【ドイツ在住ピアニスト】

2022年01月08日

ビュッケブルグ歳時記 264

2022年はパンデミーの終わる年となるでしょうか?

 この問いに答えるのは新しい連立党SPD(社会民主党)の K.Lauterbach (ラウターバッハ)健康大臣です。彼は Duesseldorf 大学で Dr. Med を取った後アメリカに渡り Havard Uni. で Epidemiologie (流行病学)と 健康経済学を学んだ経歴を持つ学者で、パンデミーが蔓延っていらい、参考学者として新聞やTV のメデアで意見を発表してきた学者です。前期の政治では党が違っていたので、大臣の席はなかったのですが、昨年のSPDの勝利で健康大臣となったわけです。

 2021年のクリスマスも人間間のコンタクトは最小限に制限され、新年に向けての最後の日の夜半を彩る花火の饗宴も一昨年に続き禁止されて、寂しい静かなジルベスターを強いられた市民はパンデミー政治政策に不服も多く、クリスマスから新年かけての休日は多くの都市で接種反対などの反抗デモが頻繁に行われていました。

 新年になってオミクロン患者が増え、その対策に今は第一線に立って活躍している 健康大臣の考えと方法をお知らせしてみます。

* 今週の金曜日に開かれる閣僚会議では隔離期間を短くすることを決議する、との大臣に、質問者は懐疑の意を示したようですが、答えはオミクロンは感染者の体内に止まる時間はデルタヴィールス に比べて非常に短いので危険性はない。

* コンタクトに関する政策はこれまでと同様でこれを緩めることはできない。

* オミクロンはデルタ・ヴィールスよりも危険性が薄いと言われているが、残念ながらこれを証明するデータが少なすぎるので、確信には至らない。

* 再度、コロナとの生活に戻っての質問になるが、16の州のうち、5州が学校での普通の授業を始めたが、この件についての大臣の意見は「この国の教育は州に高権があるので自分としてはそれを尊敬し、口出しをすることはできない。
ただし流行病学者としては学校でのマスク着装義務の必要性は指摘する。ヴィールス感度が低いということはマスクを使用することで被害を防ぐことが大きい」との意見を言っています。

* 2022年の接種薬の供給は、毎週10Millionen Dosen を用意したので、この数の接種が可能である。Biontech は依然として不足がちなので30歳以上の男性には Moderna を使用している。

* 「連邦議会は接種義務を決議するか」との質問への答えは「下院議員としての自分の意見は18歳以上の国民には必要だし義務とすることは正しいと思う。これは杓子定規的ではなく記録簿などを使うことなく施行されるべきだ。

* 四回目の接種が必要となる可能性は自分としては高いと思われる。オミクロン・ヴィールスは今までの結果が70−80%と成功率が完璧でないから。

* 最後に、パンデミーが2022年に終わる可能性については「成功率はヴィールスの発展状態と、我々が行なっている接種運動の結果にかかっている。接種運動が成功すれば パンデミーはエンデミー(エンデ=Ende= 終わり)となり得る」

 この最後の項、パンデミーがエンデミーとなることは今は全世界の人たちの願いだと思います。
 パンデミーによって制限された自由を少しでも早く取り戻すためには、自分のためと世界の人間のために接種をするべきだと思います。
 いろいろな形の「自由」に気づき、そのあり方を考える時でもあるような気がします。


 今年がエンデミーとなる良い年になりますように願いながら・・・


aokijuku at 00:30|この記事のみを表示コメント(0)

2021年12月25日

ビュッケブルグ歳時記 263

オミクロンという巨大な波浪 !

 クリスマスも間近になって聖日を家族と共に祝おうとする雰囲気が満ちているにもかかわらず、パンデミーがその勢力を拡大して、この国を牛耳るかのような気配がある今日この頃のドイツです。
 南アフリカで発生したコロナヴィールスの異形オミクロンのことは日本にも報道されていると思いますが、この異形が爆発的に広がり、パンデミー第5波となって感染の速度と数で挑戦して来るとの報道に、国民だけでなく、新しい政府もその対策に苦労していることが報道されています。

 オミクロンは短い時間に多数の人に ー 接種者や全快者にも ー 感染することが特徴で、その結果が爆発的な感染者数となることは明白であり、この現象はこれまでの感覚とは違う次元として対策を計らなければならない。加えて、この国では国民成人者の接種者数が今一つという状態なので ー 上記の通り、接種者にも感染する ー オミクロン感染者の数が急増することは想像に難くない。 

 これらの状況に対する対策は、とりあえず「コンタクトを制限拘束すること」であるとして、12月28日以降は、私的会合は接種者及び全快者10名までを許可。接種をしていない人が混じる場合は、2名までと制限が非常に狭くなっています。
 そして来年の1月からはクラブやデイスコの開店は禁止。またサッカーの連邦競技は観客なしとする、などの人間同士の接触機会が狭められる対策が発表されています。

 ここで、起こるのは「オミクロン患者が出ているのなら、なぜ、このコンタクト制限を今、即刻始めないのか」という疑問だと思います。ロックダウンをしてしまえば損害が少なくなるのにと思うのです。
 ドイツはデルタ・ムタシオン までの対策を接種奨励でやり続けてきたのですが、この国の人にとって人権侵害は非常に重大なことなのだと驚くことが多いのです。
 例えば、接種奨励に反対者が多いのは、国家には全国民に接種執行を強制する権利は無いとして接種をしないのです。 

 少し話が飛びますが、12月半ばに、ザクセン、ブランデンブルグなどの旧東ドイツの州で、接種反対デモが行われ、政治家を脅したり、警察との撹乱が多くあったという事件があったのです。
 東ドイツにはコロナ感染者数の多い州が西に比べて非常に多いのです。そこから人間間のコンタクト制限や、その他の自由侵害規定も形が大きくなるわけです。それを個人の自由が侵害されるとして、接種反対者が多くなるという結果になっているのかもしれません。
 このような事件を聞くと、ドイツ統合はまだ完全に全うされていないのかと思ったりしたのですが、バイエルン州や隣のバーデン・ウエルテンブルグ州のような豊かな西の州でも接種反対者が多いということは、やはりデモクラシーの持つ人権尊重主義を重視する国だということに行きつきます。
 この事件を西側は「旧東ドイツの民主主義の文明社会に対する目覚め」として解釈し、話すことで理解を深めることが、長い期間、民主主義国家として過ごしてきた西側の義務であるという一政治学者の言葉で締めくくっています。                                                                                                                                  このような国がドイツ国なのです。


 この、残念ながらクリスマスらしくないブログで今年も終わります。
 この一年、わたしの文を読んで応援してくださった方々に心からの御礼を申し上げます。

ありがとうございました !


aokijuku at 17:48|この記事のみを表示コメント(0)

2021年12月11日

ビュッケブルグ歳時記 262

愛子プリンセスは女帝になるか?

 オミクロン対策や、昨日生まれた首相をはじめとする新内閣についてが、クリスマスを控えてのドイツの今の話題なのですが、視野を広げて少し柔軟なテーマを探したところ、12月1日に成年となられた愛子皇女の未来についての、ベルリン新聞の記事が目に止まりました。昔はこの国にも王族制があったのですが今は無く、世界で一番古い日本の世襲天皇制と、その存続をこの国がどうみているかをお知らせしてみたいと思います。
 インタービュー形式の記事の回答者は、日本学者で現在、自由ベルリン大学で教鞭をとっているSprotte 教授です。

* 日本では20歳が成人年齢で、何が与えられるのかとの質問に対しての答えは飲酒・喫煙・選挙権などの許可が与えられるが、愛子皇女には選挙権は与えられない。

* 選挙権だけではなく、彼女は現天皇の一人っ子なのに、天皇制を継ぐ権利も与えられていないようだがとの問いへの答えは、英国やその他のヨーロッパの王国では性別に関わりなく最初に生まれた子供が相続者であるが、日本では1947年に決められた天皇法規で王位継続者は男子のみと決められている。

* それでは現在の王位継承者の順位については、誰が継ぐのかとの質問には次のような答えがありました。現在天皇家系にあるのは17名で、内訳は男性5人に女性12名である。そこから現天皇死去の場合は弟が、次の可能性は弟の息子 Hisahito が後継者である。

* このように男性のみに資格が制限されているので、現在のところでは愛子皇女が天皇になる可能性は閉ざされている。

* 国民は、愛子皇女の天皇着位を望んでいるようだが、その可能性に対しては; ー 旧天皇 Akihito の退任と同じ ようにー 国会による法規改生が必要になる。2005年に改正の可能性があったのだが、その直後に、天皇家後継者として41年振りに、上記の Hisahito が誕生したので、取り止めとなった、との答えがありました。

* 日本の歴史には天皇は欠かせない事柄であるが、現在までに及ぶ126人の天皇のうち、10人は女帝であった。ただし権威が認められていたわけではなく、次の男性天皇の誕生までの繋ぎの役割りだったというのが歴史上の女帝の姿だったようです。

* それでは”女帝” という位置は現在の若い女性として、羨み、応募する価値のない職種(?)なのかという質問には次のような答えが読めました。このような周りから閉ざされた世界に住む皇族とは、”人権” さえ認められていないといえる。選挙もできず、職業を選ぶ権利も、苗字を選ぶこともできず、信じる宗教を決める自由も与えられていないのが皇族だとすれば、愛子皇女が女帝になることを拒む理由も理解できるのではないか、が答えとして読めました。

* そういえば、皇室の女性の健康状態の憂いに関しては、皇室の多くの妻女がうつ病になっている。高度の能力を持ち優秀な外交官だった雅子妃の例が顕著な例として挙げられています。

 最後に、このように数々の例を見ると日本の天皇制は制限の多い、こわい世界のように聞こえるが、日本を考えるときに天皇制のない日本は考えられない、と日本学者の S. 氏は言っています。
 天皇制継続のためにはさまざまな妨げになる困難があるとは思うが、それらの改善や破棄などを全うして、日本の天皇制は永続するだろうとの意見です。 


aokijuku at 18:50|この記事のみを表示コメント(0)

2021年11月27日

ビュッケブルグ歳時記 261

赤ー緑ー黄の新しい、連立チームによるドイツ国の誕生

 との見出しで、総選挙の2ヶ月後の今朝の新聞に、この国の新しい政権の連立契約書のおおよその中身が、期待を象徴する4人の代表者の笑顔と共に発表されました。
 温暖化対策、最低賃金の値上げ、エネルギー問題などが代表する政策の目的は”進歩前進”であり、”3党による小さな分母ではなく、成果が大きい政治”を目指しているとの次期総理大臣候補者SPD(社会民主党)のScholz 氏のコメントのついた政治構成事項が記事になっていますので、参考までに書いてみます。

* 財政関係 ー 借金についての条約は2023年まで余裕があるので、それを温暖化対策とエネルギーフォンズのために使う。
コロナによる負債返済期間は引き延ばす。
鉄道、促進銀行、不動産連邦事務所(現在、この国では普通のアパートがないことが大問題になっているのです) への貸し出しを多額にする。

* 健康、救護、薬物政策 ー 救護者には国からある期間ボーナスを支給する。
また 薬物に関しては成人に対するカナビス給与をライセンス化する。

* 交通 ー 残念ながら速度制限はFDP(自由民主党)の反対で実現しなかったが、2030年までに15Millionen の車を電動車にする。2035年にはEU が主張しているCO2ノイトラルの車だけにする。

* 経済関係 ー 10年間の将来投資ともいえる”生態エコロジー的な市場経済”
を目指していて、ドイツの工業は環境ノイトラルとなり競争力のあるものとなるだろう。また我が国が水素工業の中心地となるようにの努力も怠らない。
バッテリーのリサイクリング工業も忘れてはならない事業である。

* 近代化 ー 行政管理職の勤務時間縮小などの為のデジタル化に力を入れる。
これは鉄道路線や送電線や橋の建設などの場合にも役立つと思われる。

* 年金 ー 年金問題は SPD党が選挙に際して標語として取り上げていた問題で、年金水準を下げることはしない。働く若者が少なくなって、年金受領者が多くなることで起こる差額の補償は、積み立てられている年金保険から借りる事になるので、2022年に年金保険に10Milliadenユーロを供給する。

* 労働及び社会的認知 ー 最低賃金は状況に応じて変化するが、アンペル連立党誕生に際して、1時間の賃金を12ユーロと揚げる。
また今までHartz IV と呼ばれていた基礎援助を以後は国民金とし、この援助金は最初の2年間は受領者の預金や財産に関係なく支払われる。(これ等は連立党が”家庭を大事にしよう”とのモットーを持っていることが基礎になって援助を惜しまない政策になっている、との添え書きがついています)

* 環境保護 ー この問題の解決点は今まで使っていたエネルギーを、害の少ない新しいエネルギーに取り替えることである。これは2030年までに、現在使われている80%のエネルギーを新しくすることを意味し、そのためには新築の産業関係の家屋にはソラール(太陽光線)装置を取り付けることが義務となり、普通の住居には基準となる。
海上での風力エネルギー生産はその生産高が最も期待されているのだが現状では実際の成績は残念ながら期待に沿うところまでは進展していない。

 このような連立契約書のおおよその内容が読み取れました。

 選挙後の2ヶ月で、3つの党の違った意見をまとめたDebatte(政治的討論)力に感心したのですが、記事に添えられた3党の代表者たちの年代が若いことが原因かとも思われました。そして ”話すこと”とDiskussion(討論)を重んじる学校教育の結果が見えるようにも思われます。
 微笑と共に颯爽と前進して来る代表者たちの写真には希望が見えるような気がして応援したくなります。長く住んでいても国籍が日本のわたしには選挙権はないのですが・・・


aokijuku at 00:30|この記事のみを表示コメント(0)

2021年11月13日

ビュッケブルグ歳時記 260

コロナの蔓延る厳しい秋・・・

 一時減った感染者の数は、秋風とともにcovid-19 の患者の数が急激に増えているパンデミー。それに対する政策を、10月に行われた総選挙で成り立ったアンペル(交通信号機)連立党(SPD 社会民主党+ FDP 自由民主党+ みどりの党)が接種センター排除や、テストを有料にしたり、Booster と呼ばれる三回目の接種促進を弛みなく練っているのですが、厳しい秋に続く冬はもっと難しい寒さになるだろうと予測されているドイツです。 

 現在の状況として、七日間隔の付随現象(この国では発病人数を発表するときに7日間の Inzidenz =付随現象とか突発事 と言う言葉を用いています)を見ると、110、1人だった発病者が1週間後の今日は154、8人に増えている。特に顕著なのは子供と青少年で、10月の終わりには19歳以下の患者数は500人以上に上ったという事です。
 また11月初めには83millionen 人の国民の66、7% が二回の接種を終えているにもかかわらず、前日よりも74人多い2058人の Covid― 緊急患者が
入院していると報じられています。

 この心配に満ちた状況に対して Booster= 三回目の注射の重要性が解かれています。これは1+2回の接種の6ヶ月後に行われる接種を意味していて、70歳以上の人、福祉施設居住者、特定の病菌の免疫患者、看護人などに対しては特別重要だと、接種委員会は指摘しています。
 これは今年の夏、患者が多くなったイスラエルで、国民に三回目の接種を強行した結果、パンデミー4波を逃れたという現象から起こった希望の見える対策だと言われています。
 各州の健康省から発表された「以後60歳上の国民に、家庭医による三回目の接種を可能にする」との政策は、集約医学者たちからの絶対的な同意も示されています。
 また、施設居住者や見舞い客に対するテストを厳重にすることも決議されたとの事です。この案と同時に、病院や施設でコロナ患者の世話をする看護人に対する一種のボーナス案 ー 特にインテンシブ(集中)看護者には数ヶ月の特別給料を給与するべきだとの声も報道されています。 

 またこの国で使われているパンデミー対策案、2 G = Geimpft + Genesenと 3 G = Geimpft +Genesen + Getestet (接種済、回復済、テスト済)の中の 3 G 案 を重要視するべきだとの案も健康省から出されています。音楽会やその他の催しもの会や、一室での集会を3 G 案でコントロールするというわけです。
コロナ初期には3Gで、接種が進んだ時期には2Gで、個人の自由が緩和されていたのですが、Cobit と共にまた規則が厳重化されたわけです。

 この様に日本では感染者が少なくなっているのに反して、この国ではCovit 感染者がうなぎ登りをしている現状を見て本当に怖くなっています。
 原因を考えてみるとこの国が置かれている地理条件と、民主主義が進んでいる国家という二つのことが思い浮かびます。
 ドイツはヨーロッパ大陸の真ん中に位置していて、EU 圏の中心地であることなどから上下左右の行き来が自由で多いということから、規制を厳しくしない限り外からの感染も多いと思います。
 そして、「個人の自由」が、政治にも国民にも行き渡っていることを考えると、今回のようなパンデミーの場合の対策は難しいと思われます。二回の接種を終えたお友達が、歯医者受診の後、歯医者看護婦からの感染でポシテイブとなったのですが、全看護人に接種を強制する事はしない、出来ない(?)政治なのです。

 この様に、この冬の厳しさを見ると予定していた2022年の3月21日の Freedom Day の実現は難しいと思われるドイツです。


aokijuku at 11:43|この記事のみを表示コメント(0)
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