2024年09月24日

【From America】「日本食の普及」

アメリカのウインドゲイト緑です。

日本食は最近アメリカで人気を集めていることは、日本の皆さんもご承知だと思います。最近の米ドルと日本円の為替の差が大きくて、NYではラーメンと餃子を食べて5000円などと言われていることも、皆さんご存知ですね。そんなに高くても、大好きな日本食をあきらめないアメリカ人が大勢います。

レストランで和食を食べるのは勿論、スーパーマーケットにも必ず寿司コーナーがありますし、どこでも日本の食材やお菓子も売っています。私がアメリカに来た30年前とは大違いです。以前から、日系のスーパーには日本から輸入した(日本の3倍も4倍も値段が高い)日本食材はありましたが、純粋なアメリカの地元スーパーでも売られている品を少しご紹介しましょう。

ゆずこしょういわゆる味噌、醤油、豆腐,海苔、お米、お寿司を作るのに必要なワサビなどは、インターナショナル食品売り場にあります。でも、お菓子売り場には、日本のポッキーやハイチュー、えびせんがしっかり並んでいるのは、嬉しいびっくりです。
また、醤油やポン酢までならわかるのですが、いわゆる「通」が使いそうな「ゆずコショウ」までうっているのには驚きました。一体、誰が買うのでしょう? 日本人を相手にしているとは思えません。一般のアメリカ人が買っていくのでしょう。

寿司デモ02アメリカ人に聞いてみると、パーティーをする時には必ずと言って良いほど、お寿司がメニューに加わると言います。自分でお寿司を作るのだそうです。えー? 自分で? 材料はどうするの? サーモンやマグロの新鮮な物を買ってきて、自宅で作ると言います。私は、生ものを扱うお魚屋さんの鮮度がちょっと気になりましたが、ふんふん それでどうやって作るの? 酢飯はどうやって作るのかな? 炊飯器はあるのかな? お寿司と言えば酢飯が無いと始まらない、と思っていた私は興味津々で聞きました。

すると、簡単にするには、生のお魚を海苔で巻いて、ワサビ醤油にデイップして食べると言います。つまり、「シャリ抜き」の手巻き寿司みたいなものですね。お寿司とお刺身の違いが分かっていないアメリカ人が多いのですが、こうして日本食が伝統的な形とは少し違って変化しながらアメリカに広がって行くのだな、と感じました。

パーティーの時にお酒のおつまみは色々ありますが、ポッキーが出て来たりすると、日本の食品もアメリカにしっかり根を下ろして来たなと感じます。ハイチューが大好き、という子供も多いです。美味しいものは世界中の誰でも分かるのだな、と改めて感じました。

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2024年09月17日

【From America】「コネチカット州の大洪水」

洪水アメリカのウインドゲイト緑です。

日本は台風のシーズンで、次から次へと台風が襲ってきて、交通機関にも大きな影響が出て電車が止まったり、飛行機がキャンセルになったり、洪水の被害に見舞われるというニュースが多いこの時期です。

私の住んでいるアメリカのコネチカット州に、8月の下旬に前代未聞の大雨が来て大洪水になりました。
私にとっては、生まれて初めての大洪水でした。台風でもハリケーンでもなかったのですが、大量の雨が降り排水が間に合わず、短時間に川が氾濫して、町の低い場所が洪水になり、車で移動する人が帰宅途中に動けなくなり、車からやっとのことで脱出したにも関わらず、流されて命を落とす、などの痛ましいニュースが飛び込んできました。今回の水害はとても狭い地域に限られていましたが、アメリカではカリフォルニア州で毎年起こる大きな山火事やハリケーンの災害など、様々な大災害が大規模で起こります。

今回の水害復旧作業が今でも続いていますが、なかなか進まないのが現状です。アメリカにはFEMAという組織があります。Federal Emergency Management Agency(米国危機管理庁)という名前で、山火事、台風、竜巻、などの天災による被害が起った時にその力を発揮してくれる組織です。しかし、今回のような限られた場所に起きた天災にFEMAが出てきてくれるのか? というのが人々の会話に良く登場します。

いざというときの保険ですが、火災保険は加入していても「水害保険」に入っている人は皆無です。ということは、今回の被害の復旧は全て個人がお金を出さなければなりません。個人の家も勿論ですが、商店の建物も古いものが多く、今回の被害で建て直しを強いられた場合に、新しい建ぺい率が採用されると元のサイズの建物が建たなくなり、大きな不便を強いられることとなると途方に暮れる人々が多くいます。新しい物を建てる前に、とにかく土砂と壊れた建物の片づけが優先されるのは言うまでもありません。

FEMAのような公的な組織のヘルプは助かりますが、どこの国も同じで公的な支援はなかなか時間がかかります。その点、地元の人たちの助け合いは、そこに居る人たちですぐに出来るので大きな救いになります。元々ボランティア活動、ボランティア精神が盛んなアメリカでは、近所の人たちの助けは勿論、全く知らない人でも困っている場面を見たら、すぐに手を差し伸べるアメリカ人の気質は感動ものです。

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2024年09月14日

ビュッケブルグ歳時記 328

この頃のドイツ


 人権が重要視される民主主義が行き渡っていると思われるこの国の様子をお伝えしたいと思って続けてきたBlogなのですが、この頃耳に入るニュースからは、ドイツは何となく世界の歩みの後を行っているような気がします。

 例えば、製造も売り上げも世界で一番大きいと言われてきたVW(フォルクス・ワーゲン)社が、節約計画、または閉社のための労働者への解約条件などを発表したというニュースを聞くと、驚くのはわたし一人ではないと思われるのです。

 今までは中国で一番売れていたVW車は、中国の電気自動車の供給要望に応える製造に遅れをとって、中国での販売はほとんどゼロになったということです。


 この遅れ現象は二つの要素 を持っているように思われます。一つは地球温暖化に抗する電気自動車の重要性 ともう一つはドイツは地球温暖化をそう重要に考えていなかったということを表していると言っても良いとも思われるのです。

 アウト・バーン(高速道路)のスピード制限もせず、電気自動車の発展、売買にも努力をしなかった政治がこのような結果となって、直接に自動車工業労働者の未来に、間接にはドイツの国の経済に大きく影を作る結果となっているように思われるのです。


 フォルクスワーゲン社が中国から引退をする羽目になったことの次に来るのは、ドイツのどこかのフォルクスワーゲン生産会社の閉鎖ということにつながると見ての処置が先週末の新聞に発表されていました。

 会社というと、この国では労働組合が大きな関係を持っているのですが、今閉鎖が身近に迫っているVW会社の一会社では「一週間に4日間労働する」という案が取り上げられているということです。


 そして9月10日には、フォルクスワーゲン社は過去30年間有効であった雇用保護」が無効になることを発表したと新聞に載っていました。このことは2025年から有効で、VW社は条件なして雇用労働者を解雇できるということを意味するということだと思います。世界1であった自動車会社がこんな羽目になるとは・・


 わたしの住んでいる地域は小都市の中級の地区なのですが、今までになく大きな車が軒並みにずらりと並んでいるのです。注意してみると1軒に二台の車というのも珍しくなく、両方とも大きい車というのも目に入ります。

 政治、経済だけに責任を押し付けずに、市民も環境を良くすることに気をつけなければ、と思わせられる情景です。

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2024年08月24日

ビュッケブルグ歳時記 327

ドイツ国と国教キリスト教について


 アメリカはもとよりヨーロッパのほとんど全部の国はキリスト教だと思われます。ドイツもそのとおりで、旧(カトリック)・新(プロテスタント)教に分かれていますがキリスト教が国教です。

 国と教会は ”別個のものである” とされているにもかかわらず、ドイツでは国が教会に年ごとに500Millionen ユーロを支払っているのです。
 
 今回はこの、世界中でまたとないと思われる教会税という組織と、その現象と由来、結果をお伝えしてみます。


* 現在の教会の主な収入源は ”教会税” です。この国では教会に席を置く市民は収入税の8ー9%を教会税として支払うことが義務なのです。
 注意していただきたいのは収入税の8ー9%(この額はもちろん収入の多い人は多額で少ない人は少額)であって、収入税ではないのです。国民で教会に席をおく勤め人は、毎月、給料の中から引かれる収入税の中から8ー9%の教会税を払わせられているのです。

* わたしの耳に入る「教会に席を置くということは教会税を払うということ」という国は世界中でドイツだけであろうという噂は多分本当のことだと思います。

* 何故、このような規律になったかは200年前の歴史に戻り、ローマ帝国が主として南ドイツ地方を牛耳った時に、土地を奪われた君主達が教会の裕福さに気がつき、そのような土地の教会の所有権を奪い、教会財産の国有化を図ったことから、教会が補償を要求したということがきっかけということです。

* 国と教会の結び合いにはどのような方法があるのか?
 この問いに対して「教会に属しているかいないかは問わず、教会税を払うという意見には反対」という意見が多いということです。

* この制度を止めることは、もう長い間試されているのだが、止めることは今までできなかった、というのが実情のようです。
 現在のアンぺル連合党も中止案を出しているそうですが「かかる費用が多すぎる」ということで、実行までには行きつかないということです。

* 原因がこの教会税のためと決めつけることは出来ないと思いますが、2023年にはカトリックでは359000人が、プロテスタントでは280000人が教会から席を抜いたということです。
 このことは、たとえば独身者の場合は未来にあるかもしれない結婚式を教会で行うことは不可能で、葬儀の道も断たれたということを思うと国家と教会の在り方に疑問が湧きます。


 そしてこの教会税を支払わなくてはならない義務が、教会脱出の原因となり、世の中が不景気になっている今、教会脱出者の数が多くなっているのが現状なのです。

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2024年08月13日

【From America】「飲酒運転の罰則」

アメリカのウインドゲイト緑です。

お酒を飲むことは楽しいことですね。自宅で飲んでいるのなら問題ありませんが、外出先で飲むと、家に帰る時の交通機関が問題になるのがアメリカの生活です。日本のように電車やバスがあれば、沢山飲んでも安心ですが、自家用車での移動となると、選択肢は仲間の誰かがドライバーになり「今日は私が運転手になるから飲まない」と決めておかない限りは、帰る時になって、さて、どうしたものか??と悩むことになります。

お酒を飲んでしまったら、車をお店に置いてタクシーやウーバー(ウーバーイーツではなくて、車の送迎サービス)で帰宅する方法もあります。しかし、ビールやワインをちょっと飲んだだけだから大丈夫、と運転して帰宅してしまうお客様も多いと聞きます。

さて、飲酒運転をして、もし警察に見つかり、罰則を受けるとどうなるのでしょうか? 勿論罰金や運転免許の一時停止を余儀なくされるのですが、アメリカは車社会です。どこに行くにも車がない事には全く動きが取れません。そんな時には、裁判所に訴えを起こして、「私は仕事に行くのに、どうしても車が必要です」と事情を訴えるそうです。確かに、仕事に行かれないとお金がもらえないので生活に支障をきたします。そんな時には、裁判所の判断で、車に『息を吹きかけて、アルコール濃度を測る装置を取り付けて、アルコールが検出されなければ、車のエンジンが作動する』という処置をするそうです。勿論、自宅と仕事場の往復のみ、運転が許される、というものです。

ちなみに、知り合いの友人がこの措置を受けて、現在仕事に通っている、というニュースを耳にしました。そこで私は、「本人ではない人が装置に息を吹きかけて、アルコール度はゼロになり車を発車させることも出来るのではないでしょうか?」と質問しました。
すると、その答えは「そういう事も想定して、運転中に赤信号で停まった時などにランダムに息を吹きかけるように指示してくるから、本人であるかどうかはすぐにわかってしまう仕掛けになっているんだよ」と教えてくれました。なるほど、そういう仕掛けになっているのですね、と私は納得したのです。

運転車の自動運転装置の開発がどんどん進んでいますから、近い将来には、無事故の世界が誕生して、飲酒運転を取り締まるという事も無くなるのかもしれませんが、それまでの間、アメリカでは飲酒運転の取り締まりはこんな風に行われるのがしばらくは続きそうですね。

皆さん、くれぐれも安全運転でお願い致します。

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