2020年03月28日

ビュッケブルグ歳時記 223

コロナ災害をめぐって・・・

 前回のブログでは措置の薄いドイツのコロナ状況をお伝えしたのですが、その直後にはイタリアでの状況に影響されたのか、この国でも政府の対策が驚くほど活発になり、市民への呼びかけも徹底したものとなりました。

 連邦制度のこの国では教育もその州によって異なり、フランスとの国境に近い州では既に学校閉鎖が行われていたのですが、メルケル首相の「団結」強調に同意したこともあるのか、全国での4月末までの学校閉鎖が発表されました。勿論、学校以上の教育機関、専門学校や大学も休講です。

 そして感染者を少なくするために、社会的コミュニケーションを控えるようにとの告知もありました。この「社会的コミュニケーション」とは、人と人の接触を意味し、要するに、感染速度が落ちるまでは、家族以外の人と会って話すなどの付き合いは止めるようにとの通告です。それが仲の良い友達あっても、近くには寄らず、例えば二人で歩くときの間隔は最低1.5メートルとするなどもこの中に入ります。
 感染者低下には、要するに感染者と健康人の接触を極力少なくすることにあり、そこから他人同士の出会いを少なくする事で、外出を極力しないようとの告知も出ています。バイエルン州では例外を除いては禁止令が出ていると思います。
 このため、太陽の出た日の公園での日光浴とか、街角のアイス店での野外おしゃべり会は全面的に禁止されました。もちろん、夜の居酒屋ビール飲みも、デイスコ訪問もです。コロナは若い人には軽症という事で、これらの掟を守らない若者が多かったためか、初めは警察車の巡回も多くみられたのですが、今は市民に「団結協力」が徹底してきています。例外の店を除いては、営業禁止の店も多くなり、わたしの住む小都市の昼間の街並は閑散として不気味なほどです。
 ベルリンのような大都市では、バスや電車は相変わらず通勤者でいっぱいのようですが、道路を走る車の数は目に見えて減っているとのことです。  

 このように一般市民の協力努力が求められているコロナ恐怖症のようなドイツの毎日なのですが、自由を拘束される環境の中から少しでも次の発展に役立つものをという発展心が見えるような新聞記事が目に止まりましたのでお知らせしてみます。
 「コロナ騒動ーー教育のデジタル化への督促」が見出しです。
「百万人の生徒が現在、通学禁止になっている。家で学べるのは教育がデジタル化されていればの話で、残念ながら我が国はこの点では非常に遅れている。中国で見学した読み書きの時間では、生徒各自がスキャナー機で、書き方を習い、間違えを直されていた。その他、地理の授業では教科書ではなくスクリーンに映る写真で世界中を旅していた。ここで重要なのは「学ぶ」ということの形態を新しくする、という感覚をまず、教師にも生徒にも父兄にも行き渡らせることである。例えば、interaktive 学習ヴィデオなどは、教師と生徒間の感覚改良などに非常に役立つものと思われる。だが、このような新しい教育法を現実の教室に持ち込むまでには長い時間がかかるだろう。先ず、infrastruktur{下部構造)の設立を急ぐべきだし、教師たちのデジタル教育者としての感覚改良にも力を入れる必要がある。
 この数年のOECDの学力検査の結果では我が国の生徒の成績は下がる一方である。知識集積の教育を良しとしない方針には、「新しい教育の形」の設立を急ぐことが重要ではないか。そうでなければ我が国の教育の行方はどうなるのか」

 もう一つ、経験した小さな助け合い協力精神をお知らせします。
 隣組の若い主婦の奥さんたちから「これからスーパーに出掛けるのだけれど、買い忘れたものとか、何か欲しいものがあったらついでに買ってきてあげますよ」との電話が二回あったのです。彼女たちより年上のわたしの外出を気使っての電話に、春先の冷たい風を押しのけて、体に暖かい太陽光線が届いたような気になりました。


aokijuku at 00:30│コメント(0)

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