2009年08月10日
【From America】 「発音の大切さ」その1
アメリカでは、コンピューター会社のサポート・サービスに電話をかけると、自動的にインドにつながってしまって、殆ど米国内の米語を母国語にする人とは話ができない、というのが普通になってきています。
日本帰国中、某コンピューター会社にインクジェットを注文すべく日本語で電話をかけました。大変流暢な日本語だったので、「どこか地方出身の少々訛りがある人なのかな?」と思って話を始めましたが、料金の振込先情報を頂く時になり、この方が日本人ではないこと、この方の言っていることが何を意味しているのか私には分からないことが起こり、コミュニケーションに大変苦労しました。
振込み口座の名義は「カタカナでXX。XXカコでごじゃいます」??「はあ?」??「あのう、すみません。カコとはいうのは、発音としては現在、過去、未来のカコですか?」「はい、そうです。カコでごじゃいます。でも漢字ではありません」「はい? そのカコってどういう意味なのでしょう? 会社の名前のXXは分かりますが XXカコっていうのが どうも私には納得がいかないのですが、、、、」「はい、カコでごじゃいます。株式会社のカコでごじゃいます」
ここまで聞いて、やっと分かりました。彼は「括弧」と言いたかったようです。ところが、彼の発音は立派な日本語の発音「カコ」であって、私には「カッコ」とは聞き取れないのです。どうやらアジア系の人の特徴で、日本語の促音である小さな「ッ」が発音出来ないようです。彼が言いたかったのは、XX(カ と株式会社名の省略として、括弧をつけてカタカナで「カ」を入れてください、という意味だったのですね。しかし「カコ」と聞いてしまった私には、どうやって想像力を働かせても「過去」と言う言葉しか頭に浮かばず、「括弧」と言う言葉にはたどり着くことができませんでした。
日本語を流暢に操る外国人が様々な仕事の場面で登場するようになると、日本語を母国語とする聞き取り側が、時には想像力を働かせて相手の意味するところを汲み取って上げなければいけないということになりそうです。立場を逆に考えてみれば、日本人の英語を聞き取るアメリカ人も、実はかなり苦労しているのかもしれません。
英語を教える語学学校では「発音など気にしないで、どんどん英語を話せば良い。自分の意見をしっかり持っていれば、発音なんか下手でも相手はちゃんとアナタの話を聞いてくれる」などと言います。確かにこの言葉には一理あると思います。しかし、発音が下手だと話の筋道さえも通らなくなり、話の途中で意味がわからなくなる、と言うことも起きてしまう可能性があります。今回の経験で良い勉強をさせて頂きました。どの語学を勉強する時にも、「正しい発音」をきちっと学ぶことは、コミュニケーションにおける誤解を避けるためにも実に大切だと痛感しました。
midori_windgate at 20:53│コメント(0)│