2021年11月27日

ビュッケブルグ歳時記 261

赤ー緑ー黄の新しい、連立チームによるドイツ国の誕生

 との見出しで、総選挙の2ヶ月後の今朝の新聞に、この国の新しい政権の連立契約書のおおよその中身が、期待を象徴する4人の代表者の笑顔と共に発表されました。
 温暖化対策、最低賃金の値上げ、エネルギー問題などが代表する政策の目的は”進歩前進”であり、”3党による小さな分母ではなく、成果が大きい政治”を目指しているとの次期総理大臣候補者SPD(社会民主党)のScholz 氏のコメントのついた政治構成事項が記事になっていますので、参考までに書いてみます。

* 財政関係 ー 借金についての条約は2023年まで余裕があるので、それを温暖化対策とエネルギーフォンズのために使う。
コロナによる負債返済期間は引き延ばす。
鉄道、促進銀行、不動産連邦事務所(現在、この国では普通のアパートがないことが大問題になっているのです) への貸し出しを多額にする。

* 健康、救護、薬物政策 ー 救護者には国からある期間ボーナスを支給する。
また 薬物に関しては成人に対するカナビス給与をライセンス化する。

* 交通 ー 残念ながら速度制限はFDP(自由民主党)の反対で実現しなかったが、2030年までに15Millionen の車を電動車にする。2035年にはEU が主張しているCO2ノイトラルの車だけにする。

* 経済関係 ー 10年間の将来投資ともいえる”生態エコロジー的な市場経済”
を目指していて、ドイツの工業は環境ノイトラルとなり競争力のあるものとなるだろう。また我が国が水素工業の中心地となるようにの努力も怠らない。
バッテリーのリサイクリング工業も忘れてはならない事業である。

* 近代化 ー 行政管理職の勤務時間縮小などの為のデジタル化に力を入れる。
これは鉄道路線や送電線や橋の建設などの場合にも役立つと思われる。

* 年金 ー 年金問題は SPD党が選挙に際して標語として取り上げていた問題で、年金水準を下げることはしない。働く若者が少なくなって、年金受領者が多くなることで起こる差額の補償は、積み立てられている年金保険から借りる事になるので、2022年に年金保険に10Milliadenユーロを供給する。

* 労働及び社会的認知 ー 最低賃金は状況に応じて変化するが、アンペル連立党誕生に際して、1時間の賃金を12ユーロと揚げる。
また今までHartz IV と呼ばれていた基礎援助を以後は国民金とし、この援助金は最初の2年間は受領者の預金や財産に関係なく支払われる。(これ等は連立党が”家庭を大事にしよう”とのモットーを持っていることが基礎になって援助を惜しまない政策になっている、との添え書きがついています)

* 環境保護 ー この問題の解決点は今まで使っていたエネルギーを、害の少ない新しいエネルギーに取り替えることである。これは2030年までに、現在使われている80%のエネルギーを新しくすることを意味し、そのためには新築の産業関係の家屋にはソラール(太陽光線)装置を取り付けることが義務となり、普通の住居には基準となる。
海上での風力エネルギー生産はその生産高が最も期待されているのだが現状では実際の成績は残念ながら期待に沿うところまでは進展していない。

 このような連立契約書のおおよその内容が読み取れました。

 選挙後の2ヶ月で、3つの党の違った意見をまとめたDebatte(政治的討論)力に感心したのですが、記事に添えられた3党の代表者たちの年代が若いことが原因かとも思われました。そして ”話すこと”とDiskussion(討論)を重んじる学校教育の結果が見えるようにも思われます。
 微笑と共に颯爽と前進して来る代表者たちの写真には希望が見えるような気がして応援したくなります。長く住んでいても国籍が日本のわたしには選挙権はないのですが・・・


aokijuku at 00:30│コメント(0)

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