2022年09月06日

【From America】「パスポート」

アメリカのウインドゲイト緑です。
パスポートコロナが始まって以来、旅行が難しくなってから時間が経っています。今年の夏は初めて行動宣言なしの夏を向かえ、海外に旅行にいらした方も多いかと思います。海外旅行にはパスポートが必要です。今回はそのパスポートの話題です。

私のアメリカの友人のお父様(元々アイルランド人)は晩年米国から母国アイルランドに移住しました。老後は母国に戻り、そこでお父様は亡くなりました。
この悲しい知らせを聞いて、友人はお葬式の為にアイルランドに行くことになりました。前もって計画を立てる楽しい旅行とは違い、こういう知らせは突然来るものです。慌てて旅の支度をしていると、なんとパスポートが見つかりません。こんな時、皆さんだったらどうしますか? もうパニックですよね。どうするのかしら? と心配していると、なんとアメリカには人道的な特例があることが分かりました。

家族の不幸に見舞われた時は特別、ということで、友人は朝の8時に(日本でいうところの)パスポートセンターに行って申請。なんと同日の午後2時には新しいパスポートを手に入れて、そのまま空港へ直行。飛行機に乗れた、というエピソードを聞きました。パスポートの即日発行というのは聞いたことがありませんでした。私は「日本だったらどうなるのだろう?」と思いました。日本で通常のパスポートの発行や更新には約1週間はかかるのではないでしょうか。日本にこのような人道的な特例があるのか? 分かりませんが、私はアメリカの懐の広さに感動しました。

勿論、パスポートが見つからない、というのは友人の落ち度です。しかし、肉親が亡くなった時には悲しみに打ちひしがれ、動揺してしまい、パスポートを探す元気さえも失っているでしょう。パスポートがなければ国外には出られません。もしこの特例が無かったら、彼女は一生に一度しかない父親のお葬式に参列することは出来なかったのです。

日本人はルールを大変よく守る国民として知られています。それは日本人の良いところです。ルールはルール。でも、時と場合によってはそのルールを曲げても人道的な計らいをしてくれるアメリカの懐の深さは日本も見習うべきところがあるかなと思います。移民でいっぱいのアメリカだからこそ、こんな例外も想定範囲内なのかも知れませんが、何事も時と場合によります。こういう柔軟性があるのは素晴らしいことだと思いました。


aokijuku at 00:30│コメント(0)

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