2016年08月27日
ビュッケブルグ歳時記 138
不安
今朝の日独両方の新聞からは、最後の夏の日を思わせる澄み切った青空が投げかける安らかさにふさわしくない不安なニュースを読み取ることになりました。
日本の新聞は「24日、北朝鮮はSLBDを実験発射した。今回は、過去に較べて発射能力の進展を示す、日本の防空識別圏内に達する500キロの飛行力を記録。実戦配備近づく」と報道しています。
そしてドイツの新聞の1面には「再び兵役義務帰還になるか」とあったのです。
両記事とも戦争という言葉を連想させるもので、現実の平和日和と対比して、このような記事を読みたくないと思った読者が多かったと思われます。
ドイツの実情をお伝えします。
難民問題だけではなく、最近、南ドイツで起ったテロ行為とみまがう数々の蛮行から、今、ドイツでは「国民の安全性を確保するには」が、政府の第一の施政モットーとなっているのです。
急場ー 規模の大きいテロ行為、サイバー攻撃と呼ばれるコンピューターやネットの通達機関が挫折した場合、何かの原因で飲み水が汚染されるとか電力供給不可になった場合、もっとこわい「穢れた爆弾」をテロリストが手にした場合など、危機が訪れてから対策を考えたのでは遅すぎるを理由に、与党は国民による民間防衛体制を新たにして市民の安全を確保しようとの草案を国会に提出、討議しているのです。この中には、こちらでは冬用食物を保存する動物に因んで”ハムスター買い”と呼ばれる、水、穀物類などの大量買い置きを市民にすすめる案も入っています。この民間防衛体制に賛成しない野党は、ただの”パニック作り案”だと反撥しています。
そしてこの民間体制で対抗出来ないような大きな危機に面した場合、助けるのが軍隊というわけです。今までは軍隊は洪水などの広大地域の援助はしていましたが
町中の刑事事項などの手伝いはしていません。
ドイツは5年前の2011年に、55年間継続した徴兵制を中止しました。
しかし、例えば軋轢の耐えないロシアと隣接する国々との境界線をNATO軍として守るためとか、散在する IS 国テロ軍に対しての対戦策には職業軍隊が必要だとして、場合によっては徴兵制度を再度施行することも考えに入れなくてはならないと主張するのが与党です。
野党は、徴兵義務廃止はこの国の社会にとって数々の好結果を残している。例えば Das Freiwillige Soziale Jahr( 自由意志による社会奉仕の1年間)はブームとなって、学校を終えた若者が老人ホームの手伝いをしたり、ある者は環境保護の池掘りをしたりなど、良い成績を残していることを忘れるべきではない。
民間防衛体制につづく徴兵義務再施行は、危険な方向に向かって行くような
気配をかんじると戒めている党もあり、しばらくの間は論争が続くと思われます。
日本の市民もドイツの国民も、この先、次々に来る季節を平和の中で味わうことの出来るように皆が努力しなければと、強く思わされました。
今朝の日独両方の新聞からは、最後の夏の日を思わせる澄み切った青空が投げかける安らかさにふさわしくない不安なニュースを読み取ることになりました。
日本の新聞は「24日、北朝鮮はSLBDを実験発射した。今回は、過去に較べて発射能力の進展を示す、日本の防空識別圏内に達する500キロの飛行力を記録。実戦配備近づく」と報道しています。
そしてドイツの新聞の1面には「再び兵役義務帰還になるか」とあったのです。
両記事とも戦争という言葉を連想させるもので、現実の平和日和と対比して、このような記事を読みたくないと思った読者が多かったと思われます。
ドイツの実情をお伝えします。
難民問題だけではなく、最近、南ドイツで起ったテロ行為とみまがう数々の蛮行から、今、ドイツでは「国民の安全性を確保するには」が、政府の第一の施政モットーとなっているのです。
急場ー 規模の大きいテロ行為、サイバー攻撃と呼ばれるコンピューターやネットの通達機関が挫折した場合、何かの原因で飲み水が汚染されるとか電力供給不可になった場合、もっとこわい「穢れた爆弾」をテロリストが手にした場合など、危機が訪れてから対策を考えたのでは遅すぎるを理由に、与党は国民による民間防衛体制を新たにして市民の安全を確保しようとの草案を国会に提出、討議しているのです。この中には、こちらでは冬用食物を保存する動物に因んで”ハムスター買い”と呼ばれる、水、穀物類などの大量買い置きを市民にすすめる案も入っています。この民間防衛体制に賛成しない野党は、ただの”パニック作り案”だと反撥しています。
そしてこの民間体制で対抗出来ないような大きな危機に面した場合、助けるのが軍隊というわけです。今までは軍隊は洪水などの広大地域の援助はしていましたが
町中の刑事事項などの手伝いはしていません。
ドイツは5年前の2011年に、55年間継続した徴兵制を中止しました。
しかし、例えば軋轢の耐えないロシアと隣接する国々との境界線をNATO軍として守るためとか、散在する IS 国テロ軍に対しての対戦策には職業軍隊が必要だとして、場合によっては徴兵制度を再度施行することも考えに入れなくてはならないと主張するのが与党です。
野党は、徴兵義務廃止はこの国の社会にとって数々の好結果を残している。例えば Das Freiwillige Soziale Jahr( 自由意志による社会奉仕の1年間)はブームとなって、学校を終えた若者が老人ホームの手伝いをしたり、ある者は環境保護の池掘りをしたりなど、良い成績を残していることを忘れるべきではない。
民間防衛体制につづく徴兵義務再施行は、危険な方向に向かって行くような
気配をかんじると戒めている党もあり、しばらくの間は論争が続くと思われます。
日本の市民もドイツの国民も、この先、次々に来る季節を平和の中で味わうことの出来るように皆が努力しなければと、強く思わされました。
aokijuku at 10:14│コメント(0)│