2015年08月08日

ビュッケブルグ歳時記 114

統合欧州の行く手


 前回ブログ、メルケル像に次のようなコメントが寄せられました。
〔今回のギリシャ危機は、EUから距離をおいてみるとどちらが良い、悪いの問題ではありません。応急手当でギリシャが息をついてもまた危機は訪れるでしょう。本質的にこの問題を突き詰めればEU内部の南北問題であり、これをトコトン突き詰めと独仏の対立となり、アデナウアーとドゴールの合意が目指した欧州統合を覆す恐ろしい事態に舵先を向けることになります〕
 次に、下記のベルリンからの一記事を読んでいただきたいのです。
〔欧州統合を脅かす問題児が誰かと考えるとき、われわれドイツ国が命取りなのだと気が付く。理由を考えてみよう。マルクに別れたことがドイツを裕福国にし、南に並ぶ国々を貧しくする結果となった。2002年にユーロが共有通貨になって以来、ドイツでは輸出が伸び、為替相場も上昇したのだが、賃金上昇は僅かだった。これに反してフランスや英国では労賃が比較にならないほど上がったのがこの原因。経済発展に伴って政治力も強くなってしまった。そこからギリシャに対して政治的権力を押し付ける結果になったように見える現在、われわれは”分かち合うこと”を始めなければならない。ドイツを住み良い国にするのを止めてヨーロッパを住み良い国にすることを始めなければならない。そうしないと、いつか反逆が始まるだろう〕


 この二つの文の云いたいことは、ヨーロッパを平和に保ちたいということだと思います。
 日本からのコメント文の仏独条約を見直してみました。仏独の間に障害が起ることは戦争を意味すると思います。両国は長い間不倶戴天の宿敵として150年間に3度も戦争をした仲のようですが、2次大戦18年後の1963年に、青少年交流がきっかけとなり仏独友好(協力)条約が結ばれたということです。ここで良いと思われるのは、青少年の活動が今も盛んに行われているということです。私の生徒もよく短期交換留学に行っていたことを思い出します。子ども達に友好感情を養成することはこの条約を更に確実にしているような気がします。基礎が固められていると簡単には崩れない条約だと思われるのです。この思い込みを裏付けるのがドイツコメントのように思えるのです。
 記事の最後の句、反逆ということは戦争を意味していると思うと恐ろしくなります。前のプログでドイツが対戦争の危機が少ないのはEU諸国と仲良くしているからと書きましたが、記事の云うように”分かち合うこと”を忘れると、この定義が覆されることになり、戦争になる可能性があると警告しているわけです。この記事を書いたのはベルリンにある有名誌のドイツ人記者です。自分の国の政治に対して批判を持ち、それを記事にして読者の判断を乞うということに価値があると思うのです。ドイツは今大連合政治ですが、違う、反対の意見を示すのは良い野党があるという感じがして、民主政治だと思います。ドイツからのコメントが云っている、自分の国のEU諸国に対する態度を再考せよとの意見を知ると、これからの政策に信用を置けるという気になるのです。そこから協力や妥協や寛容精神を通してEU団結はいっそう固まると思いたいのです。




aokijuku at 00:05│コメント(0)

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
月別の記事一覧
最新コメント