2025年02月11日

【From America】「ラスベガスのスフィア」

アメリカのウインドゲイト緑です。

ラスベガスは常に新しいことに挑戦するエキサイティングな街です。日本の皆さんもラスベガスのイメージがどんどん変わってきているのではないでしょうか。古いイメージでは、マフィアが経営するなんとなく怪しげはカジノ。それが、エンターテイメントやコンベンションの場所にと変化してきました。カジノ街はべラジオの噴水ショーを始めとして、火山の爆発や海賊船のショーなどの無料エンターテイメントを提供してファミリーのバケーション場所に変わってきました。
次にはスポーツ観戦としてアイスホッケーやフットボールなどのスポーツ観戦施設の建設。また普通の道路を使って行うF1レースの開催。そして、スフィアと呼ばれる球体の大型アリーナです。世界初と言われる最先端の4D技術を駆使して作られたエンターテイメント空間と言われています。外側のスフィアを見るだけでも球体全体が様々な模様を映し出してくれるので、見ているだけで楽しいです。今はラスベガスの新しいシンボルになっています。

spher movie今回、運よくスフィアで開催中の映画の切符を手に入れることが出来たので、「Postcard from earth」という映画を観ることが出来ました。スフィアの中に入るのは初めてですから、一体どんな構造なのか興味深々でした。私の中では大きな映画館や大型アリーナの座席を想像していました。中に入ると映画館の座席よりはずっと急な階段を上って座席につくのですが、その角度のきついことで一瞬めまいを感じます。急な傾斜に設置された座席は前の座席の人の頭が邪魔することなく目の前の画面が見られるので、うーん、なかなか良い眺めで映画がみられるだろう、とワクワクしてきました。

映画が始まると、目の前の画面に映し出された画像は普通の映画館と同じかな? と思ってると、直ぐに球体の壁が画面に早変わり。天井から左右の壁までがスクリーンに変わり、正にその場所に実際に居るような錯覚に陥るほどリアルです。教会の建物の中にいる場面では、天井の細工から左右のステンドグラスまでが映し出され、映画館では前の画面をみるだけなのに、スフィアの中では上を見たり、左右を見たり、首を動かしてその場にいる臨場感を味わえます。海の中の魚の様子を映し出せば、自分が本当に深海に居ることを感じさせます。上の天井の画面には水面の向こうに太陽が光っていて、ああー、自分は海の底にいるのだな、と感じます。大森林の画面では左右に強大な木々が生い茂り、上を見れば木々の枝葉が生い茂っています。画面だけでなく、風が顔に当たったり、座席が動いたりするので、目と耳だけではなく、体感できる材料がそろっていて、本当にその場所に居る感覚になります。

この感覚は本当に生まれて初めての体験でした。旅行はその場所に行くことによって、TVや映画で見るのとは一味も二味も違った体験を味わえるのが「本物」の醍醐味です。でも、このスフィアでの画像を見ていると、「旅行しなくてもその場所に行った体験が味わえるな」と感じました。年齢を重ねた方々は、世界各国の観光地に行く体力はない。空を飛ぶなんて若い時にしか出来ない。海に潜るなんてもう無理だ、と諦めているでしょうが、この技術が様々な映画館で使われるようになれば、そんな体験をこの空間の中で味わえるようになるのだろう、と技術の進化にびっくりした良い経験になりました。

日本の皆さんも機会があれば是非ともスフィアの映画を一度体験してみてください。

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2025年02月04日

【From America】「無人運転手タクシー」

アメリカのウインドゲイト緑です。

日米共に運転手が車に乗っていなくても、自動で運転してくれる車の実用化に力を入れていますね。私もニュースでは知っていましたが、実際にその車を見たり乗ったりする機会がありませんでした。

Zoox久しぶりにラスベガスに来たのですが、信号で止まっていると周りにZoox社の車が私の車の隣や前に止まっていました。車両の前後に大きなレーダーみたいなものが付いていることと、Zooxという名前から、これはカリフォルニア州に本社のあるZoox社がラスベガスの情報を集めるために街中を走っているのだろう、と想像しました。この会社は赤外線センサーで様々な画像を収集しているようです。

日本でも無人の小型バスなどを実用化しようとしていることはニュースで知っていましたが、今回ラスベガスに来た時にウーバー(日本にはウーバーイーツしかありませんが、タクシーのGOのアプリのようなもので、行き先を指定すると迎えに来てくれるサービスのことです)で空港までの送迎をお願いしたところ、テスラ社の最新の車が来てくれました。運転手さんは乗っているものの、手放しで全てを運転してくれるのです。

このウーバーのドライバーさんによれば、自分はトラックの運転手をしていたが、脳卒中になってしまい仕事を変更せざるを得なくなったそうです。確かに右手が不自由な運転手さんでした。後ろの座席に座っている私に、「見てごらんなさい。様々なカメラが車の前後、周りの道路や建物、更には歩行者までが様々な画面に映し出され、車の中に居ても画面を見るだけで、すべて分かるんだよ」「僕は手放しで、車がひとりで運転してくれるんだ」と本当にハンドルから手を放して見せてくれました。「何かあって、自分でコントロールしたいと思えば、この自動運転を解除して自分でハンドルをコントロールできるんだ。僕は左手は十分に利くからね」というのです。私にとっては自動運転の車に乗ったのは初めてのことだったので、興味深く見せてもらいました。

ニュースで聞いている自動運転の話は、SF映画のようでもあり、将来は実用化されるだろうけれど、それまで私は生きていないだろう、くらいにしか考えていませんでした。しかし、このウーバーの体験から、そんなに遠くない将来に無人の自動運転タクシーは実用化されるだろうと感じました。

何事も日進月歩でどんどん進化しているのですね。

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2025年01月28日

【From America】「中国のお正月」

アメリカのウインドゲイト緑です。

日本の皆さんはそろそろお正月気分も抜けてきて、普段の生活に戻ったかとおもいます。ラスベガスでは、1月29日の中国のお正月の為のデコレーションが盛んです。日本では、横浜の中華街などではお正月のお祝いのイベントがありますが、日本全体の大きなお祭りにはなっていないと思います。
べえらーじお巳年一方でアメリカ、特にラスベガスではとても大切な時期で、中国からの旅行客が沢山やってきます。中国人はギャンブル好きの国民とも言われているので、カジノホテルにとっては中国からのお客様をおもてなしするのは非常に大切な仕事でもあります。

噴水ショーで有名なカジノホテルのベラージオには大きな植物園があり、一年に数回デコレーションが変わります。クリスマスの飾り付けが終わり、今は盛大に中国のお正月の飾り付けに変わりました。全てが生のお花で作られていることで有名なこの植物園の飾り付けはいつ見ても見ごたえがあります。
今年は巳年なので、巨大な蛇が飾られていますが、これが全て生の花で出来ているところが圧巻です。中国のシンボルでもあるパンダもお花で作られていて、華やかな飾りつけになっています。他のホテルでもこぞって中国のお正月をテーマにして、ロビーは巳年の蛇で飾られています。春節は1月29日から2月4日までの8連休には大勢の中国人がラスベガスを訪れることでしょう。

日本は外国の文化や祝い事を取り入れるのが得意で、クリスマスは勿論のこと、最近になって急に盛んになったものにハロウィンがありますね。アメリカは人種のるつぼと呼ばれる正に国際的な国で、日本以上に様々な外国のお祝い事を取り入れる姿勢はいち早く始まっています。中国のお正月は、多くの中国人がアメリカに住んでいることと、お正月の時期に中国本土からの観光客が多いことに起因していると思います。

日本でも節分が終われば、なんとなく春の訪れを感じる季節になります。寒い冬に早く終わりを告げて、初春を待ち望む梅の花やうぐいすの声が聞こえるのも目の前かもしれませんね。

ハッピーニューイヤー!

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2025年01月14日

【From America】「New Year’s Resolution」

アメリカのウインドゲイト緑です。

お正月は新しい年の始まりで、何か新しいことを始めよう、去年の悪い習慣を断ち切ろう、など一から出直す良い機会です。日本では、「お書初め」で、一年の抱負を掲げて筆で書き、その半紙を壁に飾って目標にする、という事も行われていました。
アメリカにも「ニューイヤーズ・レゾルーション」と呼ばれる新年の抱負を決めてそれに向かっていく、という習慣があります。多くの人は「今年こそ ダイエット」「今年こそ 禁煙」「今年こそ 禁酒」みたいな内容を掲げるようです。

さて、最近よく聞かれる言葉に「Dry January」という言葉があります。このドライとはお酒を飲まないという意味です。突然 禁酒と言っても全くゼロにするのは難しいので、1月中だけ頑張ってみよう、というハードルを低く設定した新年の抱負です。
クリスマスそして新年とお酒を飲む機会が多くて、最近飲みすぎたな、と反省している人は多いはずです。アメリカのクリスマスは日本のお正月のように家族の集まりですが、一方大晦日は友人たちと大いに盛り上がって騒いで飲み明かす、というのがアメリカ式です。従ってアメリカの元旦は、二日酔いの回復日に当てる、というのが一般的です。アメリカは1月2日からは通常通りに仕事が始まるから、大晦日はホリデーシーズン最後のパーティーで楽しむ時なのです。

Dry Jan.そんな習慣の違いが、このドライ・ジャニュアリーという言葉を生んだのかもしれません。あちこちで、カクテルの代わりにアルコールゼロの「モックティル」という飲み物をメニューに加えているレストランも多いです。アルコールゼロでも気分だけはお酒を飲んでいる気持ちになれるのがこの「モックテイル」です。日本ではノンアルコールビールが盛んですが、アメリカにはノンアルコールのウイスキー、ジン、テキーラ、シャンペン、ワインなど各種のアルコール飲料のノンアルコール版があります。

甘い物好きの私は、1月だけ甘いものを絶つ、というのをやってみようかな? と思いますが 果たして1か月も続くかどうか? 自信がありません。
皆さんの新年の抱負は何ですか?

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2025年01月11日

ビュッケブルグ歳時記 335

Boellern ー爆音花火ー による新年!


 皆様、良い新年をお迎えになられたことと思います。

 日本では、遠近の除夜の鐘を聴きながら静寂な夜の後、新年を迎えるという印象なのですが、ドイツの新年は大晦日の24時に Boeller と言う爆音の大きい各種(ほとんどが地上の向けてではなく、空に向けて打ち上げる)の花火を庭や道路で空に向かってあげて、その爆音と夜空に破裂する色、形の様々な花火とともにやってくるのが新年なのです。

 クリスマスが終わった後直ぐに、売れ残りのクリスマス用品が片付けられた商店の売り場には、さまざまな形・色の花火が並べられます。箱に入った大きな図体の花火です。この花火の歴史は17−18世紀にさかのぼり、男性貴族が白い付け髪をつけて自分の持つ支配力、財産、権力を周囲に見せつけるために打ち上げた花火が、その元だということです。

 そして、現在のこの花火は12月28日以後に18歳になった客にしか売ることができないし、火をつけることの許可もされていないということです。これに反した場合の罰金は5000ユーロという大金だということです。


 前後してしまいますが、現在の12月31日はドイツの若い層にはパーティ日なのです。夕方から友達同士が集まって、飲んで、食べて、踊ってと楽しんで、新年を待つのです。そして24時になると外へ出て、買いためておいた花火をあげて新年を祝うのです。最後の12月31日は都会の街路も住宅街の路地も全て大晦日花火に占領されるのです。

 この時の花火は普通、2階建ての家よりも高く揚がるものが多く、出る音も大きく、光る密度も大きく、鑑賞に値するものですが、この感覚は若い人たちのもので静寂を尊重する年老いた市民達にはその反対の効果となるのかもしれません。歳の多い市民の賛意が少ないためか、今年の調査では59%の市民がこの花火爆発大晦日の取りやめに賛成しているということが新聞載っていました。


 最後に、今の Scholz 首相は「その年の最後の日が無くなるという感覚には、自分としてはついてゆけない」という感想だということです。首相も花火をあげて、最後に国歌を口ずさみたいのだと思います。

 今年も読んで下さると嬉しいです!

aokijuku at 00:30|この記事のみを表示コメント(0)
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