイツ語学習、ムスリムとキリスト教教会との対話の実現(旧派はこの試みに最後まで参加をしなかったそうです)などの仕事をしている人なのです。
このように宗教についても、政治の見方にも、調和が強調され、寛容を手段とする彼の主義は、先回の「学校での社会生活への準備」のまとめのような気さえするのです。難民問題が大きくなっているこの国にとってだけではなく、世界の共存を考えた時に参考になる考え方のように思われるのです。
あっという間に今回のブログが今年最後のものになりました。
この1年、色々書きましたが、読んで下さった読者の方々、ほんとうにありがとうございました。そして重要なことだと再認識したコミュニケーション(マスメデイアをも含めた)が行き渡り社会が明るくなってくれることを、又、皆様が良いお年を迎えられることを願いながら筆を置きます。
2017年12月19日
【From America】「飲酒と癌の関係」

いよいよ年末になり、忘年会、クリスマスそしてお正月と家族やお友達とお祝いをする機会が多くなりました。このような人が集まる食事の席ではアルコールはつき物です。あまりお酒を飲まない人も、「先ず 乾杯の一杯だけ」なんて理由をつけて、ついお酒に手が伸びますね。
さて、お酒好きの人にはがっかりの情報がアメリカのニュースででました。この時期に何だかムードを壊す内容で恐縮ですが、知っておくべきことだと思うのでお知らせします。

全てのがんの4%は飲酒に起因するという情報です。えー? 全ての癌? 少しのお酒は健康に良いと言っていたのはどうしたの? と疑問の声が聞こえてくるようなニュースですね。
しかし、調査によれば、大腸がんのリスクは、Moderate(中程度)の飲酒で17%。Heavy(多量)の飲酒では44%もリスクが上がるそうです。また、女性にとって気になる情報としては、乳がんですが、Light(軽い)飲酒で4%。Heavy(多量)の飲酒では61%もリスクが上がるそうです。
では、このModerate(中程度)の飲酒とはどの位なのでしょう?
女性ではワイン一杯。男性ではワイン2杯だそうです。
Heavy (多量)の飲酒とは、女性でワイン3杯。男性でワイン4杯だそうです。
思ったよりも飲酒の量は厳しい判定になりましたね。

何事もほどほどに、ということの警告と思ってこの情報を頭の片隅において頂き、年末の宴会にご参加くださいね。