2012年10月

2012年10月25日

【見たり聞いたり 95】 「システムとリーダー」 

 システムをいかに構築するか日本でもアメリカでも重要です。ラスベガスを超満員にするマジック公演でもマジックのうまさよりいかに皆に知ってもらって会場に来てもらうかそのほうがはるかに難しいと大スター島田マジシャンがよく言っていました。

 今回の手妻公演でもシステムの大切を学びました。総勢32,3名の藤山一座が約1ヶ月島根、岡山、広島、山口と巡業するのですからシステムの要リーダーの役目が重要です。手妻のグループ、邦楽のグループ、舞台監督のグループそれぞれ「長」がいてそれらがひとつにならないと一ヶ月の巡業がスムースに行くことは難しいです。筆者は1週間だけ俄かマネジャーを今回で3回勤めましたが、スタッフの皆さんそうそうたるメンバーでリーダーが実に気配りしていることひしひしと感じます。

 あるとき邦楽の皆さんの着替え部屋のお弁当のからをとりに行く時、これはマネジャーの仕事のひつですがドアを少し開けて声をかけてからを受け取ろうとしたら、リーダーからピシりとドアを開けないで下さいと注意されました。こちらも気を使って声をかけたつもりですが、すかさずクレームつけるところリーダーの役割を垣間見ました。

 手妻のリーダーにしてもスタッフで先に巡業を引き上げる人にご苦労さんと夜軽く一杯、こんな感じです。手品、邦楽がうまければよいとはまったく違う世界です。


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2012年10月24日

県民ショー の弊害

昨日の午後から、島根県出雲市に出張に来ています。

昨日は日本上空の気流が悪く、遅れる飛行機や条件付き飛行の便が多々ありましたが幸い、ほぼ時間通りに到着しました。

出雲市駅の近隣で、現地のコンサルタントの方と夕食をとりました。

思えば2年前に同じお店で「べべ貝」を初めて食べて、その後磯の香りのする高級ご飯として「ベベ飯」が流行り、今まで買うなんてこともなかった貝が高値で売られています。これもマスコミの影響で、現地の人たちは信じられないと思っているようです。

同じくマスコミの影響で困惑しているのが方言です。
「だんだん」はまだ年配の方は使いますが、「よろこびます」という言葉は島根県ではほとんど使われていないようです。
それを、TV番組で誇張して伝えられてから、観光客の方はきまって「よろこびます」って言ってくださいと言うそうです。

確かに誇張されて面白い印象を強めたのだと思いますが、現地の方は困惑しているようです。

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2012年10月23日

【From America】「熱気球の旅」

Hot_air_baloon01アメリカのウインドゲイト緑です。
皆さんは飛行機に乗るという方法以外で、空を飛んだ経験はありますか?
空を飛びたいという願望は、昔から多くの人の憧れだったと思います。飛行機が一般化された今は、その人間の願望は宇宙へと広がっていますから、これは人類の尽きせぬ願望なのでしょう。

さて、もっと原始的な形で空を飛ぶということに魅力を感じている人たちもいます。それが熱気球です。ある日、ラスベガスの北西に位置する病院に行きました。すると、その病院の脇にはこの熱気球の発着所がありました。朝早く、次々にカラフルな色の熱気球が空高く上って行きます。看護士さんにお話を聞くと、「風強い日以外には毎日 朝早くここから熱気球が飛び立ちますよ。どうやら観光用の熱気球で、ここからラスベガスのストリップを挟んで東側まで行き、そこで気球を降りると聞いています」というお話。

熱気球に魅せられた人たちは世界中に大変多く、各地で熱気球のイベントが行われているようですが、その中でも世界一を誇るのはアメリカ合衆国ニューメキシコ州アルバカーキーで行われる「インターナショナル・バルーン・フィエスタ」でしょう。1972年たった13個の熱気球から始まったこのイベントは、今や全世界から参加者が集まってきます。

Joint_baloon気球熱気球といえば上が大きく下がつぼまった涙のような形の丸いもの、と決めてかかっていましたが、このイベントではありとあらゆる形の面白い熱気球が登場します。その中でもとても可愛いものを写真でご紹介しています。二つの熱気球がジョイントしているもので、風の向きによっては手をつないだり、時には顔と顔をあわせてキスをしていたり、するようにも見えます。このように形で競う部門があれば、熱気球をいかに上手にあやつるかを競う部門もあり、正にこれは輪投げの技術に似ています。ゴールに出来るだけ近く熱気球で近づき、ターゲットめがけて輪を投げる競技、しるしをつけた着陸地点に確実に下りる技術などなど、見ていてもそれは楽しいものばかりです。

今年もニューメキシコ州で10月上旬に行われており、参加者だけではなく、そのイベントを見るだけの目的で行く人も大勢います。文明の利器に溢れた現代生活の中、時にはこんな昔の古きよき時代を思わせるイベントも楽しいものですね。

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2012年10月22日

【明日の世界 147】  「手妻とストローアート」3

手妻の藤山新太郎一座は9月に島根、岡山、広島、山口と4週間巡業しました。一行の中のI手品師はストローアートの達人です。その手作り作品は見事で海老などまるで生きているようです。

どうしてそこまでになったのですかと聞きますとカードマジックをやるマジッシアンはいくらでもいる、差別化をするために人のやらないものを常に考えるとストローアートが浮かんできたと言っておりました。ストローアートの教室に通って一生懸命勉強したと語る目は輝いていました。マジックに使う小道具はこのような努力から生まれてくるのですね。

道中岡山、広島のホテルの近くにマジックバーがあると必ずよって演者がどのように客をひきつけるのか入場料3500円払って観に行くそうです。黙ってみていても目の付け所が違うのかそのうちばれるケースが多いと笑って言われました。皆それぞれに努力しているのですね。


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2012年10月20日

ビュッケブルグ歳時記 47

ゆとり教育万感 10(まとめ)

 日本で始められたゆとり教育が、学力低下をもたらすとされ中止になったことの原因を考えたことがきっかけで、ドイツの、ゆとりが見える教育制度の数々を書いてきました。もうお分かりと思いますが、この国の教育は、その内容、施行法など日本と較べて全てにゆとりがあるのです。夏休みに宿題が一切ないこととか、大学入試がないこと、訓練職業養成が制度が大学教育と同等に整備されていることなど、日本では考えられないことだと思います。
 まとめとして、両国の教育の違いについて思いついたことを書いてみます。
 

 日本では授業時間数を減らすことが子ども達に「ゆとり」を与えると解釈されたように思えます。授業が減るとそれだけ学力も減るのは当然です。ここで、2つの事が思いうかびます。第一は知識を積むことだけが教育の目的であると考えてよいのか、です。それならば、向き合い授業で知識を詰め込んでいる他のアジアの国々の成績が良いのは当然です。しかし、これらの国は民主国家としては日本の数歩後を歩んでいます。現在の世界では民主主義国家が最良の形であれば、日本もこれに沿った教育をするべきです。

 第2は、ドイツの教育を見てそこにあるゆとりに注目し、見習おうとしたのは良いと思うのですが、欠けている所があったと思うのです。このことをよく理解出来るように書いた一節を見つけましたので借用します。「日本人は先進制度を取り入れるのが得意である。だが、制度の根底にある思想を消化する意欲には乏しく、軽視する傾向がある」 ドイツのプロジェクト授業法を総合学習時間として取り入れた時、根底の思想をよく勉強しなかったことから、直ぐ取りやめになったことがこのことを良く示していると思います。 

 ドイツでは「個人」というものが尊重されるため、教育でも人間性が必ず考えに入っています。生まれ持った能力や志望にそって、人それぞれにあった教育を、というのがこの国の平等教育で、人間の差異を受け入れた平等精神に見えます。日本の、誰でも同じ教育が受けられる機会平等とは違う形のように思えます。
 知識堆積は、格差のある大学入学を教育の最終点としているように思えます。教育の目的がこれだけではないとすると、個人の人権を考えに入れた教育体制を作って行くことが、社会をもっとデモクラシーにする始めではないでしょうか。


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