2019年04月04日

ブログ19-14

ミスターシマダその2

もう4年ぐらい前のことですが、ニューヨークからロスに転勤し、初めてリトルトウキヨウの鮨元にはいつたとき、宮本武蔵がいると一瞬思ったほど、目の澄んだ、髪の長い、なんとも形容しがたい風貌の持ち主がカウンターにすわっていた。持ち前のの好奇心から声をかけずにいられなかつた。

あのう、どんなお仕事で、
「 私はマジツシヤンです。」

彼は16歳の時に、この世界に入り、現在はロスにすみ、ラスベガスを中心に世界を飛び回っている人で夫人はオーストラリア人とのこと。
ああそうですか、マジツシヤンと言いますと私の親戚にもアマチュアマジツシヤンがいまして、かなりのレベルと聞いています。

「 何というかたですか。」

まあ、ご存知ないでしようが、マミヤカメラの創業者、間宮精一と言う人です。
ええ、ええ、間宮精一先生ですか。

「 先生は私の恩人です。」やおら、彼は横に置いた古ぼけたカバンから大事そうに大事そうに一枚の写真を取り出した。彼の初舞台の写真で間宮精一さんが撮ってくれたもので、こうやつていつも大切に持ち歩いているとのことでした。彼がプロの駆け出しの頃、間宮さんがマジックを教わると同時に有力な後援しやだつたようです。
「今日あるのは間宮先生のお陰です。その恩はわすれません。」

こう話してくれた彼の目は輝いていた。続


aokijuku at 01:00│コメント(0)

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