2017年01月21日

ビュッケブルグ歳時記 147

2017年の初めに考えること 


 遅ればせながら、新年、あけましてお目出度うございます。


 今年も読者の皆様に、この地でのことをわたし流にお伝えしたいと思います。
このブログを読んで頂けることに感謝します。そして質問や、反対もしくは肯定意見などのコメントを頂ければいっそう嬉しく、また励みになります。いい意味での議論ブログとなることを時々夢想したりします。どうぞよろしくお願いいたします。
 

 先頃、中学生(日本在住)となった姉の孫娘の学校を含めた生活時間を知る機会があったのですが、次の2事項に目を見張る思いがありました。
 第一は、「部活」での活動時間の長さです。平週は一日休む他は、放課後毎日、
練習があります。そして、ある週は始業前の1時間、早練習があって、その日は朝6時半に家を出るとのことです。朝食と昼食の2回のお弁当が必要とのことです。これだけではなく、このようなハードな練習時間の他、土・日も他校との試合などに出掛けることが多いとのことです。彼女はテニス部に入っています。
 このように、部活が生徒の授業後の自由持間を多く拘束するのかと、その時間数に先ず驚きました。
 そしてもっと驚いたのが第2の「塾」に関してです。
 彼女が通っている塾での時間は「コマ」という言葉で表現され、今日は2コマ、明日は3コマと、ほとんど毎日授業があるのです。午後6時に始まり3コマの日は終わるのは9時20分です。車で15分ほどの塾から帰ってから夕飯となるわけです。勿論、出掛ける前に少し重いオヤツをとってという親の心ずかいはあるとは思いますが、9時半を過ぎての夕食は子どもの健康に害はないのかと疑ってしまいます。
 しかし彼女は塾に行くのを決していやがらないということです。むしろ喜々として出て行くそうです。
 このような時間割を見ると、日本では12歳の中学1年生の子どもには、毎日、学校の授業と部活と塾とでほとんど自由な時間がないことがわかります。


 ドイツの学校は、この10年で全日制に切り替える学校が多くなっています。
その理由は母親の職業進出が多くなり、学校が、午後、留守宅子どもの管理所としての役割を担うことになったことが大きくあげられます。ですから日本のように午後も授業が行われる全日制ではなく、午後は、教師ではなく、生活教育指導者の管理のもとに、部活や宿題をするという形ですから、学習勉学の面では、日本と較べられない制度です。
 この国では、既述の通り、数年前から高校卒業までの年数が13年から12年になって以来、一日の授業数が増えたことから、自由時間が少なくなって、遊ぶ時間が無くなったと不平を漏らす子どもが多くいます。
 

 ここに挙げたように、子どもの持つ、或は持つべき自由時間についても両国に相違があり、考えるべきことを多く含んでいるように思われます。
 部活動は生徒の自発的な参加により行われるベきだということですが、義務づける学校も多いということを聞くと、子どもの人権は何処にあるのかと考えてしまいます。
 また塾が歓迎されるということを聞くと、学校の価値は?地位は?と聞きたくなります。学校こそ、子ども達が、いろいそなことを学びに喜んで行く(べき)所ではないのでしょうか。
 



aokijuku at 23:17│コメント(0)

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