【ドイツ在住ピアニスト】
2023年10月28日
ビュッケブルグ歳時記 307
女性の社会進出
民主主義の国々では人権を重んじ、その中には男女の同権が薦められている現在だと思われますが、日本での男女同権はドイツに比べて相当遅れているように思われます。
この国の国会の写真を見ると、地味な暗色の背広と同じくらいの女性服が見られ、女性議員の進出が多いと思われるのです。
このような時代に、先週フランクフルトで行われた、世界最大と言われる IG Metall労働組合の組合長選出の選挙で 96%の賛意を得て55歳の Christiane Benner さんが選出されたのです。女性組合長選出は組合創設132年以来のことということです。
エネルギーが工業国の最大の問題になっている今、この役についた彼女の抱負や計画をお知らせしてみます。
* 彼女の学歴は社会学を学んだ後、アメリカに渡りBacheler(学士)をとった後、フランクフルトのゲーテ大学卒業証明書を得た後、1997年に組合に入り、今年までの最後の8年間は副会長を務めたということです。
* 「組合長となることはとても嬉しいこと。これからの仕事はインダストリーを Klimaneutral ( Klima は気候、風土、neutral は中立ということだと思うのですがインダストリーと合わせると、風土と合致したとでも訳するのがいいのか、わからないのです。申し訳ありません!)とすることが第一の仕事である。そしてこれは会社と労働者が一体にならなければ出来ないことなのである。
* この問題の第1として、現在この国の金属工業が電気代の高いことで窮地に陥っているのだがその解決策として、政府の計画 ”みどりのエネルギー” になる2030年までは橋をかけるような気持ちで、その時々にあった電気代を支払う様式をとって行きたい。
* またIGMetallは大企業だけではなく小中企業や鍛冶屋を重要視し、創設や賃金についての手伝いを惜しまない。
* 新しい組合員を増やす策としては「1週間32時間労働」を第一に掲げる。この策は現在パートタイムで働いている若者や女性労働者に魅力を持たせるだろう。
* またドイツの電気自動車購買の報奨金受け取り期間が短か過ぎると思われるし、充電装置の装備にも不満があるので、ここの解決にも力を惜しまない」
ここに挙げた事項はほんの僅かで満たない事項だと思われますが、このような改革が工業国ドイツの組合、長が女性の組合から実現される可能性を考えると、民主主義の発展、女性の地位の発展を願うのはわたしだけではないと思われます。
民主主義の国々では人権を重んじ、その中には男女の同権が薦められている現在だと思われますが、日本での男女同権はドイツに比べて相当遅れているように思われます。
この国の国会の写真を見ると、地味な暗色の背広と同じくらいの女性服が見られ、女性議員の進出が多いと思われるのです。
このような時代に、先週フランクフルトで行われた、世界最大と言われる IG Metall労働組合の組合長選出の選挙で 96%の賛意を得て55歳の Christiane Benner さんが選出されたのです。女性組合長選出は組合創設132年以来のことということです。
エネルギーが工業国の最大の問題になっている今、この役についた彼女の抱負や計画をお知らせしてみます。
* 彼女の学歴は社会学を学んだ後、アメリカに渡りBacheler(学士)をとった後、フランクフルトのゲーテ大学卒業証明書を得た後、1997年に組合に入り、今年までの最後の8年間は副会長を務めたということです。
* 「組合長となることはとても嬉しいこと。これからの仕事はインダストリーを Klimaneutral ( Klima は気候、風土、neutral は中立ということだと思うのですがインダストリーと合わせると、風土と合致したとでも訳するのがいいのか、わからないのです。申し訳ありません!)とすることが第一の仕事である。そしてこれは会社と労働者が一体にならなければ出来ないことなのである。
* この問題の第1として、現在この国の金属工業が電気代の高いことで窮地に陥っているのだがその解決策として、政府の計画 ”みどりのエネルギー” になる2030年までは橋をかけるような気持ちで、その時々にあった電気代を支払う様式をとって行きたい。
* またIGMetallは大企業だけではなく小中企業や鍛冶屋を重要視し、創設や賃金についての手伝いを惜しまない。
* 新しい組合員を増やす策としては「1週間32時間労働」を第一に掲げる。この策は現在パートタイムで働いている若者や女性労働者に魅力を持たせるだろう。
* またドイツの電気自動車購買の報奨金受け取り期間が短か過ぎると思われるし、充電装置の装備にも不満があるので、ここの解決にも力を惜しまない」
ここに挙げた事項はほんの僅かで満たない事項だと思われますが、このような改革が工業国ドイツの組合、長が女性の組合から実現される可能性を考えると、民主主義の発展、女性の地位の発展を願うのはわたしだけではないと思われます。
2023年10月14日
ビュッケブルグ歳時記 306
教師教育について
しっかりした地球温暖化への対策もなく、ウクライナ戦争の終焉も見えず、産業発展の未来も暗い、発展国への、未発展の国からの避難民が多いなど、気が滅入るニュースの多いこの頃に、またイスラエルとハマスの争いが起こったという本当にガッカリする世情の今日この頃です。
このような状態の世界で極極小の市民のわたしに出来ることは砂粒より小さいものなのですが、新しいことを知ることには何かの益もあるかと思われるのでドイツのこの頃の世情をお伝えしてみます。
この国では秋が新学期です。この頃の新聞に「最近の新学期の始まり授業は、”Quereinsteiger” によるものが多い」とあるのです。この Quereinsteiger という意味は”横から入って来た人”という意味で、本当の教師の資格を持っていない人、という意味なのです。
ドイツでは昔は牧師と市長と教師が村のいわゆる上級インテリ層だったのです。今でも Gymnasium(高校) の教師の地位は相当に高いのです。そういう社会で正規の資格のない人が教壇に立つということは、教師の数が少ないことや、移民の子供たちが多いことから生徒の数が増えていることが原因かと思われます。
こんな状況の中で、5年間の教職大学での勉学の中に、日本にはない(と思われる)ある段階があることに気づいたのです。
”Referendarzeit“ ー 試補見習(第1次の国家試験に合格し、Assessor になるための見習い期間)と辞書にあります ー と呼ばれる”試補見習機会”がついているのです。この期間がついているのは教職大学の他に法科だけだと思います。この期間についての少し詳しいことは次のとおりです。
* 期間は18−24ヶ月。この国では教育は州の担当なのでこのように異なる。
* 臨時聴講2−6ヶ月。教師の授業を観察する期間。
* 次の段階は自分が教師となって授業を行う。
* この後は教師としての役目 ー 授業内容を組み立て、試験問題を作成し、採点もする。
* そして最後にこの試験に合格することは第二時国家試験合格と同じようにみなされる。
このような実習教授法は日本にはないように思われましたので簡単にお知らせしてみました。
今年の新学期には全国で709000の教師のうち60800人が正式な資格を持たない教師として教壇に立つ結果になったと、この国の教師教育の衰退を嘆くという、この国にとってはここもまた望みの少ない事態のように思えます。
他の事柄を勉強した人々の教授法が良い方向に向かうことを願いつつ・・・
しっかりした地球温暖化への対策もなく、ウクライナ戦争の終焉も見えず、産業発展の未来も暗い、発展国への、未発展の国からの避難民が多いなど、気が滅入るニュースの多いこの頃に、またイスラエルとハマスの争いが起こったという本当にガッカリする世情の今日この頃です。
このような状態の世界で極極小の市民のわたしに出来ることは砂粒より小さいものなのですが、新しいことを知ることには何かの益もあるかと思われるのでドイツのこの頃の世情をお伝えしてみます。
この国では秋が新学期です。この頃の新聞に「最近の新学期の始まり授業は、”Quereinsteiger” によるものが多い」とあるのです。この Quereinsteiger という意味は”横から入って来た人”という意味で、本当の教師の資格を持っていない人、という意味なのです。
ドイツでは昔は牧師と市長と教師が村のいわゆる上級インテリ層だったのです。今でも Gymnasium(高校) の教師の地位は相当に高いのです。そういう社会で正規の資格のない人が教壇に立つということは、教師の数が少ないことや、移民の子供たちが多いことから生徒の数が増えていることが原因かと思われます。
こんな状況の中で、5年間の教職大学での勉学の中に、日本にはない(と思われる)ある段階があることに気づいたのです。
”Referendarzeit“ ー 試補見習(第1次の国家試験に合格し、Assessor になるための見習い期間)と辞書にあります ー と呼ばれる”試補見習機会”がついているのです。この期間がついているのは教職大学の他に法科だけだと思います。この期間についての少し詳しいことは次のとおりです。
* 期間は18−24ヶ月。この国では教育は州の担当なのでこのように異なる。
* 臨時聴講2−6ヶ月。教師の授業を観察する期間。
* 次の段階は自分が教師となって授業を行う。
* この後は教師としての役目 ー 授業内容を組み立て、試験問題を作成し、採点もする。
* そして最後にこの試験に合格することは第二時国家試験合格と同じようにみなされる。
このような実習教授法は日本にはないように思われましたので簡単にお知らせしてみました。
今年の新学期には全国で709000の教師のうち60800人が正式な資格を持たない教師として教壇に立つ結果になったと、この国の教師教育の衰退を嘆くという、この国にとってはここもまた望みの少ない事態のように思えます。
他の事柄を勉強した人々の教授法が良い方向に向かうことを願いつつ・・・
2023年09月23日
ビュッケブルグ歳時記 305
終末ーRudi によって希望が戻ったーNagelsmann が建て直してくれる!
これが9月9日に行われた日独親善のサッカー試合で4:1で日本に負けてしまった後に新聞を賑わせた表題です。
サッカー競技はしばらくの間はドイツは強くて、国技として誇らしく扱われていたのですが、少し前からもっと強い国がー日本のようにー出てきて対策が考えられていた所だったのです。
Blog 257に書いたようにしばらくの間、ドイツに勝利をもたらせていた連邦監督Yogi が引退した後、副監督だったHansi Flick が昇格していたのですが、その時から約5年間、成績が下がってきて、今回の対日本戦での敗北には選手だけではなく国中が大きくため息をつき、失望していたのです。
今回計画されていた親善試合は、対日本の後、対フランスも計画されていたのです。4:1という惨めな成績をみたサッカー協会は、敗北の次の日の10日、日曜日に早速 Flick を解雇しました。
そして対フランス戦の監督にはRudi Voellerという、昔の英雄(?)を起用したのです。この ”Rudi” と呼ばれて今でも国民から親しまれている人とは、63歳になる昔のサッカー選手なのです。
77ー96年の間は独 仏 伊国のチームで技を磨き、1999年にはドイツを世界選手権戦で一位にした功績のある人ということです。
2002年に日本/南コレアで行われた大会ではドイツは最後まで残りブラジルと戦い0:2で敗れ、残念ながら2位となったそうですが。
このような経過を経て、現役を引退後は、監督役を務めたり、サッカー協会の役員も行っている人なのです。
そして髪も髭も真っ白になった、”ドイツのサッカーの救い主 Rudi” の指導により、 今回も世界選手権2位を持つフランスとの親善競技に2 : 1 で勝つ結果になったのです。
”希望が帰ってきた” と選手たちだけでなく、国民もホッと息を吐き、将来のサッカー競技に希望を託している今日この頃です。
そして次の連邦監督としてほとんど決まりかけているのが、36歳のJurian Nagelsmann になるだろうと、ある新聞が報道しています。
その記事によると彼はすでに2024年にドイツで開かれる EM (ヨーロッパ選手権)までの契約を手にしていて、その契約によると月に400000 ユーロの契約になっているということです。(この額は前任者 Flick のもらっていた6Millionen には及ばない額であるが)とのただし書きがついています。
サッカーをめぐる契約の話になってしまいましたが、驚いたのはNeymar がサウジアラビアに移動し、シーズンごとに150Millionen をもらう契約だととの記事です。
競技と報酬の関係に驚くばかりです。
これが9月9日に行われた日独親善のサッカー試合で4:1で日本に負けてしまった後に新聞を賑わせた表題です。
サッカー競技はしばらくの間はドイツは強くて、国技として誇らしく扱われていたのですが、少し前からもっと強い国がー日本のようにー出てきて対策が考えられていた所だったのです。
Blog 257に書いたようにしばらくの間、ドイツに勝利をもたらせていた連邦監督Yogi が引退した後、副監督だったHansi Flick が昇格していたのですが、その時から約5年間、成績が下がってきて、今回の対日本戦での敗北には選手だけではなく国中が大きくため息をつき、失望していたのです。
今回計画されていた親善試合は、対日本の後、対フランスも計画されていたのです。4:1という惨めな成績をみたサッカー協会は、敗北の次の日の10日、日曜日に早速 Flick を解雇しました。
そして対フランス戦の監督にはRudi Voellerという、昔の英雄(?)を起用したのです。この ”Rudi” と呼ばれて今でも国民から親しまれている人とは、63歳になる昔のサッカー選手なのです。
77ー96年の間は独 仏 伊国のチームで技を磨き、1999年にはドイツを世界選手権戦で一位にした功績のある人ということです。
2002年に日本/南コレアで行われた大会ではドイツは最後まで残りブラジルと戦い0:2で敗れ、残念ながら2位となったそうですが。
このような経過を経て、現役を引退後は、監督役を務めたり、サッカー協会の役員も行っている人なのです。
そして髪も髭も真っ白になった、”ドイツのサッカーの救い主 Rudi” の指導により、 今回も世界選手権2位を持つフランスとの親善競技に2 : 1 で勝つ結果になったのです。
”希望が帰ってきた” と選手たちだけでなく、国民もホッと息を吐き、将来のサッカー競技に希望を託している今日この頃です。
そして次の連邦監督としてほとんど決まりかけているのが、36歳のJurian Nagelsmann になるだろうと、ある新聞が報道しています。
その記事によると彼はすでに2024年にドイツで開かれる EM (ヨーロッパ選手権)までの契約を手にしていて、その契約によると月に400000 ユーロの契約になっているということです。(この額は前任者 Flick のもらっていた6Millionen には及ばない額であるが)とのただし書きがついています。
サッカーをめぐる契約の話になってしまいましたが、驚いたのはNeymar がサウジアラビアに移動し、シーズンごとに150Millionen をもらう契約だととの記事です。
競技と報酬の関係に驚くばかりです。
2023年09月09日
ビュッケブルグ歳時記 304
性別問題・・・All Gender Toilet
という写真付きの「今日のテーマ」という記事が、8月末の新聞に載っているのが目につきました。
この記事の内容をお伝えしてみます。
この記事の副題は ”性別:自らの決断” で、連邦政府のアンペル連合党は14歳になった少年少女は自分の性別を決定することが可能という新しい案で、1980年からの法の更新案を議会に提出したとの内容です。
その内容とは:
* 今までの男女という2元規則では性別を変える場合、心理学者の鑑定書や裁判所の判定が必要であった。これらを得るには長い時間、精神的な心理状態の暴露や膨大な経費が必要であった。
* どの点を変えるかというと、上記のように医学的にも、精神的にも長い時間をかけた経過がなくても、本人の希望と確言があり、それを戸籍役場に登録すれば性の変更が認められる。
* 未成年者は自己の性別を自分ですることは出来ない。しかし保護者が性別変化の理由を戸籍役所に届ける場合は可能である。
14歳以上の場合、その両親や保護者が子供の意に反対することは出来ない。それが出来るのは少年保護局と家庭裁判所。
* 保守党派の意見は、この法規が通ると、さまざまな濫用が蔓延ることが心配になる。例えば男に生まれた人物が偽りの女性になって婦人用の着替え室や婦人専用救助家に入り込んだりすることで、女性を守る場所や機関などが脅かされる恐れあり、との意見が多くある。
* これらのいわば反対意見に対してのアンペル連合党の反応は、新しい法律には1年間の停止期間をもたせることを主張している。これは家宅不可侵権が性を変えた人間の要求より重いことを意味する。
* この新しい法規に当てはまる Lesbe (女性の同性愛者)、Schwule (ゲイの)、bisexuelle (両性の)などの人たちの反応はとても大きく、1日も早く議会を通ってくれるようにとの賛成意見が挙がっている。
日本ではまだ同性間の結婚は認められてていないと思いますが、この国ではすでに、普通の結婚と同じ条件での結婚が認められているのです。
この記事から思いつくのは人権ということです。去年の日本の新聞で、男性から女性になった人の女子大学への入学の是非を読んだことが思い出されるのです。
憲法では教育は全国民に与えられた機関だと思います。その機関に受け入れられない性変更者の未来が少しでも早く好転するようにと思いながらのBlogです。
という写真付きの「今日のテーマ」という記事が、8月末の新聞に載っているのが目につきました。
この記事の内容をお伝えしてみます。
この記事の副題は ”性別:自らの決断” で、連邦政府のアンペル連合党は14歳になった少年少女は自分の性別を決定することが可能という新しい案で、1980年からの法の更新案を議会に提出したとの内容です。
その内容とは:
* 今までの男女という2元規則では性別を変える場合、心理学者の鑑定書や裁判所の判定が必要であった。これらを得るには長い時間、精神的な心理状態の暴露や膨大な経費が必要であった。
* どの点を変えるかというと、上記のように医学的にも、精神的にも長い時間をかけた経過がなくても、本人の希望と確言があり、それを戸籍役場に登録すれば性の変更が認められる。
* 未成年者は自己の性別を自分ですることは出来ない。しかし保護者が性別変化の理由を戸籍役所に届ける場合は可能である。
14歳以上の場合、その両親や保護者が子供の意に反対することは出来ない。それが出来るのは少年保護局と家庭裁判所。
* 保守党派の意見は、この法規が通ると、さまざまな濫用が蔓延ることが心配になる。例えば男に生まれた人物が偽りの女性になって婦人用の着替え室や婦人専用救助家に入り込んだりすることで、女性を守る場所や機関などが脅かされる恐れあり、との意見が多くある。
* これらのいわば反対意見に対してのアンペル連合党の反応は、新しい法律には1年間の停止期間をもたせることを主張している。これは家宅不可侵権が性を変えた人間の要求より重いことを意味する。
* この新しい法規に当てはまる Lesbe (女性の同性愛者)、Schwule (ゲイの)、bisexuelle (両性の)などの人たちの反応はとても大きく、1日も早く議会を通ってくれるようにとの賛成意見が挙がっている。
日本ではまだ同性間の結婚は認められてていないと思いますが、この国ではすでに、普通の結婚と同じ条件での結婚が認められているのです。
この記事から思いつくのは人権ということです。去年の日本の新聞で、男性から女性になった人の女子大学への入学の是非を読んだことが思い出されるのです。
憲法では教育は全国民に与えられた機関だと思います。その機関に受け入れられない性変更者の未来が少しでも早く好転するようにと思いながらのBlogです。
2023年08月26日
ビュッケブルグ歳時記 303
ドイツの学校休みについて
温暖化のためか高温度に晒された今年の8月を、苦もなく過ごしている生徒の夏休みを見ると、「休み」ということの意味が日本と違うように感じられるので、今回はこの国の学校休暇についてをお伝えしてみます。
”学校休暇” とはラテン語の ”feriae” = 祝祭日からきた言葉で、元気回復とか休養を意味し、これは勉強に励んだ生徒達への言わばご褒美を意味する言葉なのです。
教師側へに見方は、休暇ではなく”授業無しの時期” を意味し、さらに勉強をする期日、関係する会議に参加すべき機会、次の学期のための準備 をするための時期という休暇とは言えない日々を指しているのです。
歴史的に見るとドイツが工業国になる前は、多くの国民が農業に携わっていたので両親の畑仕事を手伝うために作られたのが学校休暇の始まりだということです。例えば5月ー6月には乾し草作り、次は穀物収穫、その後じゃがいも収穫と、子供を含めた全家族が農仕事をしていたわけです。
これはドイツだけでなく、オーストリアとスイスも同じだったので、学校休暇は今もこの3国が協力して決めているということです。
また北ヨーロッパの人たちがイタリア、フランス、ギリシャなどの南ヨーロッパに休暇のために車移動をする時の高速道路の混雑を避けるために、夏の休暇はドイツでは州ごとに日付をずらしています。
これはその年の休暇前の5−6年前に各州が話し合って決められるということです。
この国の学校休暇は1964年以来、1年に75日=15週間と決められています。そのうちの6週間が夏休みというわけです。
そしてここでも教師側には上記のように6週間という長い休暇が与えられているわけではないというただし書きがついています。 これは教師以外の勤め人が「教師業は休みが多くて羨ましい」とやっかむ世情に対する弁解説明のようにも聞こえますが。
具体的な休暇は次のようになっています。
* 秋休み。この国は新学期が秋に始まるのです。じゃがいも収穫休暇。
* クリスマス休暇。12月24日付近から新年1月6日まで。
* スキー旅行などの冬スポーツ休暇。この休暇がない学校では謝肉祭休暇など。
* イースター休暇。この春の休暇は長くて3週間。
* Pfingst ( ペンテコステ)休暇。この休みは短く、州によっては無いこともあり。
* 夏休み。6月半ばから9月の半ばまでの6−7週間。
* 「動く休暇」として、学校が決める短い休暇日。
お気づきかと思いますが、国教のキリスト教の祭日に添った学校休暇でもあるのです。
重要なことが最後になりましたが、「宿題は無し」です。古代ローマの feriae の真意に沿っているわけです。
勉学から離れてリラックスし、休養するのが学校休暇なのです!
温暖化のためか高温度に晒された今年の8月を、苦もなく過ごしている生徒の夏休みを見ると、「休み」ということの意味が日本と違うように感じられるので、今回はこの国の学校休暇についてをお伝えしてみます。
”学校休暇” とはラテン語の ”feriae” = 祝祭日からきた言葉で、元気回復とか休養を意味し、これは勉強に励んだ生徒達への言わばご褒美を意味する言葉なのです。
教師側へに見方は、休暇ではなく”授業無しの時期” を意味し、さらに勉強をする期日、関係する会議に参加すべき機会、次の学期のための準備 をするための時期という休暇とは言えない日々を指しているのです。
歴史的に見るとドイツが工業国になる前は、多くの国民が農業に携わっていたので両親の畑仕事を手伝うために作られたのが学校休暇の始まりだということです。例えば5月ー6月には乾し草作り、次は穀物収穫、その後じゃがいも収穫と、子供を含めた全家族が農仕事をしていたわけです。
これはドイツだけでなく、オーストリアとスイスも同じだったので、学校休暇は今もこの3国が協力して決めているということです。
また北ヨーロッパの人たちがイタリア、フランス、ギリシャなどの南ヨーロッパに休暇のために車移動をする時の高速道路の混雑を避けるために、夏の休暇はドイツでは州ごとに日付をずらしています。
これはその年の休暇前の5−6年前に各州が話し合って決められるということです。
この国の学校休暇は1964年以来、1年に75日=15週間と決められています。そのうちの6週間が夏休みというわけです。
そしてここでも教師側には上記のように6週間という長い休暇が与えられているわけではないというただし書きがついています。 これは教師以外の勤め人が「教師業は休みが多くて羨ましい」とやっかむ世情に対する弁解説明のようにも聞こえますが。
具体的な休暇は次のようになっています。
* 秋休み。この国は新学期が秋に始まるのです。じゃがいも収穫休暇。
* クリスマス休暇。12月24日付近から新年1月6日まで。
* スキー旅行などの冬スポーツ休暇。この休暇がない学校では謝肉祭休暇など。
* イースター休暇。この春の休暇は長くて3週間。
* Pfingst ( ペンテコステ)休暇。この休みは短く、州によっては無いこともあり。
* 夏休み。6月半ばから9月の半ばまでの6−7週間。
* 「動く休暇」として、学校が決める短い休暇日。
お気づきかと思いますが、国教のキリスト教の祭日に添った学校休暇でもあるのです。
重要なことが最後になりましたが、「宿題は無し」です。古代ローマの feriae の真意に沿っているわけです。
勉学から離れてリラックスし、休養するのが学校休暇なのです!