2022年06月25日

ビュッケブルグ歳時記 275

若者の扱い方 ー シュタインマイヤー大統領の案を巡って

 ウクライナ対ロシアの戦争が始まった事がきっかけで、このところ世界中の国々で軍備について云々されている様ですが、この国でも、軍備そのものではなくとも、戦争になった場合には必要となる若い人たちの心構えを云々する話題が取り上げられているのです。

 その一つ、6月12日に大統領が発表した「共同社会を維持し、その力を大きくするためには、青少年期にある若者に ”社会的義務期間” を与える事が必要である。この案の実行のための討議を今、始めるべきではないか」との意見に、市民はもちろん、ジャーナリズムや知職階級の賛否の意見が新聞記事をにぎわしているのです。

 大統領は「これまでにも我が国の若人たちは連邦国防軍においてだけではなく、老人の世話、障害者や家無し族の世話をするなどの社会的事業に関わってきたのだが、今までは自由に決められたこの期間を、義務付けることを考えることは無駄では無いと思う。義務となることから、デモクラシーと社会とのつながりを学んだり、自分の殻を出て、異なる人間を知ることから偏見を捨てて、公共的精神を強めることにもなると思われる。
また自分は兵役を義務に戻すことには賛成しない。
我々の国は、2011年に、55年間続いた防御と兵役代替社会奉仕勤務義務の形から引き離されて徴兵制度は廃止となったのであるが、現在のロシアのウクライナ攻撃を見ていると、兵役義務が必要である事がわかる」

 要するに兵役義務は自由のままにしておき、ドイツの全青少年期の若者に1年間の社会奉仕期間を義務付けることを検討すべきだという、大統領の意見な訳です。

 次に、この意見にたいしての反対意見をお知らせしてみます。 

 連邦家庭大臣の P. 女史は「義務付けることは個々の自由を犯すことを意味する。
パンデミーの蔓延った時期にも老人のためにと協力を惜しまず、自分達の要求を抑えてきた若者達に義務を今、押し付けることは避けたい。
 そして、現在行われている若者による二つの社会奉仕事業 
1. Bundes Freiwilligen Dienst = 連邦自由意志による奉仕機関 と、
2 . Freiwillige sozialeJahre = 自由意志での社会奉仕年 には 毎年100000人の若者が参加して、積極的に社会奉仕の仕事をエンジョイしていることを思うと、それを義務化することは反対の結果を産むとしか考えられない。それよりも現在の状況にもっと魅力を与えること ー例えばこの奉仕期関に対する年金を与えることや、給料の値上げなどー を考える方が彼らの意気を挙げることに役立つだろう」と言っています。

 また、SPD( 社会民主党)は需要なのは兵役を義務化をすることではなく、連邦国防軍を上等な軍にすることによって、優秀な人物を集めることが目的であるべきだとの意見。
 FDP(自由民主党)は有名なケネデイの格言 “軍隊は青年それぞれが自分の意志で選択した場所でなければならない。我々に若人の人生路を決める権利はない”をモットーにあげています。
 みどりの党も義務化には不賛成で、今ある二つの社会奉仕事業を魅力あるものにし、選択した若者に意義を与える年にするのが我々の目的であるという意見を発表しています。

 このように、ある意味では国最高の地位にある大統領の意見にも、それぞれが自分の意見を持って対抗しているのです。デモクラシーの国だからこそできることだと思われます。
 

 賛成の声もあるのですが、コントラの声に対抗できるほどの数にはなっていない様です。

aokijuku at 00:30│コメント(0)

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