2009年10月27日
【From America】アメリカのお持ち帰り方式を日本にも
日本でエコ・ライフに徹している人たちは、マイ箸を持ち歩いたり、エコ・バックを用意したり、と日常生活に様々な工夫を取り入れているようです。それぞれの市町村のルールに従ってごみの分別もかなり詳しく分けて、リサイクルに努めていることでしょう。しかし、皆さんは外食をした時の食べ残しについて考えてみたことがあるでしょうか? レストランでは食べ残しをどうしているのでしょう? きれいに残った物はホームレスさんにあげるのでしょうか? 後は家畜のえさにするくらいしか、使い道はないのではないでしょうか?
アメリカのレストランで出てくる食事の量はとても多いので、体の大きいアメリカ人でも全部を食べきる人はごく稀です。しかし、ウェイターもお客も心得たもので、ひとしきり食事が終わったころを見計らってテーブルにやってきたウェイターは「(お皿に残った食べ物を)お包みしましょうか?」と聞いてお皿を下げてくれます。キッチンで持ち帰り用の入れ物に詰めて、手提げ袋をつけてテーブルに再び持ってきてくれます。場合によっては「ご自分で詰めてください」と入れ物と袋をテーブルまで持ってきてくれる方法もあります。どちらの場合でも、「残った食べ物は持ち帰るのが当然」とウェイターも客も了解しているので、無理をして食べ過ぎになったり、もったいないけれど…と思いながら罪悪感を持ってお皿の上に食べ残したりする必要がないのです。
家族に食事を作ったり、お弁当を子供に持たせたりした時、きれいに全部食べてくれた時の喜びは、料理をしたことがある人なら誰でも味わっているはずです。レストランのシェフだって同じです。心を込めてお客様のために作った料理がいっぱい残ってキッチンに返って来たら、どんなに悲しいでしょう。
私があるレストランで友人と会食をした時のことです。注文した料理の半分も食べなかった友人に「お包みしましょうか?」と尋ねたウェイトレスに対して「いいえ、結構です」と答えると、「この食事はそんなに不味かったのでしょうか?」という質問が返ってきました。お腹がいっぱいで食べきれないという量ではなかったのです。友人は「ええ、実は期待はずれで、がっかりしました」と答えたのです。ウェイトレスは早速キッチンに戻り、間もなくオーナーがテーブルまでやってきました。「大変申し訳ございませんでした。お持ち帰りになりたくないほど不味い食事をお出ししたのはこちらの不手際です。このお代はいただくことが出来ません」と謝ったのです。そのくらいアメリカでは残った食べ物を持ち帰るということが習慣化されています。持ち帰りたくないと言われたら、それは不味いという意味で、実に不名誉であると解釈するほどなのです。
日本にはこの食事の持ち帰りという習慣がありませんが「とても美味しいのだけれど、もうお腹がいっぱいで食べられない」「無理してたくさん食べたら太っちゃう」など様々な理由で残してしまうことが殆どではないでしょうか? そんな時にお勧めなのが「マイ・お持ち帰りセット」です。小さなプラスチック容器をビニール袋に入れて、それをお手製の巾着袋や小風呂敷などに包んで持参すれば、食べきれないものをさりげなく持ち帰ることが出来ます。万一、食べ物から水分が出てしまう時に備え、プラスチック容器を更にビニール袋に入れておけば巾着袋や小風呂敷に汁がしみてしまう心配はありません。食事がテーブルに運ばれた途端に、心のなかで「これは生ものだからここで食べてしまいましょう」「ご飯や火の通った料理は持ち帰れそうだわ」と考えてから食べ始めます。
midori_windgate at 10:00│コメント(0)│