2018年05月26日
ビュッケブルグ歳時記 179
不思議な島への遠足
この間、Hallig と呼ばれる島々へ行ってきました。この島の在り方はとても奇妙で面白いと感じたので、標題を不思議な島としたのですが、何故この島が不思議なのかをお話ししてみます。この種の島は日本には無いように思われますので。
ドイツの北部は、デンマークに続く細長い陸を挿んで西側が北海、東が東海です。北海の西はオランダまで、北はデンマークまでの沿岸はフリースランドと呼ばれていて、沿岸の向側の海にはフツウ(不思議ではないの意味)の島々が並んでいます。これ等の島と大陸本土の間の海は Wattenmeer と呼ばれる干潟、砂州で、干潮になると海水が退き、裸足や長靴で散歩が出来るようになるのです。案内人が必要ですが。このようなことからか、これ等の島々は休暇を過ごす地として好まれ、一年中、各地から訪れる休暇族で賑わっています。
不思議な島 Hallig はこれ等の島の北端、デンマークに近い海の中にある9個の小島の群れです。全島の総合面積が33qkm です。そしてその中の極小島々は暴風による高潮がくると、海の中に没してしまうのです! そして風が治まり潮が退くと、魔法が解かれたようにまたその姿を現すのです。
歴史はおおまかなことしか判らないということですが、1300年頃、島の姿が現れたそうで、人が住みついたのはヴァイキング時代ということです。現在はこの6島に、全部で約650人が住んでいるそうです。
暴風高潮の非常時には、住んでいる家の庭周りが海水に覆われる自然現象は今も続いているのです。そしてその時は、家々がぽつぽつと海水の上に建っているように見える光景になって、謎めいて、不思議な感じの絵のようになるのです!
Langeness と名ずけられた一番大きな島の様子をお伝えしてみます。
この島は、長さ10km、巾は、一番広いところで1、4kmの細長い形です。本土からフェリーボートで、約1時間半後に着いた港の前には真っ直ぐな細い舗装道路が貫いているのが見えます。車2台がすれ違うことは出来ない巾のため、所々にそのための車待ち場が見えました。そして、草に覆われた平地に時々現れる家々は低いけれど盛り上がった丘の上に建っているのです。この丘は、海抜4−5mのWerftと呼ばれる、家と周囲の地帯を高潮から守るために人力によって作られた丘のことです。約200名の定住者を持つこの島には18のWerft があるそうです。
そして先ず教会が建てられ、その後2002年には3人の幼児のための幼稚園が作られ、2011年には学校が建てられたのです。現在は2ー9年生にわたる15人の生徒に、2人の女性教師がこの学校の在籍者ということです。15人の生徒は2組に分けられ、個性を重んじる教育法で勉強に励んでいるそうです。示されたスローガンに感心しましたので、皆様にもお伝えしておきます。「Education is not leaning of facts. It's rather the training of the mind to think」 アインシュタインの言葉だそうです。
もう一つ感心したのは生徒の一人が、卒業後は本土で職業を身につけ、その後又島に帰って来るとの意志を云っていたことです。島に生きることの誇りを見たように思われました。
Hallig は海底の泥炭地の上に肥沃湿地土が重なって出来たものだそうです。ですからそこに生える植物も塩分を多分に含んでいるので、純粋な農業だけでは生活は成り立たず、本土に働きに出ることと両立している人が多いとのことです。
今の季節は、渡島した、北極地に生息するシジュウカラガン(鳥の種類)の群れが観光の華のようでした。
この間、Hallig と呼ばれる島々へ行ってきました。この島の在り方はとても奇妙で面白いと感じたので、標題を不思議な島としたのですが、何故この島が不思議なのかをお話ししてみます。この種の島は日本には無いように思われますので。
ドイツの北部は、デンマークに続く細長い陸を挿んで西側が北海、東が東海です。北海の西はオランダまで、北はデンマークまでの沿岸はフリースランドと呼ばれていて、沿岸の向側の海にはフツウ(不思議ではないの意味)の島々が並んでいます。これ等の島と大陸本土の間の海は Wattenmeer と呼ばれる干潟、砂州で、干潮になると海水が退き、裸足や長靴で散歩が出来るようになるのです。案内人が必要ですが。このようなことからか、これ等の島々は休暇を過ごす地として好まれ、一年中、各地から訪れる休暇族で賑わっています。
不思議な島 Hallig はこれ等の島の北端、デンマークに近い海の中にある9個の小島の群れです。全島の総合面積が33qkm です。そしてその中の極小島々は暴風による高潮がくると、海の中に没してしまうのです! そして風が治まり潮が退くと、魔法が解かれたようにまたその姿を現すのです。
歴史はおおまかなことしか判らないということですが、1300年頃、島の姿が現れたそうで、人が住みついたのはヴァイキング時代ということです。現在はこの6島に、全部で約650人が住んでいるそうです。
暴風高潮の非常時には、住んでいる家の庭周りが海水に覆われる自然現象は今も続いているのです。そしてその時は、家々がぽつぽつと海水の上に建っているように見える光景になって、謎めいて、不思議な感じの絵のようになるのです!
Langeness と名ずけられた一番大きな島の様子をお伝えしてみます。
この島は、長さ10km、巾は、一番広いところで1、4kmの細長い形です。本土からフェリーボートで、約1時間半後に着いた港の前には真っ直ぐな細い舗装道路が貫いているのが見えます。車2台がすれ違うことは出来ない巾のため、所々にそのための車待ち場が見えました。そして、草に覆われた平地に時々現れる家々は低いけれど盛り上がった丘の上に建っているのです。この丘は、海抜4−5mのWerftと呼ばれる、家と周囲の地帯を高潮から守るために人力によって作られた丘のことです。約200名の定住者を持つこの島には18のWerft があるそうです。
そして先ず教会が建てられ、その後2002年には3人の幼児のための幼稚園が作られ、2011年には学校が建てられたのです。現在は2ー9年生にわたる15人の生徒に、2人の女性教師がこの学校の在籍者ということです。15人の生徒は2組に分けられ、個性を重んじる教育法で勉強に励んでいるそうです。示されたスローガンに感心しましたので、皆様にもお伝えしておきます。「Education is not leaning of facts. It's rather the training of the mind to think」 アインシュタインの言葉だそうです。
もう一つ感心したのは生徒の一人が、卒業後は本土で職業を身につけ、その後又島に帰って来るとの意志を云っていたことです。島に生きることの誇りを見たように思われました。
Hallig は海底の泥炭地の上に肥沃湿地土が重なって出来たものだそうです。ですからそこに生える植物も塩分を多分に含んでいるので、純粋な農業だけでは生活は成り立たず、本土に働きに出ることと両立している人が多いとのことです。
今の季節は、渡島した、北極地に生息するシジュウカラガン(鳥の種類)の群れが観光の華のようでした。
aokijuku at 00:30│コメント(0)│