2017年07月22日

ビュッケブルグ歳時記 159

歴史に残る、ある可決一事実


 7月上旬に、これまで結末が引き延ばされていたある一つの事が、今回の選挙を前に新しい法律として、この国の市民の一部を幸せにすることになりました。この一事とは Ehe fuer alle = 短くて、良い訳が見付からないのですが、「誰れとでも出来る結婚」という意味で、この国の誰でもが、誰とでも結婚出来る、との法案が可決されたのです。


 ドイツではホモセクシュアルとかレスピッシュとか性変格者などについては、わたしの時代の日本に較べると、とてもオープンに話されることが多いように思われますし、この人達のジェンダー認識改革への声も大きく聞えて来ていましたが、今まで、同性者同志の結婚は不法でした。
 17年前に Lebenspartnerschat = これまた、良い訳を知らないのですが、(同性同志で)共に生きるパートナーシップ制度 との意味の制度が設定され、同性同志の愛情生活が解放され始めてはいたのです。しかし、この制度は普通の結婚制度とは違う、制限の多いものでした。
 その後、時代の変化とともに、又、民主主義の人間平等精神の解釈変化とその履行を新しく考えるとの気風から、同性同士の結婚を男女の結婚と同等にするとの動きが大きくなり、2013年には税金制度が普通の男女婚姻者と同じ扱いになり、大きな問題点であった養子をとって育成する制度が緩和されました。パートナーの子ども又は既に居た養子を二人で養育することが許可されたのです。しかし、パートナーシップの同棲者二人が養子をとることはこの時は未だ不許可でした。


 今回の可決、それに続く基本法の変改は、選挙前なので社会民主党SPD が、この同等案を通すことで票集めをしたいとの内幕噂もありましたが、ドイツの2大政党で現在大連党として司政しているCDU/CSUはキリスト教民主同盟ですから(聖書には、神は初めに男と女を創造した・・・とあり、そこから結婚は男女間のこととの解釈が普通)、この案には反対者が多いと予想されていたにもかかわらず、 6月30日の決議投票では議席数3分の2の票を獲得して可決されたのです。これで、同性同志の結婚が今までの男女間結婚と同じ権力を持つことになったわけです。以後は、同棲カップルも普通の夫婦と同じように養子をとれるようにもなったわけです。
 この結果に対してカトリック教派は、教えに背くものとして反対意見を、プロテスタント派は、共鳴と支持を表明していることを書き添えておきます。日本ではキリスト教をひとまとめに考えるようですが、新旧の差はここの結果でも判るとおり、はっきりした区別があり、両者の関係は決していつも平和的ではないのです。
 メルケル首相は、この問題は「その人の良心の問題である」として、反対票を入れたということです。


 この同性同志の結婚制度が確立したことは歴史的事実と言われています。宗教や歴史について不明なわたしには歴史的事実の本当の意味は判らないのですが、ここで判るのはやはり、市民の意見が通るという事実です。前回で度々お伝えしたとおり、音楽、美術などの芸術関係の意見も政治に大きな感心を持ち、宗教も今回の例のとおり政治に口を出すことを見ると、政治は市民のためにあるものということを、またしても強く感じます。政治が市民の近くにあるということが、市民の明日を作るのだと思うのです。


aokijuku at 00:30│コメント(0)

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